こんにちは。オンスク.JPのきもの文化検定5・4級講座を担当いたしました、呉服屋若女将の田巻です。
「悩みを解消!呉服屋若女将のきものプチ講座」第5回となる今回は、これからきものを買おう!と思っている方に、きものを買う前に知っておくと良いポイントをお伝えしていきます。
きものを選ぶ際の違いとは
これまで4回に渡って、きものを“着る“ための様々なポイントをお伝えしましたが、いざきものを“買おう“と決めると、どこできものを買おうか迷いますよね。
きものを選ぶ際の違いを簡単にご説明しますと、一から仕立てる(縫製する)場合と、すでに仕立て上がっている場合があります。
自分のサイズにあわせて一から仕立てる「オーダーメイド」
まず、仕立てるきものは、呉服屋で購入ができます。きものは元々、着る方の寸法にあわせて今で言う“オーダーメイド“で一から仕立てる、反物から作っていくものでした。ちなみに、呉服屋の“呉服”とはきものになる前の反物のことを指します。
仕立てるきものは、自分のサイズぴったりに仕上がります。そのため、着た時のシルエットや、きものに袖を通す時の気持ち良さ、柄も色もすべて好みで作れるという特別感が今も昔も変わらず魅力です。
初めてきものを購入する方は、訪問着や小紋から選ぶと、一年を通して着る機会が多く、一生ものになるきものになるのでおすすめです。
とはいえ、反物から仕立てるとなると、ハードルが高く感じる方もいらっしゃるかと思います。
仕立て上がっているきものから選ぶ
手軽な価格で手入れが楽な「洗えるタイプのきもの」
特に初めてきものを着る方は、気軽に選びたいですよね。そのような声から、近年は洗えるタイプのきものが人気になっています。これは、お手頃な価格であることや、手入れが楽になるなどの魅力があります。柄も小紋柄が豊富にありますので、お好みで選べますよ。
最近は、デニムでできた“デニムきもの”が登場し、幅広い年齢層で人気となっています。これは洋服感覚で着られるとあって、“きもの”という概念を覆すような、スニーカーやブーツとあわせたり、洋服の上に重ねるコーディネートなど、様々な着こなしが楽しまれていて、若い方からきものに慣れ親しんでいる方まで、幅広く取り入れられています。
サイズがあえばラッキー!「アンティークきもの」
また古着(アンティーク)のきものも、初めての方が気軽に選べるきものです。柄も今ではなかなか手に入らないようなものがあったり、凝った装飾のものがあったりと自分好みのきものを見つける楽しみもあるかと思います。
ただ、きものの種類が訪問着や小紋、紬などと様々あることと、昔の日本人女性は小柄な方が多いため、サイズがあわないことが多くあります。具体的には、腕の長さ(“裄(ゆき)”と呼びます)と身長の部分(“身丈”と呼びます)で違いがわかりやすいです。
着てみたときに短すぎたり、長すぎなければOKです。サイズが合うものが見つかればラッキーですね。
さて、今回はきものを買う際のポイントをお伝えしてきましたが、いかがでしたか?それぞれに魅力があり、きものを楽しんでいただける良さがあります。ぜひ、お好みのきものを見つけてくださいね。
次回はついに最終回。きものの保管方法についての悩みにお答えしていきます。お楽しみに。
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