第一種電気工事士の資格取得を検討している初心者の方に朗報です。学科試験の合格率は約55～60％、技能試験は約60％前後と、しっかり対策すれば初心者でも十分合格を狙える資格なんですよ。
「初心者でも本当に合格できるのか」
「どんな勉強をすればいいのか」
そんな不安を抱えているあなたに、本記事では初心者向けの具体的な勉強方法を詳しく解説します。受験への不安を解消し、合格への一歩を踏み出しましょう。
目次
第一種電気工事士は初心者でも合格できる資格です
結論：初心者でも250時間程度の学習で合格可能
第一種電気工事士は、初心者でも十分に合格を目指せる国家資格です。過去のデータを見ると、学科試験の合格率は約56％、技能試験は約63％となっており、しっかりと対策すれば合格できる可能性が高い試験です。
出典：電気技術者試験センター
初心者が合格するために必要な学習時間の目安は以下の通りです。学科試験対策： 150〜200時間
技能試験対策： 約50～100時間
合計： 約200〜300時間
第二種電気工事士をすでに取得している方なら、さらに短い時間で合格を目指せますよ。
試験の概要については、「第一種電気工事士の資格概要」をご確認ください。
2025年度 第一種電気工事士試験の基本情報
試験スケジュールと申込み方法
第一種電気工事士試験は、年2回（上期・下期）の実施です。学科試験にはCBT方式と筆記方式があり、ご自身の都合に合わせて選択できますね。
2025年度 試験日程
上期： 学科試験（CBT）4月1日〜5月8日、技能試験7月5日
下期： 学科試験（CBT）9月1日〜9月18日、学科試験（筆記）10月5日、技能試験11月22日
受験手数料： 10,900円（インターネット申込みの場合）
詳しい試験日程や申込み方法、合格発表までの流れについては、「試験日・合格発表や申込み期間」をご覧ください。
試験概要
学科試験
試験時間：140分、問題数：50問、合格基準：60点以上
電気理論、配電・配線設計、電気機器、施工方法、法令など幅広く出題
技能試験
試験時間：60分、候補問題10問中1問が出題
配線図に基づく実技作業、合格基準：欠陥がないこと
試験の出題傾向や頻出分野については、「出題傾向について」で詳しく解説しています。
初心者が知っておくべき難易度とつまずきポイント
第二種電気工事士との違いと難易度
第一種電気工事士の令和6年度下期の合格率は、学科試験55.4％、技能試験61.9％と、第二種電気工事士（学科55.9％、技能69.5％）よりもやや低めです。
とはいえ、合格率が50％超えは、初心者が十分に合格を狙えるレベルです。詳しい難易度分析は、「合格率・難易度について」をご参照ください。
試験内容の違いでいうと、第二種電気工事士との大きな違いは、高圧受電設備の知識が必要なことと、技能試験の作業量の多さです。
初心者がつまずきやすい3つのポイント
ポイント① 高圧受電設備の理解（難易度：★★★）
日常生活で目にしない設備のため、機器の名称や配置がイメージしにくいのが難点です。フルカラーのテキストや動画教材を活用して視覚的に学ぶことが効果的ですよ。
ポイント② 電気理論の計算問題（難易度：★★☆）
出題数は50問中5〜6問程度。電卓持込不可のため複雑な計算は出題されません。基本公式の暗記と過去問演習で対応できます。
ポイント③ 技能試験の複線図作成（難易度：★★☆）
単線図を複線図に変換する作業は、練習を重ねれば必ず習得できる技術です。候補問題10問を繰り返し練習しましょう。
初心者におすすめの勉強方法【学科試験編】
必要な学習時間とスケジュール
初心者に必要な学習時間は、150〜200時間が目安
学習期間別のプラン（これはモデルケースです）
| 学習期間 | 1日の学習時間 | おすすめな人 |
|---|---|---|
| 3ヵ月コース | 2時間 | 集中して短期合格を目指す方 |
| 6ヵ月コース | 1時間 | 働きながら無理なく学習したい方 |
効果的な3ステップ学習法
ステップ① テキスト学習（学習期間の30％）
フルカラーで図解が豊富な初心者向けテキストを選びましょう。最初から完璧を目指さず、全体像をつかむことを優先します。わからない箇所は付箋を貼って先に進み、2周目で理解を深めましょう。
ステップ② 過去問演習（学習期間の60％）
学科試験対策の中心は過去問演習です。過去問は最低4周以上解きましょう。
1周目： テキストを見ながら解く
2周目： 自力で解き、間違えた問題をマーク
3周目： 間違えた問題を中心に解く
4周目： 本番を想定して時間を計測（140分）
過去10年分の問題を解くと、似た問題が繰り返し出題される傾向がつかめますよ。
ステップ③ 弱点補強（学習期間の10％）
試験直前は、計算問題の公式暗記、配線図記号の完全習得、最新の法令確認に時間を使いましょう。
初心者におすすめの勉強方法【技能試験編】
必要な練習時間
50～100時間で候補問題全問題を3回以上練習
技能試験は、事前に公表される候補問題（令和7年は10問）の中から1問が出題されます。全10問を練習することが必須ですね。
