皆さんこんにちは!
この連載では、「合格者が伝授!運行管理者(貨物)の科目別勉強法」をお送りしています。
前回は、運行管理者(貨物)の科目「労働基準法」の概要と、合格に近づくためのおすすめ勉強法をご紹介しました。
最終回となる今回は、残る科目「その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力」について、概要や試験での出題ポイント、科目に適した勉強法を解説していきます。
今回で連載も最後です。最重要と位置づけするここを乗り越えれば、合格はすぐそこ!もう少し頑張っていきましょう!
運行管理者(貨物)試験の科目別勉強法 |
---|
① 貨物自動車運送事業法 |
② 道路運送車両法 |
③ 道路交通法 |
④ 労働基準法 |
⑤ その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力 ←今回はココ! |
科目「その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力」とは?
最後の科目「その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力」は、その名の通り、運行管理者(貨物)の“実際の業務に必要な知識や能力”について問われます。
具体的には、今まで学んだ各科目の応用問題がいくつか出題されます。
ほかの4科目では、解けない問題が出たとしても安全を意識し、1つ、もしくは2つを消去法で選んでいけば、答えることができました。
しかしこの科目では、その手法は通用しません。なぜならこの科目は、他の科目と異なり「正しいものをすべて選びなさい」と出題されるからです。
具体的には、「正しいものには解答用紙の適の欄に、間違っているものには不適の欄にマークしなさい」という感じで出題され、1つでも間違えると正答になりません。
ほかにも、イラストを見て複数ある選択肢から選ぶ解答方法や、グラフを見て計算する問題などが出題されます。
総まとめ的な科目で、難解な出題形式ではありますが、正しく学べば乗り切れます。カギは、“今までの力をすべて出す”ことです。具体的には、勉強法のくだりで解説します。
配点と科目の重要ポイント
では今回も、配点を確認していきましょう。
出題科目 | 出題数 | 最低正答数 |
---|---|---|
① 貨物自動車運送事業法 | 8問 | 1問 |
② 道路運送車両法 | 4問 | 1問 |
③ 道路交通法 | 5問 | 1問 |
④ 労働基準法 | 6問 | 1問 |
⑤ その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力 | 7問 | 2問 |
5科目のうち、最低正答数が2問以上必要なので、第1回目でご紹介したとおり、最重要科目といえるでしょう。
具体的な出題内容ですが、“運行管理者(貨物)の日常的な業務の記録等について”や、“運転手の指導に関して”、また“点呼”や“運転手の健康管理”など、各科目の主要となる項目から出題される傾向にあります。
重要ポイント:最後の最後に出る計算問題をどうするかがカギ
この科目で厄介なのが、前項で難しい出題形式の1つと解説した、グラフやイラストの問題です。グラフの問題は、主に“この運行計画は適切か不適切か”を答える問題が出題されます。
この問題は、速さ・時間・距離を求める公式、いわゆる“はじきの法則”で解けますが、全30問中、最後の2~3問に出題されるので、疲弊しきった頭で計算しなければいけないのがツライところ。また、そこからさらに“適・不適”を選んで解答しなければいけないので、より頭を悩ませます。
試験問題は解答して終わりではなく、見直し時間も必要なので、ここですべての力を振り絞ってしまうと、見直しがおろそかになってしまいます。
そこでおすすめの方法が、グラフやイラストなどの計算問題は最初から捨てるという方法です。 この科目の最低正答数は2問なので、ほか4~5問の中から2問正答すれば、とりあえずは合格に繋がります。
実際に僕は、計算問題を捨てて試験に挑みました。正確にいうと、簡単だったら解こうと考えていましたが、試験当日、難解な問題が出題されたので、予定通り捨てることにしたのです。
そのおかげで、第1回でご紹介した時間配分(解答60分、見直し30分)の通りに進められたので、僕の場合この判断は正解だったと思います。
もちろん、計算問題に強い人や、見直し時間に余裕のある人は、解いてもらっても大丈夫です。そのほうが合格率もあがるので、解答するに越したことはありません。
