接客の基本は笑顔。そんな常識が、新型コロナウイルスの感染拡大で難しくなっています。様々な業種では、オンライン化やテレワークなどが進んでいますが、お客様と直接会うことで成り立ってきた職種や業界は、今どのように変化しているのでしょうか。
全3回にわたってお送りする「ウィズコロナ時代の接客・サービスとは」、第1回では、ウィズコロナ時代の接客の変化やサービス業界の現況について、航空業界で接客や営業の経験のある筆者が紹介していきます。
営業職における接遇の変化
新型コロナウイルスの感染拡大で、緊急事態宣言が出されたのを皮切りに、店舗などへの来客が減り、お客様と直に接する機会が減っています。企業では、感染防止策をとるだけでなく、店舗や現場にお客様の笑顔が戻るよう、様々な挑戦をしています。
営業職においては、これまでお客様や取引先と直接会って商談することが基本でした。しかし、ウィズコロナ時代にはこれらが難しくなっているのが現状です。
多くの企業ではテレワークが推奨され、対面ではなくオンラインでの会議や商談へ移行。家電量販店などではWeb接客を実施し、コロナ対策と営業を両立している例もあります。
また、画面を通しての接客は、対面での接客より難しいため、新たな社内研修を取り入れている企業も増えているようです。
しかし、すべての対面営業を無くせるわけではありません。必要性と有効性を考えて対面とオンラインを使い分けることが、今後の課題ともいえそうです。
飲食業における現況と接客
コロナウイルスの感染がなかなか終息しない今、とくに影響を受けている業界の1つが飲食業です。飲食業界では、来客が減るだけでなく、営業自粛や営業時間短縮要請が出されるなど、これまで様々な困難に直面してきました。
そんな中、テイクアウトやUber Eatsなどのデリバリーサービスなど、新たなシステムが導入され、外食産業のかたちもこれまでと変わりつつあります。
しかし、すべてのお店がそういったサービスに移行したのではありません。席数を減らして、ソーシャルディスタンスを確保しながら営業している店舗も多くあります。
飲食サービススタッフは、マスクやアルコール消毒などを徹底し、料理はもちろん、お客様に安心感を提供するよう努めています。マスクの代わりにフェイスシールドをして、感染対策をしながらも、表情を見えやすくする努力をしているお店もあるようです。
感染リスクを減らすためのテラス席営業などの場合は、店内に比べお客様に声が届きにくくなることもあるでしょう。この場合は、きちんと聞こえる声の大きさなどに気を配ることも大切です。
また、電子決済や接客ロボットの導入がますます進んできています。これらデジタル化に負けない接客スキルが、今後問われるところではないでしょうか。
航空業界が直面する現況
ここでは、私が経験してきた航空業界での変化について詳しくご紹介します。
航空業界では海外渡航規制などもあり、飛行機を利用するお客様が少なくなっています。そのため、チェックインカウンターの数を減らし、スタッフのオフィス業務への移行などが行われているのが現状です。
また、飛沫感染対策やソーシャルディスタンスの維持など、新しいスタンダードを定着させることはもちろん、どのようなことをすれば、お客様に信頼してもらえるのかを考える機会も増加。これまで以上にお客様のことを考えるきっかけとなりました。
国際線では、各国渡航条件の注意喚起や3密を避けるための搭乗方法など、空港や機内でのアナウンス内容も多くなりました。
これまでも世界情勢や自然災害に直に影響を受けてきた航空業界ですが、今後の新型コロナウイルスの状況によっても臨機応変な対応が求められるでしょう。
また、オンラインチェックインなどのデジタル化も進んでいます。
ただ、渡航規制が厳しくなった今、渡航書類の確認などデジタルでの対応が追いついていないのも現状。そのため、国の方針に即座に対応できる係員の力が求められています。
ウィズコロナの現状にあわせて、社内での接客・接遇研修にも変化が求められるでしょう。
世間が求めていることに敏感になり、今までと変わらない快適さを今まで以上の安心で提供するにはどうしたらよいか、今後も考えていくことが大切です。
今までと変わらない快適さを、今まで以上の安心で提供する
今回は、ウィズコロナ時代における接客の現況を紹介しました。
新型コロナウイルス感染拡大により、お客様と直接会う職種や業界では大きな変化がありました。今後は、それぞれのサービスを提供するとともに、安心感も同時に届けることが、サービス・接遇の面でとても大切になっていくでしょう。
さて次回は、ウィズコロナ時代に突入し、ニューノーマルとなった接客技術や課題について紹介します。
お客様と直に接する機会が減っている今、お客様の心に寄り添い、おもてなしのマインドをどのように表現していくかを、一緒に考えていきましょう。
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