1問あたり：初回60分→練習後40分程度
練習回数：各問題3回以上推奨
総練習時間：50〜100時間程度
学科試験合格発表から技能試験までは約2ヵ月ありますので、計画的に練習すれば十分間に合いますよ。
効果的な4ステップ練習法
ステップ① 工具に慣れる（5時間以上）
VVFストリッパー、圧着工具など基本工具の使い方をマスターします。余った電線で練習して感覚をつかみましょう。
ステップ② 複線図を描く（10時間以上）
候補問題10問の複線図を、見本を見ずに描けるようになるまで繰り返します。目標は5分以内です。
ステップ③ 候補問題を製作（30時間以上）
1回目： テキストや動画を見ながらゆっくり製作
2回目： 時間を意識して50分以内で製作
3回目： 本番想定で40分以内で製作
完成後は必ず自己チェックを行い、欠陥例と比較しましょう。
ステップ④ 模擬試験（5時間以上）
本番と同じ60分で製作する練習を、複数の候補問題で実施します。
初心者が準備すべき教材と工具
おすすめの教材・選び方
第一種電気工事士の学科試験用にはテキストと過去問題集、技能試験用には工具と練習用材料が必須です。
詳しくは以下記事で解説していますのでぜひご覧ください。
初心者が陥りやすい失敗と対策
学科試験の失敗例
失敗① テキストばかり読んで過去問を軽視
対策：テキストは全体の30％に抑え、早めに過去問中心の学習に切り替えましょう。
失敗② 計算問題に時間をかけすぎ
対策：計算問題は5〜6問程度なので、他の問題で確実に得点する戦略も有効です。
失敗③ 最新の法令改正を確認していない
対策：受験年度の最新テキストを使用し、法令問題は試験直前に必ず確認しましょう。
技能試験の失敗例
失敗① 練習不足で時間内に完成しない
対策：候補問題10問を各3回以上練習し、40分以内で完成できる速度を身につけます。
失敗② 欠陥の基準を理解していない
対策：公表されている欠陥例を確認し、完成後のセルフチェックを習慣化しましょう。
失敗③ 工具の使い方が不慣れ
対策：本番前に工具の練習を十分に行い、使い慣れた自分の工具で受験します。
書籍での独学 vs 通信講座での独学、初心者はどちらを選ぶべき？
資格対策スクールに通うことなく独学で第一種電気工事士合格を目指す場合、その学習スタイルは書籍での独学と、通信講座での独学の2種類が考えられます。
書籍での独学に向いている人
第二種電気工事士を取得済み、自己管理が得意、週10時間以上の学習時間を確保できる方は、書籍での独学でも合格可能でしょう。費用も書籍の費用のみに抑えられます。
通信講座での独学に向いている人
電気の基礎知識に自信がない、効率的に学習したい、第二種電気工事士取得後かなりのブランクがあるという方には、通信講座での独学がおすすめです。
- 体系的なカリキュラムで効率よく学習
- 学習スケジュール管理が簡単
- 動画講義で理解が深まる
- わからないところを講師に質問できる
費用は平均数万円かかりますが、短期間で合格できれば結果的に時間とお金の節約になりますね。
詳しくは以下記事で解説していますのでぜひご覧ください。
【最新版】第一種電気工事士通信講座おすすめ徹底比較と失敗しない選び方
よくある質問（FAQ）
Q1. 第二種電気工事士を取得していないと合格できない？
A. いいえ、第二種電気工事士を取得していなくても合格可能です。受験資格に第二種の取得は含まれていません。ただし、第二種の内容も含む教材を選ぶと学習がスムーズです。
※第一種電気工事士には、受験資格に制限はありませんが、免状の交付には実務経験が必要です
Q2. 数学が苦手でも合格できる？
A. はい、合格できます。力率COSθなど三角関数が出るので高校の数Ⅰレベルまで出題されますが、その他の計算問題は中学レベルの数学で対応可能。数学が苦手でも、（満点は難しくても）合格は可能ですよ。
Q3. 働きながらでも合格できる？
A. はい、多くの社会人が働きながら合格しています。1日1〜2時間の学習を6ヵ月継続すれば、十分合格を狙えます。通勤時間やお昼休みなどのスキマ時間を活用しましょう。
まとめ：初心者でも正しい勉強法で合格できる
第一種電気工事士は、初心者でも十分に合格可能な資格です。重要なポイントは以下の3つ。
① 十分な学習時間の確保：学科100〜200時間、技能50〜100時間
② 過去問中心の学習：テキストよりも過去問を重視し、最低4周解く
③ 技能試験の反復練習：候補問題10問を各3回以上、50分以内で完成できるまで練習
大切なのは、焦らず一歩ずつ進むことです。学科試験の合格率約56％、技能試験約63％という数字が示す通り、しっかり対策すれば第一種電気工事士は半数以上の人が合格できる試験です。
不安な方や効率的に学習したい方は、通信講座の活用も検討しましょう。正しい勉強方法で、着実に合格を目指してください。
第一種電気工事士の資格を取得すれば、キャリアの選択肢が広がり、収入アップも期待できます。ぜひ合格を勝ち取ってくださいね！
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