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色彩検定の新設級「UC級」とは?|UC級 受けてみた【前編】

色彩検定の新設級「UC級」とは?|UC級 受けてみた【前編】

こんにちは。オンスク事務局スタッフのキクチです。

突然ですが、「日本人男性の20人に1人は、赤と黒、または赤と緑が似た色に見えている」ということをご存じですか?

ある色覚異常の特性を持つ方は「赤」の見え方が違うため、例えば一般的にはとても目立つ「緑を背景にした赤い果実」が、背景と同じような色に見え、見えづらいことがあります。

色覚異常は、遺伝的要因だけでなく、後天的要因によっても起こります。例えば高齢者の方は、加齢に伴う眼球の変質により、細かい色の違いが判別できなくなったり、黒と青の区別がつきづらくなったりします。

このような色覚特性について体系的に学べるのが、色彩検定で新設された「UC級(色のユニバーサルデザイン級)」
今回は2回に分けて、UC級の概要と、UC級第1回の受験レポートをお届けします。

UC級で学ぶ知識は、色彩検定を学習中の方でなくても、身に付けておいて損のないものばかり。
ポスター・チラシ、Webサイトなどをデザインする方や、社内外向け資料を作成することの多い方には、特におすすめですよ。

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UC級とは?

「UC級(色のユニバーサルデザイン級)」とは、色彩検定の実施で有名な色彩検定協会が、「色に携わる全ての人が色覚の多様性について正しい知識を持ち、配慮をすることができる」社会の実現に向け、2018年に新設した検定です。

2018年12月に第1回が実施され、2019年は色彩検定2級 3級と同じく年2回(6月、11月)実施されることになっています。

試験時間は60分。問題数は79問(第1回実施時)で、解答方式はマークシート(一部、単語を選択肢から選んで記述)。
合格ラインは満点の70%前後で、問題の難易度により多少変動するそうです。

ユニバーサルデザインとは?

ユニバーサルデザイン(UD)とは、年齢、性別、国籍、障害の有無に関わらず、あらゆる人が最初から使いやすいよう設計されたデザインや考え方のことをいいます。

例えば、トイレを示すアイコンがそうですね。「トイレ」と文字が書かれていなくても、そのアイコンだけで「男子トイレ・女子トイレ・多機能トイレがあっちにあるんだな」とひと目で認識できるデザインになっています。

トイレのアイコン(ユニバーサルデザイン例)

そしてUC級では、「色」のユニバーサルデザインについて扱います。
例えば、以下の電光掲示板の3行目に赤い色の文字がありますよね。

電光掲示板

この赤い文字は、ある色覚特性を持つ方には、以下のように暗く見えるため、目立たなくなってしまいます。

電光掲示板(ユニバーサルデザインの一例)

※上記画像は色のシミュレータを使用して作成しており、実際には見え方には個人差があります

これを防ぐためには、赤い色をオレンジ色寄りに変更すると、視認性(対象物の存在の確認のしやすさ)が高くなります。これが色のユニバーサルデザインの一例です。

UC級の学習に必要な教材とは?

UC級の教材は「色彩検定 UC級 公式テキスト」と、2019年3月に発売された「UC級 過去問題集」の2冊です。
ただし試験がまだ1回しか実施されていないので、過去問題集については協会のメルマガによると『量的には“非常にぺらぺらです(同人誌くらい?)”』とのこと。

UC級は「『色彩検定 UC級 公式テキスト』の内容だけで合格に必要な知識を得ることができます」と協会のサイトにありますし、実際に受験してみたところ本当にその通りでした。
ですので、これから学習される方はとりあえず公式テキストを用意すれば大丈夫ですよ。

UC級で学ぶこととは?色彩検定3級の知識は必要?

UC級では、以下の項目について学びます。

  • 色が見えるしくみや色の表し方
  • 色覚異常による色の見え方
  • 高齢者の色の見え方
  • ユニバーサルデザイン
  • 色のユニバーサルデザインの進め方

UC級公式テキスト巻末の「資料集」には、色を数値で表す方法や混同色一覧など、色彩検定3級公式テキストに載っているような専門的な内容が載っています。

色彩に関する学習経験が無い方は、私のように「UC級を受けるのに色彩検定3級以上の知識が前提だったらどうしよう…」と心配になるかもしれません。

ちなみに私は、他の事務局スタッフ(色彩検定3級合格者)をつかまえて、UC級公式テキストを見てもらいました。
すると、「3級とは内容がかなり違うようなので、3級の知識は特にいらないんじゃないですかね」という回答。

実際に受験してみたところ、本当に3級の知識が無くても大丈夫でした(知識があった方が余裕で合格できるのかもしれませんが)。
というわけで色彩関係の勉強未経験者の方も、安心してUC級を受験してくださいね。

UC級の難易度は?必要な勉強期間は?

UC級の難易度は、色彩検定3級と比べてもかなり低いです。
勉強期間も1ヵ月、集中して学習できる方なら1週間でも大丈夫でしょう。

というのも、色彩検定協会のメルマガによるとUC級は「『落とすための試験』ではなく『UCの考え方を広く知ってもらい、学習してもらうためのきっかけ』となる事を願って創設され」たそうなのです。
「難解な問題は一切無く、テキストの内容をしっかり頭に叩き込んでおけば解ける問題ばかりです。」とのこと。

ただ、前述のとおりUC級は、過去問1回分以外は問題集が出ていないので、公式テキストを元にどのように勉強するかが攻略のカギになります。

どのあたりが重要でどのあたりが出題されそうなのかは、結局テキストを読み込んでみないと判別できないので、油断はしないでくださいね。

今回は、色彩検定の新設級「UC級」の概要についてお伝えしました。
後編の次回は、UC級のもう少し詳しい勉強方法と、受験会場の様子、UC級を学ぶメリットについてお伝えします。少しでも興味を持たれた方はぜひご覧くださいね。

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