こんにちは。キャリアサポートアドバイザーの碇ともみ(いかりともみ)です。
皆さんは人との関わりの中で、「マナーってなんだっけ?」「自分の振る舞いや行動は相手の立場に立っている??」と頭の中で???が出てきたことはありませんか?
今日から「幸せを掴む おもてなし力UP術」と題しまして、全8回の連載にて、人との関わりを円滑にするきっかけをご紹介したいと思います。
第1回の今回は「真のあいさつ」についてです。
「真のあいさつ」とは?
人に快く伝わるあいさつ=真のあいさつ、または常に自分が納得できるあいさつとはどのようなものかをこれから語ろうと思っていますが、あいさつの仕方や振る舞いといったお作法を話す前に、あいさつそのものの意義についてお伝えしようと思います。
「あいさつ」はコミュニケーションツールの基本であることは、誰しもがご存知のことでしょう。しかし、「真のあいさつ」を深く考えると、ただ口に出す言葉として捉えてはいけないと思うのです。
「なぜ笑顔であいさつするのか?」「なぜ伝わるような声を発しなければならないのか?」「なぜ心を込めなくてはいけないのか?」など、たくさんの『なぜなぜ』が出てきました。
マズローの欲求5段階説
“マズローの欲求5段階説”をご存知ですか。 人間の欲求とは、5段階のピラミッドのようになっていて、下の階層の欲求が充たされることで、より上の階層の欲求が出てくるということを理論化したものです。
マズローの欲求5段階説の下から3番目には「親和(所属)欲求」があり、その上に、「尊厳(承認)欲求」があります。そして、ピラミッドのてっぺんにある「自己実現欲求」へとつながります。そこにあいさつの真の意義が隠れているのではないかと考えました。
通常人は他者との交流を望み(親和(所属)欲求)、その中で自分の存在価値を他者に承認してもらい(尊厳(承認)欲求)、モチベーションを上げながら、なりたい自分を目指して(自己実現欲求)いきます。その始めとして、あいさつが不可欠なのです。
自分という存在を認めてもらうツールにあいさつがあると考えると、親しみやすい笑顔を添えたり、心を込めた気持ちを持つことは、言葉プラスαであなたの存在価値をさらに強く印象付け、相手はより一層、あなたという人を認めることができるようになるのです。
1万7千時間以上のフライトでお客様に心がけたこと
私は長年エアラインに在籍し、1万7千近くの乗務時間の中で多数の方々とあいさつを交わしてきました。一期一会のあいさつには、2つの意義を持っていました。
1つ目は、機内でお客様と過ごすための心地よい空間づくりであり、2つ目は、空という逃げ場のない飛行機で起こる緊急事態時でも「私が皆様を助けます、信じて従ってください」との思いを込めた信頼関係を築くためのあいさつをしていました。
保安要員としての存在価値をお客様に印象づけ、安心して空の旅を過ごしていただくようにしていました。それが私の責務であり、仕事のやりがいにつながっていきました。
あいさつは信頼関係の構築のはじまり
あいさつとは、ただ単に人のために行うコミュニケーションツールなのではなく、なりたい自分に近づくために他者との信頼関係を構築する土台になってくれます。気持ちのよいあいさつを交わすことは、信頼関係の構築や円滑に社会生活を送れることにつながっていきますので、なりたい自分を阻む要因を減少させていくことができます。
また、信頼関係があると、困った時に誰かが手を差し伸べてくれるなど自分が思う以上の効果をもたらすこともあります。だからこそ、あいさつを仲の良い人とだけするとのではなく、もっと幅を広げて多数にすることで自分に対する味方が増えてきます。気持ちの良いあいさつはそれだけ自分に返ってくるということです。
人への「真のあいさつ」とは自分への尊厳であり、自分の人生に対する誇りなのです。
次回のテーマは、「相手を幸せにすることもマナーのひとつ」です。お楽しみに。
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