連載「合格者が伝授!衛生管理者勉強法」、前回は試験の概要とスケジュール、学習教材の選び方についてご紹介しました。
いよいよ今回から具体的な勉強法に入ります。第2回は試験科目の1つ「労働衛生」について、効率的に合格に近づく勉強法をお教えします。
連載「合格者が伝授!衛生管理者勉強法」
- 1 試験勉強を始める前に概要をつかもう
- 2 試験科目別おすすめ勉強法|労働衛生
- 3 試験科目別おすすめ勉強法|関係法令
- 4 試験科目別おすすめ勉強法|労働生理
衛生管理者試験「労働衛生」とはどんな科目?
労働衛生の試験問題数は、第一種試験では「有害業務」が10問、「有害業務以外」が7問の合計17問。第二種試験では「有害業務以外」が10問です。
試験科目の全体像は以下の表で確認してください。
労働衛生における「有害業務以外」の内容は、作業環境に関するものです。具体的には以下の通りです。
- 作業環境の要素:温熱条件と照明
- 作業環境の管理:換気とPCを使用した作業
- 健康管理:健康測定と指導
- 労働衛生管理統計
- 教育
- 有害生物:食中毒
- 救急処置
基本的な問題が多いので過去問題集の学習が効果的ですが、新傾向の問題が出題されることがあるので、最後に直近の過去問チェックが必要です。
第二種試験では、全30問のうち10問が労働衛生からの出題となりますので、穴を作らないように勉強してください。
第一種試験の「有害業務」の内容は、作業環境と作業自体を管理することで職業性の疾病を防止しようというものです。具体的には以下の通りです。
- 作業環境要素と職業瀬疾病:有害光線、騒音、振動、異常気圧、空気中の汚染物質、職業性疾病
- 作業環境管理:作業環境測定、作業環境評価、作業環境改善、排気、労働衛生保護具
- 作業管理
第二種試験には「有害業務」は出題されませんが、第一種試験では10問出題されるうえ、内容を理解していないと解くのが難しい高難易度の分野です。
暗記で対応できる問題は確実に正解できるようにしましょう。
衛生管理者試験科目「労働衛生」学習のポイント
知識をインプットする段階では、頭に入りやすいところとそうでないところをチェックしておいてください。誰にでも得意分野と苦手分野があるので、得意分野で高得点を狙えるようにします。
一通り読んだ知識を入れたあとは、問題に取り組みます。1問解いたら解説を読み、誤った選択肢のどこが間違いなのかを確認してください。
問題をまとめてやろうとすると難しくていやになってしまうので、1問ずつやっていくのがコツです。
特に、文系の方にとって第一種試験の有害業務関連は覚えづらいでしょう。かくいう文系の私も、塩素って常温では気体で存在しているんだ!と職場の理系の同僚に言ったら「当たり前でしょ。」といわれ、落ち込んだものです。
また、知識をインプットする際に出てきた計算式は、実際に計算できるようにしておくことも重要です。
似たような言葉を使った計算式、例えば病休強度日数率と病休強度率など、計算式に使われる要素を覚えておきましょう。
労働衛生|有害業務以外
「予防」と「起きてしまったことの対応」という2つの観点から見ていきます。
まず予防という観点では、衛生管理者の役割や、メンタルヘルスに対する理解、身体面だと重量物の取り扱いなどが出題されます。
一方、起きてしまったことへの対応という観点では、食中毒、心肺蘇生法、止血法、骨折に関する用語の意味や、基本的な対応についての知識問題が出題されます。
いずれの場合も意外と身近な話題なので、まったく知らない・聞いたこともないというものは少ないと思います。今までの知識にプラスする感覚で覚えて、確実に得点していきましょう。
特に食中毒の原因菌と症状、火傷の程度と対応方法、生命に危険が及ぶ20%以上と1/3の数字は押さえておくといいですね。
熱中症の種類と対処法はセットで覚えましょう。これは試験対策の他に、実際に業務を行う上でも必須の知識です。
労働衛生|有害業務
文系の方にとっては覚えるのも大変な分野ですが、設問はパターン化しているので、よく出る問題と注意するポイントを覚えてしまいましょう。
有害物質が常温では固体・液体・気体の何で存在するのか、という問題は語呂合わせで覚えます。
その際、有害物質により引き起こされる症状、例えば二硫化炭素で精神障害を起こすとか、ベンゼンで再生不良性貧血が起こるといったこともあわせて覚えれば、それ以上深い理解は不要なので得点源となります。
作業環境に関しては、測定方法や換気設備をチェックしておきましょう。空気清浄機を置く位置のひっかけ問題もよく見かけます。知識の組み合わせが必要になってくるため、問題を解きながら設問のパターンを知っておくのがポイントです。
保護具も必ずといって出題されるので、使ってよい条件や使い方は要チェックです。
衛生管理者試験・労働衛生分野の勉強法についてご紹介しました。
「有害分野以外」は、日常生活で馴染みのある話題が多いので、基本的な問題が多くなっています。注意点は新傾向の問題が出ることがある点です。
試験直前に最新の過去問で新傾向の問題が出ていないか確認しておくと、試験会場であわてずに済むでしょう。
これに対して「有害分野」は、専門的な話題が多く難易度が高めですが、その分新傾向の問題は少ないのが特徴です。問題を解き傾向を把握していれば対応できます。
設問のパターンを確認しながら問題の解説を読むようにする勉強は、最初は時間がかかって焦るかもしれません。
ですが、毎日少しずつ繰り返し勉強を進めることで知識は確実に定着していきます。スキマ時間を有効に使って衛生管理者試験の勉強をしていきましょう。
次回は、「関係法令」の分野について解説します。
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