皆さん、こんにちは!
連載「実はこんなにある!日本の職業」、前回は「輸送・機械運転従事者」と「建設・採掘従事者」の仕事内容やおすすめの資格を紹介しました。
今回は、国内で2番目に就業者が多い「専門的・技術的職業従事者」をピックアップ。「世の中にはどんな仕事があるのだろうか」と探している方に向けて、「専門的・技術的職業従事者」の具体的な仕事内容や、おすすめの資格について見ていきましょう。
また今回は最終回ということで、幅広い職種に活かしやすい社会人におすすめの資格もあわせてご紹介します。
最後までぜひお付き合いくださいね。
「日本標準職業分類」大分類一覧
※オレンジ色の項目が今回ご説明する職業です※
A | 管理的職業従事者 |
B | 専門的・技術的職業従事者 |
C | 事務従事者 |
D | 販売従事者 |
E | サービス職業従事者 |
F | 保安職業従事者 |
G | 農林漁業従事者 |
H | 生産工程従事者 |
I | 輸送・機械運転従事者 |
J | 建設・採掘従事者 |
K | 運搬・清掃・包装等従事者 |
L | 分類不能の職業 |
専門的・技術的職業従事者とは
専門的・技術的職業従事者とは、高い専門知識を有しているスペシャリストのことです。総務省は専門的・技術的職業従事者を24の職業に分類していますが、今回はそれらを6つのタイプにわけてみました。
タイプ | 職業分類 |
---|---|
1-研究者・技術者 | 研究者 |
農林水産技術者 | |
製造技術者(開発) | |
製造技術者(開発を除く) | |
建築・土木・測量技術者 | |
情報処理・通信技術者 | |
その他の技術者 | |
2-医療関係者 | 医師、歯科医師、獣医師、薬剤師 |
保健師、助産師、看護師 | |
医療技術者 | |
その他の保健医療従事者 | |
社会福祉専門職業従事者 | |
3-法務・経営関係者 | 法務従事者 |
経営・金融・保険専門職業従事者 | |
4-教育者 | 教員 |
宗教家 | |
5-報道者 | 著述家、記者、編集者 |
6-芸術家 | 美術家、デザイナー、写真家、映像撮影者 |
音楽家、舞台芸術家 | |
その他の専門的職業従事者 |
例えば1の研究者・技術者には、科学的・学問的な知識に秀でたスペシャリストたちが含まれます。それぞれ食品や農林水産、自動車、政治学といった専門分野を持っており、日々研究や製品開発に努めているのが特徴です。
具体的な職種名としては、天文学研究者やエコノミスト、医薬品研究者、建築士などがあげられるでしょう。
専門的・技術的職業従事者になる大きなメリットとしては、安定性があげられます。高い専門性に裏打ちされた「特定の人にしかできない仕事」に従事しやすく、景気や年齢に左右されずに長く働けるところが魅力です。
「自分にしかできない仕事がある」という特別な使命感は、仕事をしていくうえでも大きな充足感を与えてくれそうですね。
専門的・技術的職業従事者におすすめの資格とは
専門的・技術的職業従事者は文字どおり、高い専門性を持って仕事にあたる人々です。よって「おすすめ」といえる資格も、それぞれの職種の専門性によって大きく異なります。
例えば行政書士になりたいのであれば、国家試験である行政書士試験の合格が必須です。
しかし行政書士にならずとも、他の仕事に就く際に行政書士の知識を活かせるなど、就職に有利になることもあります。
もちろん専門的・技術的職業は、一度スキルを身に付けてしまえば、生涯にわたって働ける仕事が多いのが特徴です。社会保険労務士やFP(ファイナンシャル・プランナー)のように、未経験からでも比較的目指しやすい職種もあります。
行政書士や社会保険労務士、FPの仕事内容や資格情報についてまとめましたので、チェックしてみてください。
行政書士 | 社会保険労務士 | FP | |
---|---|---|---|
仕事内容 | ・「街の法律家」と呼ばれている。 ・役所に提出する書類作成や遺言書作成に関する法律相談ができる。 |
企業の人事・労務の業務代行や年金コンサルタントなどができる。 | ・「お金の専門家」と呼ばれている。 ・ライフプラン作成を通じて、家計管理や資産運用の提案などができる。 |
受験資格 | 誰でも受験可能 | ①学歴 ②実務経験 ③厚生労働大臣の認めた国家試験合格 のいずれかを満たすこと | 原則誰でも受験可能 |
合格率 | 10%前後 | 6~7%程度 | 50~60% (FP2級の場合) |
勉強時間 | 500~800時間 | 500~1,000時間 | 150~300時間 (FP2級の場合) |
取得メリット | ・行政書士として働ける ・独立開業可能 ・一般企業の法務部や総務部で活かせる ・法律系国家資格の入門資格のため、次の資格取得にも活かせる |
