皆さん、こんにちは!
この連載では、中国語(北京語)習得の1つの基準であるHSK3級(漢語水平考試)の勉強法について、私の経験を紹介したいと思います。
中国語を勉強したい、資格を取ってキャリアアップに役立てたいとお考えの皆さんのお役に立てれば幸いです。
第1回となる今回は、私が中国語学習を始めたきっかけと、HSK3級に向けたおすすめの勉強法についてお話ししたいと思いますが、まずはHSKについて簡単にご紹介しましょう。
HSKとは
皆さんは英語の資格というと何を思い浮かべますか?一般的に英語検定、TOEIC、TOEFLなどが有名だと思います。
一方、中国語の資格として、広く国際的に普及しているのがHSKです。
HSKは中国政府教育部(日本の文部科学省に相当)直属の機関である「孔子学院総部」が主催する、中国政府も認定する資格です。
そのため、国際的な中国語の指標として広く普及しており、全世界118の国と地域で実施され、中国での就職・転職はもちろん、日本企業・グローバル企業にアピールする資格としても有効です。
HSKの配点
HSK3級は、①聞き取り、②読解、③作文の3つのパートから構成されています。
配点は100点ずつで合計300点。合格基準は180点(60%)なので、2つのパートだけに集中して勉強し200点満点で合格することもできますが、3つのパートでバランスよく得点することが合格への確実な方法です。
また、HSKは2010年にリニューアルされてから中国語の言語知識に加え、実際のコミュニケーション能力を測ることを目的に運用されています。
ということは、HSKの3つのパートをバランスよく学び、実力をつけることで本来の目的であるコミュニケーション力の習得が実現できると言えるのです。
なお、HSK3級は、「生活・学習・仕事などの場面で基本的なコミュニケーションをとることができ、中国旅行の際にも大部分のことに対応できる」レベルとされています。
中国語学習を決意した苦い経験
私が中国語学習を本気で決意したのは2009年、31歳の頃、北京出張での苦い経験がきっかけでした。
それ以前も、中国の映画や成長する経済の様子を見るたびに「中国語やってみようかな〜」と夢想することこそあれ、実行には至りませんでした。
しかし、展示会ブースの営業兼現場監督として、初めての中国現場を担当した時、非常に困ったことがありました。
今思えば当たり前なのですが、例えば照明器具を設置してくれている職人さんに「もう少し右」「やっぱりもう少し左」などという、日本だったら意識もしないような指示ができません。
複雑な相談や指示どころか、シンプルな言葉ですら出てこない。(HSK3級どころか、超入門の1級レベルのボキャブラリーもなく…)
さらに問題は、この現場のクライアントは米国企業で、日本で担当した私たちの実績を高く評価していただき、中国の案件を発注していただいていたのです。クライアントからすれば、現場担当なら多少は中国語ができるだろうと期待されていました。
結局現場は英語・中国語の通訳を介して問題なく終了。しかし帰国後クライアントから「あなたが中国語できないとは意外だった」と言われ、非常に悔しく感じたのを覚えています。
一念発起。中国語スクール入学!
中国語の勉強法をいろいろと探しましたが、当時それほど選択肢は多くはなく、独学か通学かの二択でした。
私は自分の意志の弱さを自覚していたので、思い切って通勤圏内にある中国語学校に入学することを決意。はじめの一歩を踏み出すことに成功しました!
忙しい毎日の中で新しいことを、しかも勉強を始めるのは簡単ではありません。私の場合は仕事での苦い経験が大きく背中を押してくれました。
最近はITの普及でいろいろな勉強法が選べるので、当時に比べるとハードルは下がっていますが、はじめの一歩を1日も早く踏み出すのがとても大事なことは今も昔も変わらないのではないかと思います。
おすすめの勉強法
中国語をゼロから始める場合、私が大切だと思うのは
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①きれいな(クセのない)発音を聴く
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②自分で声を出す
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③簡体字は手で書く
という3つのポイントです。
ポイント① きれいな(クセのない)発音を聴く
中国はご存知の通り非常に広大で、地方によって方言も多様です。私の感覚では北京の方が話す北京語と、香港の方が話す北京語は、日本語の東京弁と九州弁ほどの違いがあります。
HSKで使用される発音は標準的な北京語(普通話)なので、まずは方言の少ない、どちらかというと中国東北地方の発音で学び始めるのがベターです。
ちなみに「普通話」とは日本でいう「標準語」にあたるもので、1600年半ばに始まった清朝の時代に中国民族の共通語として、北京語の発音などを基準に作成されたそうです。ポイント② 自分で声を出す
テキストを読む、単語を書き取るとき、私は必ず自分で音読することを心がけました。
人間は「五感」をできるだけ多く使う方が記憶に残りやすいと言われます。
テキストを書き写す時に黙々と行うと「視覚(目)」「触覚(指先)」の2つしか使いません。
一方、自分で音読すると先の2つに加え「聴覚(声、耳)」も使うことができ、より記憶に残りやすくなるそうです。
また、自分の発音を聴きながら、正しい発音と聴き比べることで、よりいっそう正しい発音を意識できるようにもなります。
ポイント③ 簡体字は手で書く
ポイント②にもある通り、簡体字を手で書くことも意外と重要です。
日本人は漢字を身に付けているので、北京語の簡体字を見て意味を想像することができると思います。ただ、「為」と「为」のように、同じ意味だからこそ、うっかり書き間違えそうな文字が多くあります。
シンプルですが、自分の手で書くことで、普段見ている日本の漢字との違いを意識できてしっかりと覚えられます。
ということで私は、過去に英語を学んだときの経験から、具体的な目標が必要と感じたため、「半年〜1年以内にHSK3級を取る!」ことを目標に中国語の学習を開始し、基本の「四声(北京語の声調、アクセント)」からスタートしました。
次回は「四声」から始まる、中国語の発音、聞き取りの勉強法についてお話ししたいと思います。
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