ビジネス実務法務検定は、キャリアアップだけでなく転職や就職といった場面でも活かせる、ビジネスパーソンにぴったりな資格です。
しかしこれまでに法律の勉強をしたことがない方は、資格取得のために何から勉強すればよいのか、またどのように学習スケジュールを立てればいいか、悩んでしまうのではないでしょうか。
今回は、ビジネス実務法務検定3級・2級に合格するための効率的な学習スケジュールを、実際に3級と2級を同時受験して合格した筆者が、図解付きで解説します。
目次
ビジネス実務法務検定とは?
学習スケジュールについてお話しする前に、この資格について少し解説します。
ビジネス実務法務検定は東京商工会議所が実施している検定試験で、難易度が1級・2級・3級の3段階に分かれています。
今回スケジュールについて解説する3級と2級の合格率は、3級は概ね80%、2級であっても50%と高く、きちんと学習範囲を勉強すれば法律の初学者でも、独学で合格を目指せます。
ビジネス実務法務検定3級では、ビジネスパーソンが理解しておくべき基礎的な法律知識を有しているかどうかが問われます。
ビジネス実務法務検定2級では、弁護士など外部の法律の専門家へ相談ができるくらいの法律の実務知識を備えているかどうかが測れます。
しかし測るといっても、試験問題は多肢選択式のため、法律の基本的な考え方や知識が身に付いていれば解くことができます。
試験方式はIBT方式とCBT方式の2種類があり、自宅もしくはテストセンターで受験可能、多肢選択式の問題です。
3級・2級ともに、100点満点中70点以上を取れば合格できます。
ビジネス実務法務検定3級・2級合格のためのおすすめ勉強法
先ほども少し話したように、ビジネス実務法務検定は、3級・2級ともに100点満点中、70点以上を取れば合格でき、また多肢選択式の問題です。
そのため難しい法律用語を覚えたり、条文を読み込んだりするような勉強方法は向いていません。
おすすめの勉強法は、試験範囲を網羅したテキストなどを準備して、まずは一度ビジネス実務法務検定3級・2級の出題範囲を確認するくらいのつもりで、全体を読むことです。
そこから意味がよくわからなかった法律用語や説明に戻って、しっかり読み進めてみてください。
初学者でも、テキストなどのインプット学習で学習範囲を2~3周すれば、ある程度の知識が身に付きます。その後は、実際に問題を解いてみることが重要です。
公式問題集などを利用して問題をこなし、間違った箇所について見直し、また問題を解いていくことで、知識の定着とアウトプットの練習を行います。
ビジネス実務法務検定3級おすすめのテキストとは? ビジネス実務法務検定2級おすすめのテキストとは?
独学で効率よく学ぶならオンライン講座との併用もおすすめ
法律初学者が独学で合格を目指す場合、テキストでの勉強以外に、オンラインの通信講座を利用した勉強もおすすめです。
なぜなら、初心者にはとっつきにくい法律のことをわかりやすくかみ砕いて解説してくれ、つまずきを少なく進められるからです。
また、かさばるテキストを持ち運ぶことなく、移動などのスキマ時間も有効に使えるのもメリットでしょう。
筆者はテキストと問題集のみの独学で合格しましたが、重いテキストを持ち運ぶのがとても億劫でした。
外で勉強するタイミングがあっても、実際に勉強するページは多くても10数ページなので、ほとんどいらない部分なのになあ…と思っていました。
筆者が実践したテキストと問題集ですすめる方法は、費用が安くすむ点はメリットでしたが、気軽さや効率よく学ぶことを考えるなら、オンラインの通信講座の方が向いている勉強法だと言えるかもしれません。
ビジネス実務法務検定3級・2級に受かるための効率的な学習スケジュール
ではここからは、ビジネス実務法務検定3級・2級に合格するための効率的な学習スケジュールについて紹介します。
ビジネス実務法務検定3級向け学習スケジュール
ビジネス実務法務検定3級に合格に必要な時間は、おおよそ40時間です。
そして以下の図解のようなスケジュールがおすすめです。
(通信講座の利用や努力次第でもっと短い時間で合格できる場合もあるため、目安としてください)
■ インプット:15時間
テキストなどで独学勉強する場合は、最初にビジネス実務法務検定3級の内容に対応したテキストを利用して、インプットから始めましょう。
勉強内容としては、学習する範囲をざっと一通り読んで内容の細部を覚えていくというよりも、法律とはどのようなものなのか基本的な理解をすることを優先しましょう。
