皆さん、こんにちは!
この連載では、中国語(北京語)習得の1つの基準であるHSK3級(漢語水平考試)の勉強法について、私の経験を紹介しています。
中国語を勉強したい、資格を取ってキャリアアップに役立てたいとお考えの皆さんのお役に立てれば幸いです。
最終回の今回は、HSK3級の中でも多くの人に難関と思われる「作文」について、ポイントとおすすめの勉強法をお伝えしていきたいと思います。
HSK3級の作文問題
まずはHSK3級の作文の概要をご紹介。作文パートは15分。2つの部分に分かれています。
第1部分:与えられた語句を並べ替えて、正しい中国語を作る。
第2部分:それぞれの分の空欄に当てはまる正しい漢字を書く。
いよいよ試験も終盤です。残り時間はわずか15分!最後まで頑張り切れるようポイントと勉強法をご紹介します。
ちなみに作文は中国語で「书写 shu xie」です。小学校の頃、習字の時間が「書写」だった記憶がありますね。覚えてしまいましょう!
焦りは禁物!
第1部分は語句の並べ替えです。完成させる文は、聞き取りや読解で出てきたような10~20語ほどの短文なので、それほど難しく考える必要はありません。それにここまでくると多くの短文に触れているはずなので、基本的な文法・語順は身に付いていると思います。
ただ、この作文第1部分は簡単そうに見えて、確実に正解するのは意外と難しいのです。
例えば、
・越来越好 ・变得 ・这个城市的环境 ・了
この4つの語句を並び替えるという問題。みてみると、それぞれの意味はだいたい想像できそう。
越来越好:どんどん良くなる
变得:変わる?なる?
这个城市的环境:この街の環境は
了:過去や完了の意味かな?変化の意味だっけ?
→この街の環境はだんだん良く変わった!
であろうことがわかります。
ただ、緊張した本番の状況で私が陥ったのが次の2つ。
① 「了」を見落とす:
最初に書いた答えは「这个城市的环境 变得 越来越好」。環境がいい方向に変わった感じは伝わると思いますが、1文字見落としているのでアウトです。
② 「越来越」にとらわれる:
「越来越〜」が「どんどん〜になる」というのは覚えていましたが、〜部分に結果の形容詞が来るイメージが強すぎて、浮かんだ答えが「这个城市的环境 越来越 变得」。「どんどん変った」という意味になりそうですが…2文字も落としているのでアウト。
実はこの問題の正解は、
这个城市的环境变得越来越好了。
この街の環境はどんどん良くなっている。
最初に書いた答えの最後に「了」をつけておけばよかったのです。
このように焦って文の意味や曖昧な記憶にとらわれると、語句を見落としてしまい非常に危険です。
作文パートのおすすめ勉強方法
私の経験では、作文パートは第1部分の方が簡単に見えて難しいと思います。
なぜなら、第2部分は基本的な必修単語を「簡体字で書けるかどうか」が問われるのに対し、第1部分は「中国語特有の語順(場合によっては少し例外的なケース)を見抜けるかどうか」が問われるからです。まさに最後の山場です。
皆さんにはすでに、読解パート対策として「短文を・音読しながら・書き取る」勉強法を紹介しました。最後の山場:作文第1部分対策として、この方法に「違和感を意識する」ことを加えてみてください。
簡体字を書きながらでも、頭の中では日本語で意味を浮かべていると思います。その際に目の前の中国語と、頭の中の日本語の語順や文法の違いを意識するのです。
例えば先ほどの
这个城市的环境变得越来越好了。(この街の環境はどんどん良くなっている。)
という短文。
単語を順番に並べると
この街の環境は なっている※1 どんどん良くなる※1 了※2。
になります。日本語としては以下のような違和感がありますよね。
※1 「なる、なっている」という表現が2回出てくる感じ
※2 了という、なくても良さそうな単語が、やはり必要な感じ
このように、中国語の語順を日本語でとらえた時に感じる「違和感」が実は、非常に重要な気づきポイントなのです。
違和感を覚えたら、インターネットで「了」を調べるもよし、可能であれば中国語の先生に質問できるとなおよし。
皆さんが違和感を覚えるということは、その語順や表現が「中国語特有のもの」である可能性が高いので、HSK3級の出題ポイントになっている可能性も高いのです。
しかも、自分で気になって調べたことや、質問して教わったことは強く記憶に残るに違いありません。
ちなみに作文第2部分はここまでの勉強法を継続していれば楽勝です!
HSK3級のおすすめ勉強法
今回の連載ではHSK3級の勉強方法をお伝えしてまいりました。
私自身、HSK3級の取得はゴールではなく「中国語でコミュニケーションが取れるようになる」ためのマイルストーンとして取り組みました。そのため、私がおすすめした勉強法は、試験用テクニックや裏技勉強法ではなく、地味に思えるかもしれません。
①単語を見て、綺麗な発音を聴く
↓
②単語を音読しながら手で書く
↓
③短文を音読しながら手で書く
↓
④短文を音読しながら手で書きながら語順の「違和感」を意識する
地味で基本的な勉強法ですが、この基本はさらに上級のHSKの学習にも応用できます。大雑把にいえば、覚える単語が劇的に増えていくだけ…。
ITの普及で、アプリやeラーニングなどの様々な学習サポートが溢れているからこそ、ご自身で基本の勉強法をしっかり持って、楽しく学んでいただきたいと思います。
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