こんにちは。カラーコーディネーターの田巻小百合です。
「誰かに話したくなる色のミニ知識」、第3回の今回は、世界の国旗の色について、探っていきたいと思います。
日本の国旗が「日の丸」になったのはなぜ?
日本の国旗といえば、“白地に赤丸”の「日の丸」ですね。
最近ではキャラ弁と呼ばれる凝ったお弁当も人気ですが、昔ながらの白ご飯に梅干しを乗せた“日の丸”弁当は、日本人に定着したシンプルなお弁当の象徴とも言えます。
まさに、日の丸は日本を象徴するものです。
この日の丸が国旗として採用されるようになったのは、実は江戸時代の末期です。
当時、開国が要求されて外国との貿易が本格化するにあたって、異国の船と区別するために、船につける国旗が必要となり、選ばれたのが日の丸でした。意外と最近ですね。
それでは、日の丸は“いつ”生まれたものなの?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これには諸説ありますが、現在の日の丸に近いものとして、源氏と平氏の戦の際、互いを区別するために源氏が用いたものが「白地赤丸」であったとされています。
そして、その戦に源氏が勝利したことから、天下統一を成し遂げた勝者の象徴として後々に受け継がれたと言われています。
ではなぜ、白地に“赤丸”となったのでしょうか。
ご存知の方も多いと思いますが、日本において、赤丸は太陽を表しています。
その概念は、平安時代に中国から伝わったとされています。
古来の日本人は、農耕や漁労において太陽を信仰の対象としていたことから、太陽を表すものとして赤丸を神聖な存在の象徴としたようです。そのことから、白地赤丸となったというわけです。
それでは、少し違う国の国旗にも目を向けてみましょう。日本と非常に似ている国旗として有名な国にバングラディッシュ、パラオがあります。
日本の国旗と似ている国旗~バングラディッシュ~
現在のバングラディッシュの国旗は、緑地に赤丸の国旗です。
赤は太陽を表しており、緑は豊かな大地を表しています。
それと同時に、1971年に独立戦争を勝ち取ったことから、赤は独立戦争で亡くなった人達の血の色の象徴でもあり、緑はイスラム教に対抗するという意志を表明してイスラムの教えを表す緑よりも濃い色が使われています。
ちなみに、日本の国旗に似ているのは偶然ではありません。
当時の大統領が、日本が農業国から工業国に発展を遂げたことに魅せられて、自国もそうなりたいと日の丸のデザインを取り入れたそうです。
バングラディッシュは親日国としても有名ですが、国旗を通してその想いを感じられますね。
日本の国旗と似ている国旗~パラオ~
次にパラオですが、こちらは明るい青の地に黄金色の丸の国旗です。
黄金色の丸は月を表しています。月はパラオの人々にとって収穫や自然の循環、年中行事に重要な役割をしています。
明るい青はパラオの海を表すとともに、統治されていた過去からの脱却を表しています。
パラオもバングラディッシュと同様に、独立国です。どちらの国も、その統治下の悲しい過去から、未来への強い意志と希望を込めた色が制定されているのです。
ちなみにパラオも親日国で有名ですが、パラオについては日の丸のデザインとの関係は不明のようです。
さて、今回取り上げた3国の国旗、“なんとなく似ている”という認識が、色に込められた各国の歴史と未来への想いを知ると、まったく違うものだと思えますね。
世界には現在196の国があります。その国旗のすべてが、様々な歴史の中で未来への強い想いを色で表現していると言えます。
皆さんの好きな国や国旗についても、ぜひ調べてみてくださいね。
次回は、太陽の色に関するミニ知識をお届けします。お楽しみに♪
参考URL:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/comment/faq/area/country.html
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