試験範囲を1周したら再度テキストに戻り、2周目を開始します。
1周目でつまずくところがほとんどなかった場合は、アウトプットに移ってもいいでしょう。
■ アウトプット:10時間
アウトプットでは、公式問題集などを使って実際に問題を解いてみることが重要です。
一問一答を利用してもよいですが、試験前には時間を測って過去問に挑戦してみましょう。
最初から過去問を使って演習を行うのもおすすめです。
通信講座を利用する場合は、まずはインプットとして講座をひととおり受け、講座を1周してから、理解の足りないと感じた部分のみを視聴するのがおすすめです。
またアウトプットは、通信講座で用意されている問題演習を利用しましょう。ここではスピーディに量をこなすことが重要です。
通信講座は、用意された問題で合格する力がつくように設計されています。そのため問題集を追加で買わなくてもOK。用意された全部の問題を解けるよう進めましょう。
■ インプット:5時間、アウトプット:3時間
テキスト・問題集のみ、通信講座、どちらのアウトプットでも使えるコツを1つお伝えします。
それは、わからない問題はいったん置いて次の問題に進み、答え合わせのときにしっかり理解することです。
問題演習は試験ではないため、わからない問題はさっさと飛ばしていきましょう。演習後に理解の足りなかった部分に戻ってインプットを重点的に行い、また問題演習に戻る方法がおすすめです。
このようにインプットとアウトプットを繰り返すことで、素早い知識の定着と、飽きずにモチベーションを維持したまま勉強できますよ。
■ 直前期のインプット:1時間
スケジュール図の最後1時間のインプットは、試験直前期のインプットです。
これまでの勉強で引っかかりやすかったところなどを再度見直して、最終のインプットを行い、万全の態勢で本番に臨みましょう!
ビジネス実務法務検定2級向け学習スケジュール
2級は3級よりも難易度が上がるため、必要とされる勉強時間はおおよそ60時間以上です。こちらも図解と共に解説します。
図:筆者提供■ インプット:20時間
基本的な進め方はビジネス実務法務検定3級の勉強法と同様ですが、3級とは異なり、テキストは1周目であっても丁寧に読み込んでいくようにしましょう。
ビジネス実務法務2級は3級に比べ、1問あたりの文字量が増え、情報の複雑さが増します。重要なポイントの見落としをしないことが大切です。
■ アウトプット:20時間
問題演習においては、正解として選んだもの以外の選択肢についても、必ず細部を検討することが効率的な学習につながります。正答でない選択肢のどの部分が誤りなのか逐一理解することで、選択肢の数の分、深い知識が身に付きます。
この方法は最初、大幅に時間がかかってしまうかと思いますが心配はいりません。
筆者はこの方法で勉強をし、実際に過去問1回目は試験時間の90分を優に超える時間がかかりましたが、続けることで見直しの時間もしっかり取れるくらいのスピードで解けるようになりました。
試験時間内で解けきれるまで、続けることが大切です。
正答だけに着目した解き方をしたときより知識の吸収率が上がるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
■ インプット:10時間、アウトプット:10時間
3級の勉強法と同じく、テキスト・問題集を1周した後は、理解不足だと感じた部分のみインプット(テキストを読み込む、または講義動画を視聴する)とアウトプット(問題を解く)を行いましょう。
■ 直前期のインプット:5時間
試験直前期の最後のインプット(スケジュール図の5時間)は、勉強する中で苦手だったり理解に時間がかかったりしたところを、3級のときよりも丁寧にしっかりチェックし、直しておくことが大切です。
学習スケジュールを組む際のポイント
ビジネス実務法務検定3級・2級の学習スケジュールを立てるには、まず自身の生活において勉強に使える時間を把握することから始めましょう。なぜなら、人によって勉強効率は異なるためです。
また、できるだけ余裕を持った時間設定で組んでいくことも大切です。
社会人は学生と違い、仕事が急に忙しくなるなどの理由で、勉強時間が取れない日や期間が発生しやすいためです。
ここでは、スケジュールを組む際に特に注意したいポイントを紹介します。
ポイント① 無理なスケジュールを組まない
まず、大切なのは無理なスケジュールを組まないことです。
