皆さんこんにちは。気象予報士の木田淳史です。気象予報士を目指す人に向け、私の経験から勉強法と合格への道のりを全4回にわたってご紹介しています。
最後である今回のテーマは「実技試験の概要と勉強法」です。できる限り具体的にご紹介していきますので、勉強法で悩んでいる…なんて人はぜひ読んでみてください。
気象予報士の実技試験ってどんなもの?
気象予報士試験最大の山場ともいえるのが、午後に行われる実技試験です。
実技試験は1・2と分かれており、それぞれ75分の試験時間です。休み時間を挟むとは言え合計で150分。試験終了後にはかなりヘトヘトになります。ちなみに実技試験の1・2に特に違いはなく、同じような問題が出題されます。
基本的には台風や発達する温帯低気圧、南岸低気圧による雪など災害につながる可能性がある気象現象がテーマとなります。
それら現象に対し、天気図や衛星画像をもとに細かく読み解いていき、予報文などを作成するのが、実技試験の大まかなスタイルです。
合格の基準は総得点が満点の70%以上とされています。ただし問題の難易度によっては調整が行われることもあります。
実技試験の問題数はそれなりに多く、考えることも数多くあります。また文章や図を作成しなくてはならないため、のんびり解く暇はありません。テンポよく解き進める必要があります。
ちなみに私はのんびり解き過ぎてタイムオーバーになってしまったことがあります。結果は当然不合格…。皆さんはそんなことの無いようご注意ください。
実技試験の効率的な勉強法とは?
続いては実技試験の勉強法についてご紹介していきます。学科試験に合格できるだけの知識がある前提(学科試験に合格できないと実技試験は採点されない)です。学科試験に不安がある方は本連載の第2回・第3回の記事も参考にしてください。
天気概況には毎日触れること!
気象予報士を目指すからには、天気概況などの予報文には毎日触れるようにしましょう。学科試験では天気図などの情報をもとに天気の状況を予想し、文章を書かなくてはなりません。その文章では過不足無い情報が求められます。
そしてそれを体現しているのが天気概況です。毎日目を通すことによって、文章のスタイルや書くべきことが見えてきます。天気概況に目を通しておくことは、実技試験の合格に有効な勉強法の1つです。
専門天気図も毎日チェック
気象予報士の試験では地表天気図に加え、高層天気図や衛星画像も大切な資料として提供されます。これらの図に対し慣れておくということも実技試験合格に欠かせない要素です。
これらの図に慣れるための最善の方法は、毎日チェックすることです。気圧の谷が接近しているという日には500hPaの高度を眺め、雪が降るかもという日には850hPa面の気温を眺め、自分なりの予報を考えましょう。
また、時にはプリントアウトし、マーカーなども用いてじっくりと眺めてみることも大切です。
なお、マーカーや定規は試験会場に持ち込めます。ですから、高度は青、渦度は赤でマークなど、自分なりのルールを決め、日ごろから実行しておきましょう。勉強法というよりもテクニックですが、それも大切な要素と言えます。
特に、台風・南岸低気圧・急激に発達する温帯低気圧などの気象現象は実技試験で取り上げられやすいテーマです。それらが発生しそう・発生した際には、いつも以上に念入りに各種天気図をチェックするようにしておきましょう。これも重要な勉強法の1つです。
テスト対策は添削サービスがあると便利
実技試験に慣れるためには、それなりに問題を解く必要があります。しかし、悩ましいのが実技試験の問題は記述式で、自分で解いてみても果たしてそれが正解なのか判断がつきません。
模範解答と見比べて、合っているような気もするし、イマイチのような気もするし…もやもやとした気持ちを抱えたままになってしまいます。文章も然りですし、書いてみた前線も然りです。
そこで役立つのが採点・添削のサービス。コレはOK、コレはここがNGと具体的に言われれば、納得もいきますし、レベルアップにつながります。オンライン講座などの各種サービスを上手に利用してください。
全4回にわたって気象予報士に合格するための勉強方法についてご紹介してきました。
気象予報士試験の合格は簡単なものではありません。ですから効率よい勉強法を意識するとともに、勉強へのモチベーションを保つことがなにより重要です。
気象予報士になるという夢をかなえるためには合格するほかありません。ぜひとも頑張って勉強を続けてください。
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