連載「国家資格『運行管理者(貨物)』とは?」、これまでは、運行管理者(貨物)の概要から資格の活かし方、働き方などについてご紹介してきました。
連載4回目の今回は、運行管理者(貨物)の楽しさ・やりがいについて、実際に運行管理者(貨物)の資格を活用して働いている筆者の例を参考にご紹介します。
何をもって「楽しい」「やりがいがある」と感じるかは、人それぞれ違うと思いますが、個人の例を基にした一般的な話として、ぜひ参考にしてみてくださいね。
運行管理者(貨物)資格勉強は楽しい?
まずは、運行管理者(貨物)の楽しさについてなのですが、私個人は資格勉強の段階で楽しいと感じていました。
勉強が楽しいというと、ちょっと変わった人なのかなと思われそうですが、実務上なんとなくわかっていたことが、言葉になって理解できることが楽しかったのです。
運行管理者(貨物)の試験は、割合的には法律関係の暗記ものが多いのですが、私が特に楽しいと感じたのは、実務に関する問題を勉強しているときでした。
社内研修や基礎講習、そして実務で身に付けた運行管理のプロセスが文章に書き起こされていて、今までなんとなく身に付いていたものが、言葉になってクリアにインプットされる感覚が面白かったです。
また私の場合は、仕事と並行して資格勉強を行っていたので、直近で勉強した箇所と似た場面を翌日仕事で体験するパターンもあり、これも資格勉強が楽しいと感じる1つのポイントでした。
今お話ししたように、”実務経験と資格勉強が結びついていくことが楽しい”と感じる方は多いと思います。勉強自体が「楽しくない」「辛い」と感じる方は、「職場ではどうやっていたかな?」と考えながら、意識的に実務と紐づけてみることで、少し気持ちが前向きに変わるかもしれません。
資格取得前後での業務内容の違い
運行管理者(貨物)の資格を取得する事で、どのようなやりがいがあるのか、それは資格取得前後での業務内容の違いを比較するとわかりやすいでしょう。
結論からいうと、資格取得前は知識があってもやらせてもらえなかった仕事が、資格取得後にはやらせてもらえるようになり、それがやりがいに繋がると思います。
では、資格取得前後で業務内容にどのような違いがあるのか、一般的に考えられる例を見ていきましょう。
資格取得後にできること
- ドライバーの健康状態に問題が発生した際、運行可否を判断する権限が持てる
- 安全研修などを実施し、ドライバーを指導、監督できる
- 運行計画を作成し、実施する権限が持てる
運行管理者(貨物)の資格には実務経験または基礎講習の受講が必要なので、実務経験として運行管理者の代務者や補助者をしていた方にとっては、資格取得前後の業務内容が劇的に変化するという訳ではありません。
しかし、資格を取得することで、日々の業務や問題の対処法を判断する「権限」が与えられます。
これが資格取得後にできることの、最も大きなポイントといえるでしょう。
資格取得後のやりがい
- 自分の判断で行えることが増える
- 既存の運行管理者の負担を軽減できる
「権限が与えられる」=「責任が増える」ということなので、それが嫌だなと感じる方もいるかもしれません。
しかし、運行管理者のやりがいはこのポイントにあるのではないかと思います。
資格取得以前から運行管理に関わる仕事をしていたとしても、問題に気が付いた場合、自分自身で対処することは許されません。
しかし、運行管理者の資格を持つことで、自分の判断で迅速に対応できるようになり、その自分の判断がドライバーや車両、そして地域の安全を守る一端を担えるようになるのです。
そう考えると、運行管理者のやりがいは計り知れません。
業務内容の違いとやりがい|筆者の場合
続いて、筆者のケースを例に、資格取得前後での違いを見ていきましょう。
資格取得前の業務内容
私の場合、運行管理者の資格取得前は、運行管理者の補佐のような役割でした。
主な業務内容は以下の通り。
- 必要書類の作成や準備(事務作業)
- ドライバーへの情報共有
- 各ドライバーのシフト作成と確認・周知
- ドライバーからの意見を吸い上げ運行管理者へ情報共有
1日の大半は事務作業で、ほぼすべて運行管理者の指示に基づき動いていましたので、運行管理者の業務内容は大まかに理解していました。運行管理者が不在の日には、代務者として運行管理者の業務も行っていました。
しかし自分には資格がないため、仮に今いる運行管理者が辞めてしまった場合の代わりにはなり得ないということに、もどかしさを感じていました。
資格取得後の業務内容
資格取得後も、運行管理者の補佐業務を行っていることには変わりはありません。
しかし資格を持ったことにより、代務者ではなく運行管理者として業務を行えるようになりました。知り合いの中には、資格取得を機に別の事業所へ異動となり、運行管理者として1人で勤務できるようになった方もいます。
資格取得には運行管理の実務経験が必要なので、資格取得前の段階で運行管理者とまったく同じ業務を行っていても問題はありません。
しかしそれは、あくまで事業所内に運行管理者(貨物)の資格を持つ人が他にいることが前提となっています。
運行管理者(貨物)を取得後、やりがいが増えた!
個人的には私が資格を取得したことで、今まで1人だった運行管理者の負担を軽減できることが大きな喜びになっています。
また、資格取得前は補佐的な事務作業が中心だったのですが、資格取得後は、点呼やドライバーの安全運転研修のサポートなどのイレギュラーな業務も任せてもらえるようになりました。
このように、任せてもらえる仕事が増えたので、今まで以上にやりがいを持って働けています。
資格取得は仕事にやりがいを見出す1つの方法
連載4回目の今回は、運行管理者(貨物)の楽しさや、やりがいについてお話ししました。
私は個人的に、業務を通してなんとなくわかっていたことがクリアになっていく資格勉強が楽しいと感じましたし、業務においては、任せてもらえることが増えてやりがいを十分に感じています。
現在の業務内容に物足りなさを感じている方には、特にこの資格の取得をおすすめしたいです。資格を取得することで、今までできなかった業務をする権利が増え、今までの仕事についても捉え方が変わる部分があるのではないでしょうか。
大切なのは資格取得をゴールにするのではなく、資格取得後にどうなりたいのか、どのように働きたいのかをイメージすることです。
これがイメージできていれば、運行管理者の資格を活用しながら、やりがいをもって働けるのではないかと思います。
さて次回は、運行管理者(貨物)の資格を転職や就職に活かす方法について具体的にご紹介します。お楽しみに!
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