例えば、帰宅後に寝るまでの時間のすべてを使う、休日を丸一日使うといったように、勉強時間を楽観的に設定してしまうと、スケジュールがズレる危険性が上がります。すると、試験までに必要なところを勉強できないといった、最悪のことが起こるかもしれません。
これでは合格できるものもできなくなってしまいます。
生活している以上、不測の事態は起こり得ます。また勉強内容につまずいてしまい、思うように勉強が進まない日もあるでしょう。
実際に筆者は、社会人になってからビジネス実務法務検定3級・2級を取得しましたが、楽観的なスケジュールの組み方をしてしまい、予定したスケジュールを守れませんでした。
原因は、学生の頃のようにしっかりと勉強時間が取れないことを考慮できていなかったからです。
一度スケジュールが破綻すると組み直す必要がありますが、手間なうえせっかくの勉強時間を無駄にしてしまいます。予備日を設けたり、確保できる勉強時間を少なめに見積もったりすることで、余裕のあるスケジュールを組むようにしましょう。
スケジュール通りに進んで時間が余ったら、それはラッキーです!問題演習などでアウトプットの時間を増やし、安心して合格できるように時間を有効に使いましょう。
ポイント② モチベーションの維持を大切にする
モチベーションの維持も、試験までの期間中、勉強を続けるために大切です。
ビジネス実務法務3級・2級に合格するには、40時間以上の勉強時間が必要です。しかし社会人が資格勉強をするとなると、仕事の前後に勉強することになり、身体的にも精神的にもしんどくなることがあると思います。
無理なく勉強を継続するには、意識的にモチベーションを維持することも大切です。
モチベーションの維持方法は人それぞれですが、その日の勉強ノルマが終われば甘いものを食べていいことにする、好きなアイドルの動画を観ていいことにするなど、ちょっとしたご褒美を用意するのがおすすめです。
筆者は1週間ごとのノルマを決めて、ご褒美としてランチを設定したり、月単位では映画など、エンタメの予定を入れたりしてモチベーションを保っていました。
勉強ありきで自身のスケジュールを組んでいくことで、無理のないスケジュールが組めますよ!ぜひお試しください。
ビジネス実務法務検定3級・2級は同時受験もおすすめ
ビジネス実務法務検定の取得を目指す人の中には、3級を受けてから2級を受けようと考えている方もいると思います。
しかしビジネス実務法務検定3級・2級は、同じ開催時期に両方受けられるので、2級を目指すなら3・2級の同時受験がおすすめです。
その理由は、「出題範囲の大部分が重なっている」「2級は3級の内容を少しだけ掘り下げたもののため、続けて勉強した方が理解が早い」の2つが挙げられます。
まずはビジネス実務法務検定3級合格に必要な基礎的な知識を入れてから問題を解き、2級の勉強へ進むことで、より深い法律の内容であっても、ぐっと理解が早まるでしょう。
筆者は初めから同時受験の予定だったので、ビジネス実務法務検定3級の問題集は1周だけにして、インプット、アウトプットを1回ずつでビジネス実務法務検定2級の内容の勉強に進みました。ビジネス実務法務2級の勉強がそのまま3級の復習にもつながると思ったからです。
インプットとアウトプットの繰り返しにもなり、結果的にスピーディにビジネス実務法務検定2級の勉強ができました。
この方法で、実際に同時受験でビジネス実務法務検定3級・2級に合格したため、今から受けるみなさんの参考になるかと思います。
ビジネス実務法務検定2級まで取ろうと考えている方は、ぜひ同時受験も検討してみてくださいね。
ビジネス実務法務検定3級・2級の学習スケジュールやおすすめの勉強方法について解説しました。
社会人が限られた時間で効率よくビジネス実務法務検定3級・2級合格を目指すなら、自分にぴったりの学習スケジュールを立て、無理のないスピードで勉強することが大切です。
また、自分のライフスタイルに合った勉強方法を選ぶことも重要です。
2級を目指すなら、ぜひ同時受験も検討くださいね。独学だけでは自信がない、よりスピーディに資格取得をしたいという人は、効率よく学べるオンライン講座もおすすめですよ。
効率よく法律の知識を学び、仕事に活かせるビジネス実務法務検定3級・2級の資格を取得しましょう!
参考URL:
https://kentei.tokyo-cci.or.jp/houmu/
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