・社会保険労務士として働ける ・独立開業可能 ・一般企業の人事のエキスパートとして採用されることもある |
・FPとして独立開業可能 ・銀行や証券会社などの金融業界や住宅メーカーといった不動産業界で活かせる ・日々の家計管理にも役立つ |
こちらの資格はいずれも国家資格です。取得すれば一生ものの武器を身に付けたことと同じ!それでいて、比較的取得しやすい資格でもあります。
専門性のある仕事に就きたいと考えている方は、ぜひ取得してみてはいかがでしょうか。
迷ったらコレ!社会人におすすめの資格
今回の連載では、全8回にわたって様々な職種を見てきましたが、いかがでしょうか。
たくさんの職種と資格を紹介したので、「なんとなく資格を取りたい気もするけど、結局どれを取ればいいのかわからなくなってしまった」という方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方のために、幅広い職種に活かしやすい資格を3つ紹介します。先ほど紹介した3つの資格とあわせて検討してみてください。
中小企業診断士
中小企業診断士とは、企業の依頼を受けて経営方針のアドバイスなどを行う専門家のことです。中小企業と行政・金融機関をつないだり、企業の成長戦略策定などを行ったりします。
国家資格のため難しい資格ではありますが、就職や転職はもちろん、独立にも役立つ資格なので、ホワイトカラーのビジネスパーソンなら取得しておいて損はありません。学歴や年齢による受験資格の制限もないので、興味がある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
中小企業診断士の試験は1次試験で企業経営に関する7科目について多肢選択式の筆記試験があります。1次試験に合格すれば応用力を判定する2次試験へ。
2次試験では筆記試験と口述試験があり、合格すれば中小企業診断士実務補習または実務従事を15日以上行って、中小企業診断士として登録されます。
中小企業診断士として独立開業もできますが、一般企業での事業計画やビジネスモデル立案などにも活かせるため、職種を問わず重宝されるでしょう。資格を活かして本を執筆したり講演したりして副収入を得るという活用方法もあります。
日商簿記
簿記とは、簡単にいうと「お金の記録をつけること」です。会社が得た財産や売買の経緯を帳簿に記録し、会社がいくら儲けて、いくら支払ったのかを一目でわかるようにします。
会社の経営・財政状態を知るうえで欠かせない作業なので、どんな企業でも求められやすいスキルといえるでしょう。
商工会議所を認定元とする日商簿記には、初めて簿記に挑戦する人でも取得しやすい、初心者向けの級(簿記初級や3級)が用意されており、上級資格として2級や1級があります。
3級は商業簿記、2級では商業簿記・工業簿記、1級では商業簿記・工業簿記・会計学・原価計算が問われます。3級や2級はコンピューターを使ったCBT試験のため、受験しやすいのも魅力です。
特に初心者向けの3級では、基本的な商業簿記や青色申告書類の作成といったスキルが身に付くので、「なにか仕事に活かせそうな資格がほしいな」と漠然と考えている人におすすめです。
日商簿記を持っておけば経理・財務部で活躍できたり、銀行や証券会社などの金融機関で働いたりする際にも役立つでしょう。
情報セキュリティマネジメント
これからはITに関する知識も問われる時代です。むしろ情報セキュリティ対策が必要ないという企業はないほど。そんな情報セキュリティマネジメントとは、企業が持つ個人情報などを危険から守るための知識やスキルを持っていることを証明する国家資格。
ITパスポート取得後に「さらに知識を…」と考えている方におすすめです。システムエンジニアなど企業のITシステム構築に関わる仕事をしている方はもちろん、情報セキュリティシステムの企画や運用、管理などを行う部署に携わる方もぜひ取得したい資格の1つ。
中小企業では情報セキュリティの知識を持った人材が不足しているといわれているため、今後大きな需要が見込めます。また就職や転職のときにもアピール材料となるでしょう。
日本にはたくさんの職種があり、未経験を歓迎する求人も多く見つかります。もし気になる職種が見つかったら、関連する資格取得を目指して「新しい自分」になる準備をしてみてはいかがでしょうか。
参考URL:
http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/shokgyou/kou_h21.htm#grp_i
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