皆さんこんにちは!
この連載では「合格者が伝授!運行管理者(貨物)の科目別勉強法」をお送りしています。前回は、運行管理者(貨物)の試験の概要と、効率的に合格するためのおすすめ勉強法をご紹介しました。
第2回となる今回は、運行管理者(貨物)の試験科目の1つ、貨物自動車運送事業法にスポットを当ててご紹介。貨物自動車運送事業法の概要や試験での出題ポイント、具体的な勉強法について解説していきます。
運行管理者(貨物)試験の科目別勉強法 |
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① 貨物自動車運送事業法 ←今回はココ! |
② 道路運送車両法 |
③ 道路交通法 |
④ 労働基準法 |
⑤ その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力 |
科目「貨物自動車運送事業法」の概要、配点と重要度
貨物自動車運送事業法とは?
「貨物自動車運送事業法」という法律を聞いたことはありますか?
あまりなじみのないこの法律ですが、実は、運送業界や運行管理者(貨物)にはかかせない法律です。今日まで輸送の安全、道路の安全が確保されているのは、この法律があるからといっても過言ではありません。
この法律は、運送や運行の運営や法令、安全対策、運転手の教育など、“安全”についての法律。つまり、運送業界と運行管理者(貨物)において基礎中の基礎の法律なのです。
貨物自動車運送事業法の配点と重要度
重要度を解説するために、連載第1回で触れた各科目の配点を再掲します。
出題科目 | 出題数 | 最低正答数 |
---|---|---|
① 貨物自動車運送事業法 | 8問 | 1問 |
② 道路運送車両法 | 4問 | 1問 |
③ 道路交通法 | 5問 | 1問 |
④ 労働基準法 | 6問 | 1問 |
⑤ その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力 | 7問 | 2問 |
運行管理者(貨物)の試験の中で、貨物自動車運送事業法は5科目30問出題中、8問と、一番出題数が多い科目です。
運行管理者(貨物)の試験は18問以上の正答で合格となるので、この科目の8問をきっちり正答できれば残り10点で合格ということになりますね。
従って、のちの連載でご紹介する科目「⑤ その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力」の次に、重要度が高い科目だといえるでしょう。
気になるこの科目の難易度ですが、僕は高めだと思います。
その理由は、貨物自動車運送事業法は“なじみのない法律”であることと、出題される項目の中には普段の業務にまったく関わらないものがあるからです。
例えばこの法律の目的や条文、許可・認可などは、普段の業務ではまず関わることがなく、なじみがないので苦戦するかもしれません。
しかし要点を押さえた勉強法を活用すれば、関わりのない項目でも、苦戦することなく攻略できると思います。詳しい勉強法は後述しますので、ご覧ください。
科目「貨物自動車運送事業法」のおすすめ勉強法と出題ポイント
貨物自動車運送事業法では、大きく下記の5項目に分かれて出題されます。
(1) 目的や条文
(2) 許可・認可の申請
(3) 過労運転の防止
(4) 事故の報告
(5) 運転者への指導
要点を押さえた勉強法を1つずつ、見ていきましょう。
(1) 目的や条文(解答方法:穴埋め選択式)
基本的には、“安全”や運送会社の“適切な運営”の観点から解答すれば大丈夫です。
しかしここにひっかけがあり、“輸送の秩序”など安全を意識したひっかけが出題されることもあるので、注意が必要。
おすすめの勉強法は、条文の文言を区切って覚えること。こうすることで、かなり覚えやすくなりますよ。
(2) 許可・認可(解答方法:選択式)
許可と認可の問題は「~の場合は許可が必要である」などの、ひっかけ問題がよく出題されます。また、許可や認可は同時に勉強しようとすると混乱しやすいです。
おすすめの勉強法は、許可だけを完璧に理解すること。そうすれば、解答できる問題は許可だけということになるので、許可や認可のどちらか一方で悩むことがなくなりますよ。
(3) 過労運転の防止(解答方法:選択式)
ここでは、休息時間・場所、数字に関して重点的に学習しましょう。基本的には、過労運転にならない解答を選ぶので、5項目の中で一番理解しやすい項目といえます。
過労運転については、のちの連載でご紹介する「道路交通法関係」と「その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力」でも必要となる知識なので、重点的に学習することをおすすめします。
(4) 事故の報告(解答方法:選択式)
ここでは重大事故の報告について出題されます。主に、「事故報告規則に基づき速報を要するものを全て選びなさい」などのような、重大事故の速報について出題されます。
この項目のおすすめ勉強法は、速報の基準を覚えること。
例えば危険物の漏えい、重傷者は5人以上など、単語ごとに覚えると学習しやすいです。
重大事故の項目は、5つの項目の中で一番イメージがしづらいかもしれません。
僕はなかなか覚えられなかったので、動画で事例を見られるオンライン講座を活用したり、重大事故が起きた場合の対応について仲間と知識を共有したり、といった勉強方法で学習しました。
(5) 運転者の指導(解答方法:選択式)
新人研修や事故を起こしたドライバーについて出題されます。
内容は主に「事故惹起運転者への指導はやむを得ない事情がある場合は再度乗務を開始した後、1ヵ月以内に実施すること」と出題され、この“1ヵ月の数字”の部分がよく改変されています。研修は何ヵ月以内に行うのかは、重点的に学習しましょう。
覚えておきたい重要単語とよく出るひっかけ問題
覚えておきたい重要単語3つ
貨物自動車運送事業法でよく出るひっかけ問題として、「事業」の種類があります。そのため、この「事業」の種類は丸暗記しておきたい重要単語です。
「事業」の種類は、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業、貨物軽自動車運送事業の3つ。引っかけ問題では、実際にある名称と非常に似ている単語を混ぜて出題されるので、とても勘違いしやすいです。
類似の用語と間違えないよう、この3つの単語はしっかり押さえておきましょう。
よく出る!ひっかけ問題はこれだ!
では、貨物自動車運送事業の種類について、実際に試験で出題された一部を記載します。この問題はよく出るので、確実に押さえておきましょう。
貨物自動車運送事業とは、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業、貨物軽自動車運送事業及び貨物自動車利用運送事業をいう。
引用元:令和元年度第1回 運行管理者試験問題(貨物) 問1
この問題の正誤はわかりますか?
答えは、×です。項目の4番目、「貨物自動車利用運送事業」は、名に事業とついていますが、実際は業務内容なので含まれません。
このように、事業と業務に関するひっかけ問題が出題されやすいです。
しっかり理解して解答率をあげておきましょうね!
今回は、運行管理者(貨物)の出題科目の1つ、貨物自動車運送事業法の勉強法について解説しました。
貨物自動車運送事業法は、5項目と広い出題範囲なので苦戦するかもしれませんが、今回ご紹介した要点を押さえた勉強をすれば、難易度は下がると思います。
理解しがたい項目に関しては、仲間と知識の共有をしたり、オンライン学習を活用してみたりしましょう。焦らず1つ1つ学習していきましょうね!
次回は科目「道路運送車両法」の勉強法について解説していきます。
また次の記事でお会いしましょう!
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