宅建(宅地建物取引士)は合格率約15%と、司法書士や行政書士・その他法律系国家資格よりも、短期で合格することが十分に可能な資格です。
高い水準で集中力を維持することができれば、3ヵ月という短期間での合格も狙える範囲ではないでしょうか。
連載「宅建 短期合格法」最終回の今回は、私が実際に受験した時の所感を交えつつ、おすすめの勉強の仕方について解説します。
宅建 短期合格法(全3回)
- 1 宅建試験の合格率・合格ラインと突破のコツ
- 2 宅建に独学で合格するための効率的な勉強法
- 3 宅建試験を3ヵ月で攻略する勉強の仕方とは
勉強の仕方① 民法は基礎用語を説明できるまで勉強する
宅建試験においてキーポイントとなっているのが、“民法”という法律です。
民法は、私たちの日常生活における根本的なルールを定めた法律です。
宅建業法や不動産登記法など、他の様々な法律も宅建の試験範囲ですが、これらの法律は民法の“特別法”という存在です。
これらは民法だけではカバーできない範囲について定める補足だったり、逆に民法よりも厳しい制限を定めたり、といったもので、あくまで“民法ありき”になっているわけです。
民法には、覚えなければいけないことがいろいろと登場します。それも、“成年後見人”とか、“代襲相続”とか、法律の初学者にとっては全然なじみがないものばかりです。
これらの用語などについては正確に覚えることが大切なのですが、
3ヵ月をフルに使って勉強し、民法上の基礎的な用語を自分で説明できるようになる
というラインを目指すのが、有効な勉強の仕方だと思います。
近年の宅建は民法の難易度が高くなっており、民法の正解率がダイレクトに合否に影響していると言っても過言ではありません。
そのため、民法については、根本的な理解を深めることを怠っては痛い目を見る可能性が高いというのが現状です。
勉強の仕方② 常に民法に比重を置いて勉強する
では、民法は点数にどれくらい直結するのでしょうか。
実は、出題される50問の内、毎年10問(10点)ほどが民法からの出題です。
他にも民法と関連する法律からの出題(この出題範囲を“権利関係”というカテゴリーで呼びます)を含めると、14問ほどが民法関連からの出題となります。
大切だという割に意外と配点が少ない、と感じるかもしれません。
しかし実際のところ宅建の試験は、ある程度勉強が進んだ受験者であれば、権利関係以外の問題から30点近くを得点することは可能です。
しかも条文を読み込むような時間をとらずとも、過去問に取り組むことで意外と短期間で合格ラインに達することができるのです。
つまり、権利関係で1問でも多く正解することが、他の受験者に差をつける決め手となっているのです。
したがって、
・3ヵ月のうち、初めの1~2ヵ月でできる限り民法を鍛え、そこから徐々にその他の科目に時間を割いていく
・1日にたとえ数分でも、絶対に民法を勉強する時間は確保し続ける
という具合に、いつも民法に比重を置いて考えることが、何より効果的かつ効率的な勉強の仕方だと思います。
勉強の仕方③ 民法は必ず数年分の過去問題をこなす
勉強の仕方として大切なのは、ひたすら暗記することよりも理解することです。
かといって時間は有限ですし、3ヵ月で合格を目指すならば、3ヵ月すべてを1つの科目だけに費やすことはできません。
特に民法なら、その条文数は1000を超えていますし、すべてについてじっくりと時間をかけて勉強していては、3ヵ月は一瞬で過ぎてしまうでしょう。
そこで私は、“まずは民法だけでも数年分の過去問に触れる”という勉強の仕方をおすすめします。
初めはわからなくて当然です。でも、解説はしっかり読みます。そうすると、どんな問題がどんな風に出題されるのか、ということが少しずつわかり始めます。
もちろん、“先にテキストや参考書を読まないと! ”という意見もあると思いますが、何より私は
“限られた時間の中で大切なポイントを見抜き、正しく時間を配分する”
ということが大切だと思います。
民法の理解を深めるには、どうしても時間がかかります。3ヵ月のうち前半は、いまいちわからないままで焦りが募ることもあるかもしれません。
しかし、継続して勉強していれば、民法はある時を境に急に理解が深まります。
それは、それまでバラバラに蓄積されていた知識が、きっちり整理されてつながり始める瞬間なのだと私は思います。
そうなってくれば、民法の問題を解くことが楽しくなってくるはずです。そして、気が付けば他の受験者たちに大きく差をつけることができるようになっているのです。
宅建受験をお考えの皆さんへ
宅建受験をお考えの皆さんの背中を後押しできるよう、私の実体験を踏まえて、3回に渡り記事をお届けしました。
私は独学で宅建に合格しましたが、それは私がたまたま独学と相性が良かったというだけの話であり、絶対に独学が良いというお話がしたいわけではありません。
独学でチャレンジしてみて、自分に合わなければ通信講座なりスクールに通うなり、考えれてみればいいのです。
何はともあれ、チャレンジすることなしには何も始まりません。
私の記事があなたのチャレンジを始めるきっかけになれば幸いです。
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