しかし、僕のように計算問題が苦手で、見直しに時間をかけたいと思うのなら、この方法を参考にしてみてください。
とはいっても、この方法は一番重要な科目の2~3問を捨てるといった大胆な方法なので、人によっては「リスクがあって不安」と思うかもしれません。
その場合は、不安要素を取り除くために、テキストでグラフやイラストの計算問題を重点的に学習し、合格への道を確かなものにしましょう。
テキストでわかりづらい部分は、動画などを使ったオンライン講座を活用してみてくださいね。
合格に導く!おすすめの勉強方法
このパートでは、「その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力」を学ぶにあたり、実際に筆者である僕を合格に導いた勉強法をご紹介します。
実際の運行管理者(貨物)の業務を体験させてもらう
人は誰しも、体験していないことは理解しにくく、実際に体験したことは理解しやすいと思います。これを勉強に利用してみるというのが、おすすめ勉強法の1つです。
実際に体験することで、今まで勉強してきたことがさらに自分の中で定着しますし、今まで学んだ自分の知識が実際の業務に通用するのかが、目に見えて実感できます。
とはいえ、会社の規模によっては体験できないところもあるでしょう。
しかし、そこで諦めるのではなく、勉強に活かせる実例を何か見ることができないか、考えてみるのです。
例えば、点呼の際に記録する“点呼簿”や、“車の点検・整備記録簿”など、各記録にまつわるものは見せてくれないか交渉してみましょう。
これらは、試験問題にも出題する“日常業務の記録”にまつわるものです。
僕自身、どうやって使用するかは知識としては得ていたものの、実際の業務でどう使われているかイマイチ理解できていない部分がありました。
しかし、交渉したことで実物を見せてもらえ、実際の業務でどのように使われているかを知ることができました。また、“日常業務の記録”全般についても、かなり理解が深まったと思っています。
こうした、自らが動いて実践していくという勉強法も合格には必要だと僕は思います。
過去問を見て、解けない科目をもう一度勉強する
先ほど「その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力」は、この前に出題される4科目の総まとめとして、位置づけされています、とお伝えしました。
当然問題も、4科目にまつわる知識から出題されるので、理解できていない科目の問題は解けないということになります。
例えば、ドライバーの休憩時間に関しての問題が解けないのなら、前回の「労働基準法」をもう一度勉強しなおす必要がありますし、車両整備の問題が解けないのなら、「道路運送車両法」を勉強しなおす必要があるでしょう。
このように、この科目で解けなかったところは、出題元の科目で理解しきれていないところがあるということ。
過去問で解けなかったところは、出題元の科目をテキストで見直し、理解を深めたあと、もう一度過去問を解き直すやり方で、しっかり知識を落とし込みましょう。
このような勉強を進めれば、“今までの力をすべて出す”ことができるようになると思います。試験本番まで、根気よく頑張りましょう!
連載「合格者が伝授!運行管理者(貨物)の科目別勉強法」、最終回となる今回は、科目「その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力」について解説しました。
本文中にも記載しましたが、この科目は運行管理者(貨物)の実際の業務に必要な知識や能力について問われるので、他の科目よりも一歩踏み込んだ実践的な内容だといえます。
そして最低正答数2問なので、科目の重要度は一番高いです。
何度も過去問を解き、解けない問題は各科目の箇所に戻ってしっかりと知識を落とし込んで試験に挑みましょう。
全6回の連載は、これで最後になりますが、皆さんのお役に立てたでしょうか。
僕自身がそうでしたが、働きながらの資格取得は時間の確保が大変です。運行管理者(貨物)は、働きながら取得する人が多いので、きっと同じ思いをされる人もいるかと思います。
そんな時は、オンライン講座を使用したり、仲間や資格保持者との雑談時間を勉強時間に変えたりして、普段の時間を有効活用しましょう。
自分1人の力では成しえないことも、人の力を借りれば容易となることもあります。使えるものは最大限に活用してみてください。
そしてもし、各科目の勉強法に悩んだら、もう一度この連載記事を読みこんで、学習に活かしてください。皆様の合格を心よりお祈り申し上げます。
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