運送に関わる仕事で活かせる国家資格「運行管理者(貨物)」。
この資格は実際にどのように活かせるのでしょうか。また、資格取得のメリットは何なのかも気になるところですよね。
連載「国家資格『運行管理者(貨物)』とは?」、2回目の今回は、運行管理者(貨物)の資格を持つ筆者が感じるメリットや、資格の活かし方についてご紹介します。
「運行管理者(貨物)」の資格取得のメリットとは?
まずは運行管理者(貨物)の資格を取得するメリットについてです。
会社にもよりますが、資格取得で大きく変わるのは給与や待遇面と言えるでしょう。
また、将来的に転職を考えている方にとっても、運行管理者(貨物)の資格取得はメリットが大きいのではないかと思います。
項目ごとに詳しく掘り下げてみます。
給与アップ・昇進が期待できる
「運行管理者(貨物)」の資格を取得して運行管理者になると、今までドライバーとして現場の最前線で働いていた方は、ドライバーのマネジメントを行う事務系の仕事へ回る事になります。
会社ごとに差はありますが、一般のドライバーから運行管理者へと職種が変わるため、昇給や資格手当の付与などが期待できるでしょう。
私の場合は、資格取得前から運行管理者の補助業務を中心に事務仕事を行っていましたが、資格取得後は、業務内容はそのままで資格手当が付きました。
会社によっては昇進の条件として運行管理者(貨物)の資格取得を義務付けている場合もあります。従って、将来的に管理職への昇進を目標としている方は、取得しておきたい資格の1つでしょう。
転職の際の選択肢が広がる
転職を考えている方にとっては、選択肢が広がる資格と言えるでしょう。
運行管理者(貨物)は、営業所ごとに必ず一定人数以上の配置をしなければならない資格です。また、運行管理者不在では営業ができないので、突然の退職や休職に備えて余剰人材を抱えておく会社もあります。
よって、運行管理者(貨物)の資格を持っていれば、一般ドライバーとしてだけでなく、運行管理者や営業所の管理職候補など選択できる職種が広がり、より有意義に転職活動を進める事ができるでしょう。
資格取得で安定した職務に就ける
給与アップも転職にも興味が無いという方にもメリットはあります。
「運行管理者(貨物)」は必置資格に部類されていて、運行管理者制度の下で車両数に応じた一定人数の配置が義務付けられているため、各営業所に必ず1名以上必要です。
車両数が多ければ多い程、よりたくさんの運行管理者が必要となるので、営業所と運送するためのトラックがある限り、必ず雇っておかなければならないポジションなのです。
仮に、会社の事業縮小等で営業所の人員を削らなければならない事態になった場合でも、資格があれば解雇の対象になりづらいといえるでしょう。
個人的な話にはなりますが、前職で会社の倒産を通して、急に仕事がなくなってしまう不安を味わった私にとっては、このメリットが最も魅力的でした。
このように1つの会社で長く働きたい方にとっても取得のメリットは十分にあると思います。
「運行管理者(貨物)」の仕事での活かし方
がんばって勉強して手に入れた「運行管理者(貨物)」の資格も、取得しただけでは宝の持ち腐れです。資格試験に合格したことは会社へ報告し、しっかりと活用していきましょう。
運行管理者(貨物)の資格の活かし方として一般的なのは、やはり転職や昇進。
どちらを目指すにしろ、最も近道となる活かし方は、資格取得のために培った知識を使って、運行管理者や運行管理者補佐の職務に挑戦することです。
転職で活かす場合は運行管理者の経験は必須?
転職の場合、運行管理者(貨物)の資格を持っているだけでも転職先の幅は広がりますが、実際に採用されたとして、この道一筋ウン十年のドライバーたちを管理し、束ねていくのは相当な知識や経験が無いと大変な作業です。
私は、運行管理者の資格こそ取得したものの、まだ経験が浅く、知識量や引き出しが少ないので、実務経験豊富なベテランドライバーに知恵を貸していただくことがしばしばあります。
今から資格を取って転職!と考えている人も、転職してから大変な思いをしないために、できれば今いる会社で運行管理者や運行管理者補佐の経験を積んでから、転職にチャレンジした方が得策といえるでしょう。
管理職への昇進にも活かせる資格
管理職に昇進するために活かしたいと考えている方の場合でも、やはり長い目で見て一度は運行管理者の職務を経験しておくのがよいと思います。
会社にもよりますが、昇進に運行管理者(貨物)の資格は必要でも経験は不要という場合があります。
しかし、後々自信をもって円滑に業務を遂行するためには、運行管理者、少なくとも運行管理者補佐の経験ができるのであれば、しておくのがベストでしょう。
「運行管理者(貨物)」はプライベートでも活かせる?
仕事で活かすために取得した運行管理者(貨物)の資格ですが、プライベートで活かす方法はあるのでしょうか。
結論からいうと、資格自体をプライベートで直接的に活かすのは少し難しいかもしれません。
しかし、資格勉強や運行管理者として働いていくうえで身に付いた知識や経験を、プライベートで活かすことは十分可能です。
例えば、運行管理者の仕事の1つに、ドライバーの毎日の健康管理があります。
アルコール値など機械で測定できるものだけでなく、顔色や立ち振る舞いを見て、普段と変わりは無いか、無理をしている素振りは無いかなどを見極めなければなりません。
私は、毎日このように1人1人と向き合って、変化を観察するのが自然と癖になっているので、プライベートでも家族や友人の些細な変化に気が付けるようになりました。
また、プライベートで活かすこととは少し違いますが、私の会社の人で、上司に勧められて運行管理者(貨物)の資格を取得したものの、運行管理者として働いていない方がいます。
その方は、事務仕事よりも現場でドライバーとして働く方が好きで、今も現場でバリバリ働いています。ですが、資格を持っていて運行管理者の仕事内容を理解しているので、運行管理者の私をいつもサポートしてくれ、とても助かっています。
彼のように昇進や昇給が無くても、働き方や意識が変わり、部署を超えて周りを自然にサポートできることも、運行管理者(貨物)の資格の有意義な活かし方といえるかもしれません。
「運行管理者(貨物)」はメリットがたくさん!
連載2回目の今回は運行管理者(貨物)の資格の役割や活かし方、メリットについてご紹介しました。
代表的なメリットや活かし方としては、転職や昇進に関わるものが多いですが、ご自身の職場環境や立場によっても、活かし方やメリットと感じる部分は変わるのではないかと思います。
しかしながら、今後自動車運送事業で活躍したいと考える人には、メリット多数と見えたのではないでしょうか。ぜひ積極的に資格取得を目指してみてくださいね。
さて次回は、運行管理者(貨物)の働き方や役割についてご紹介していきます。
今回の記事で運行管理者(貨物)について興味を持たれた方は、ぜひ次回もご覧くださいね!
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