あなたは秘書検定という資格試験をご存知でしょうか?
秘書検定2級 3級では、ビジネスマナーの基本や社会常識が学べます。秘書を目指す人だけでなく、就活生や社会人にもぜひ受けてほしい資格です。
秘書検定の中でも1級は難しくなりますが、2級 3級の難易度は、それほど高くありません。秘書というと、何となく女性をイメージする方も多いと思いますが、男性、女性のどちらにもおすすめです。
今回は、秘書検定がどんな資格でどのような知識が身に付くのか、またどう役に立つのかなど、勉強を始める前に押さえるべきことをお伝えします。
目次
秘書検定2級 3級ってどんな試験なの?
秘書検定の受験資格は特になく、誰でも受験できます。
ちなみにある年の2月試験の受験者数は、2級が約2万4千人、3級が1万3千人。年間では、なんと13万人が受験している人気の高い資格試験です。
国家資格とまではいきませんが、文部科学省後援の資格で、「公益財団法人 実務技能検定協会」が審査をします。
試験は6月、11月、2月の年3回実施されていますから、思い立ったときに受験しやすい資格です。
オンスク事務局注:
秘書検定2級・3級では、2021年3月からCBT試験方式(※)が導入されています。
※紙の問題用紙・解答用紙を使わず、パソコン上で受験する方式
合格者に授与される合格証が、検定に受かったという証明書代わりです。
秘書検定の試験内容には、マナー・接遇のほか社会常識や文書の作成、資料管理等も含まれています。就活生が履歴書の資格欄に書いて企業にアピールしたり、社会人が日頃の業務を見直ししたりするのに、ピッタリな資格試験ですね。
秘書検定2級 3級で身に付く知識とは?
秘書検定2級と3級では身に付く知識が少し違いますが、基本は同じです。
実務技能検定協会のビジネス系検定の中でも、秘書検定は特に「人柄育成」を目指しています。つまり、どのようにすると相手に「感じが良い」と思ってもらえるか、ということです。
秘書検定で身に付くビジネスマナーや社会常識等は、取引先はもちろん、社内でも好印象を与えることのできる知識です。
秘書検定で学ぶ「文書作成」や「資料管理」等の知識を活かして、誰にでもわかりやすい文章を書いたり、必要な資料がさっと探せるようファイリングしたりしていたら、あなたの印象は良くなるでしょう。
また、秘書検定の「社会常識」で身に付く慶事や弔事の際のマナーも、複雑で難しい敬語を正しく使いこなすことも、すべてがあなたの印象の良さに繫がります。
正しいことを主張しても、耳を傾けてもらえるかどうかは、自分が相手に持たれる印象で決まることもあります。
ビジネスの場合は、仕事が順調に進めば売上等の具体的な成果につながり、昇給や昇進も期待できますね。
ビジネスに限らず、相手に好印象を持たれると物事がスムーズに進むのは、皆さん経験されているところでしょう。
秘書検定2級 3級はビジネスでどのように役立つ?
秘書検定の試験内容は、以下の項目です。多くのことが学べそうですね。
Ⅰ. 必要とされる資質 | (1)秘書的な仕事を行うについて備えるべき要件 (2)要求される人柄 |
Ⅱ. 職務知識 | (1)秘書的な仕事の機能 |
Ⅲ. 一般知識 | (1)社会常識 (2)経営に関する知識 ※2級は「経営管理に関する知識」 |
Ⅳ. マナー・接遇 | (1)人間関係 (2)マナー (3)話し方、接遇 (4)交際の業務 |
Ⅴ. 技能 | (1)会議 (2)文書の作成 (3)文書の取り扱い (4)ファイリング (5)資料管理 (6)スケジュール管理 (7)環境、事務用品の整備 |
なお上記「職務知識」のところで、「秘書」ではなく「秘書的」と書かれている理由は、秘書の「ボス」を一般社員の「上司」に置き換えて考えても、同様のことを求められるケースが多いからです。
つまり秘書検定は、秘書に限らず、上司を持つ社員であれば誰にでも役立つ資格と言えます。
例えば、名刺の扱い方やビジネス用語の正しい理解。
ある仕事をやっている最中に別の仕事を頼まれたときの対応。
配布文書に間違いがあったときの対応。
どれも、秘書でなくても、ビジネス全般で役立つ知識ですね。
このような知識は、社会人になってからその都度覚えていく場合が多いでしょう。
けれども、秘書検定2級・秘書検定3級の資格の勉強をすれば、ビジネスに必要な知識を体系的に覚えることができます。
頭の中できちんと整理された知識は、すばやく引っ張り出すことができますから、バラバラに覚えた知識よりも役に立つのです。
ビジネスマナーの基本や社会常識をしっかりと習得済みの新人は、現場で喜ばれることでしょう。
秘書検定3級と2級の違いとは?
ここまで読んでいただいて、秘書検定3級と秘書検定2級はどう違うのだろうと思った方がいるかもしれませんね。違いをご説明しましょう。
秘書検定3級は初歩的なレベルで、2級よりも問題がやさしく、主に高校生が対象です。
もちろん、大学生や社会人でも、まず3級から受けてみようと思えば受験が可能です。ビジネスの現場で好印象を持たれるための基本的なビジネスマナーや社会常識、事務的技能が出題されます。
秘書検定2級は一般的なレベルで、主に大学生や、事務職に初めて就く社会人が対象です。
3級よりも少し複雑な場面で対応する際の問題が出されます。2級は、好印象を持たれるようにふるまうだけでなく、優先順位を考えて仕事をしたり仕事の効率を考えたりすることも求められるようです。
秘書検定2級 3級はどんな人が受けるといいの?
秘書検定2級 3級は、特に就活を始める前の学生や新社会人におすすめです。
実際の受験生も、秘書志望の人はもちろんいるでしょうが、社会に出る前にビジネスマナーや社会常識を学んでおこうという学生がもっとも多く、次に社会人が多いようです。
いざ働き始めると、日々様々な「これってどうしたらいいの?」という事案が発生します。先輩社員に聞いたり、自分でじっくりと考えたりする時間があればいいのですが、実際にはその場での迅速な判断が求められることが多いです。
どんな業界のどんな職種でも起こるような事案ならば、あらかじめ対処法を学んでおけば、失敗することが少なくてすみますよね。
また社会人の受験生の場合は、転職や部署異動で初めて事務職に就くなど、ビジネスマナーをすぐに習得する必要にかられた人が多いと考えられます。
つまり、秘書検定2級 3級は、社会に出たときに非常に役立つ内容が学べると言えそうです。
秘書検定2級 3級とサービス接遇検定の違いとは?
それでは、「接遇」という点でちょっと似ている「サービス接遇検定」と秘書検定の違いは何なのでしょうか。
秘書検定が、接遇以外のことも幅広く学ぶ資格であるのに対して、サービス接遇検定は、その名のとおり「接遇」に特化した資格試験です。
秘書検定は「人柄育成」を目指し、サービス接遇検定は「サービスマインドの育成」を目指しています。
以下のサービス接遇検定の試験内容を見ていただくと、その違いがおわかりいただけるでしょう。
1.サービススタッフの資質
2.サービスの専門知識
3.社会常識
4.接遇知識や話し方などの対人技能
5.問題処理や社交業務などの実務技能
サービス接遇検定では、秘書検定に必要な、文書作成や書類管理などの事務的な技能は求められません。そこも、秘書検定とサービス接遇検定の違いです。
サービス業界で働いている社会人であれば、サービス接遇検定を受験する方がいいかもしれませんね。
けれども、まだ就職したい業界がはっきり決まっていない学生などは、幅広く学べる秘書検定のほうが良さそうです。
秘書検定の難易度と合格率は?申込み方法は?
秘書検定2級と3級は、どちらも合格率が60%を超えることも珍しくなく、3級は70%を超えた回もあります。資格試験の難易度としてはやさしいといえるでしょう。
何ヵ月もかけて勉強しなくても、1~2ヵ月あれば十分合格が狙える資格です。
受験生は学生が80%近くを占め、次に社会人が15%ほどとなっています。
学生は、高校生、専門学校生、大学生と様々ですが、基本的には学校の勉強と平行して資格の勉強をすることになります。
社会人の場合は仕事をしながらですから、さらに大変だと言えます。
そんな二足のわらじの人たちでも無理なく合格できるのが、秘書検定です。
申込み方法は、次の3種類があります。
1.実務技能検定協会のHP
2.書店
3.郵送
自宅にパソコンがなくても、申込みを受け付けする書店が近くになくても、郵送で申込めるので便利です。ホームページからの申込みでは、クレジットカード払いやコンビニ払いもできます。
申込み期間は、試験の2ヵ月前から1ヵ月前です。試験日が6月・11月・2月ですから、勉強の計画を立てて早めに申込むとよいでしょう。
社会人になっても、ビジネスマナーや一般的な社会常識を体系立てて学ぶ機会は、意外に少ないもの。 秘書検定2級 3級を学ぶと、そのような知識を短期間で効率よく身に付けることができます。
学生の方の場合は、学生のうちに秘書検定を取得しておくと、アルバイトや就活のときに役立ちます。
社会人の方の場合は、特に事務処理メインの業務や上司をサポートする仕事に就くとき、秘書検定を取得するのがおすすめです。あらためてビジネスマナーを体系立てて学ぶことができ、同僚や上司の高評価につながるでしょう。
秘書検定2級 3級を学んで、初対面でも好感を持たれ、周囲に信頼されるビジネスパーソンになりましょう。
関連する記事が他にもあります