行政書士試験を独学で受けようと考えている方は多くいらっしゃると思いますが、行政書士試験は範囲も広いので、勉強法も悩んでしまうはずです。
この連載「勉強スケジュール付!行政書士科目別勉強法」では、全7回を通して、学習プランの立て方から、各科目における勉強法のポイントを解説していきます。
連載には、行政書士試験に1年の独学で合格した筆者の経験から学んだポイントを、たくさん盛り込んでいるので、独学合格を目指す人の参考になるはずです。
連載第1回の今回は、行政書士試験について事前に知っておくべき内容と学習プランについて、図解を交えながらお伝えしたいと思うので、ぜひご一読ください。
行政書士試験の概要と攻略ポイント
行政書士とは、役所などに提出するたくさんの書類を、報酬をもらって当事者の代わりに作成する仕事です。
資格を取ると独立開業する道だけでなく、一般企業の法務部や総務部で、法律知識を活かしながら働くことができます。
試験は毎年11月の第2日曜日に開催され、誰でも受験可能です。
科目は6科目で、行政法、民法、憲法、商法、基礎法学、一般知識から出題されます。
回答方式は、5択から正答を選ぶ「択一式」、語群の中から選択して文章を穴埋めする「選択式」と「記述式」があり、科目によって方式は異なります。
合格するには全科目において300点満点中180点以上、かつ一般知識において56点中24点以上が必要で、毎年10%程度の合格率です。
10人に1人しか受からない試験なんて、独学でも大丈夫かな…と心配になりますよね。
でも大丈夫です!筆者も法律知識が全くない状態から独学で1年間勉強を続け、一発合格することができました。
法律に知識がない人も独学で資格は取れますので、この記事でコツをつかんで資格を目指してみてくださいね。
そんな法律初学者が試験に受かるために必要な時間はおよそ800~1,000時間と言われており、毎日2~3時間勉強するとおよそ1年間かかる計算です。
長い期間勉強することになるので、ただやみくもに勉強するのではなく、各科目の配分や勉強法を計画しておくことが大切です。
行政書士試験では、行政法と民法の出題割合が非常に高く、深い知識が問われることも多いので、この2科目に関しては勉強の割合を他科目よりも多くするのが大切です。
勉強を始める前に準備するものとは
続いて、勉強を始める前に準備すべきものを見ていきましょう。
勉強前に必ず用意しなければいけないのが「教材」ですが、関連本は数多く出版されているのでどれを選んだらいいか迷ってしまうでしょう。
ずばり、必要となる教材は以下の5つです。
それぞれの選び方を解説していきます。
① テキスト
テキストは、勉強中にわからない部分を随時確認するためにも使うので、要点だけ載っているものではなく、細かく記載されているものを選びましょう。
また、図解や色合いにより読みやすくなっているものがおすすめです。
次に紹介するオリジナル問題集と同じ出版社であれば、ページがリンクされているので、わからないときに調べやすいですよ。
② オリジナル問題集
ここでいうオリジナル問題集とは、「過去問題集」ではない問題集を指します。
「1問1答形式」と「択一形式」のものがありますが、択一形式だと1つ1つの選択肢の解説を飛ばして読んでしまう可能性があるので、1問1答形式がおすすめです。
また一般知識科目の問題がない問題集もありますが、必ず一般知識の問題が含まれているものを選びましょう。
③ 過去問題集
過去問題集は、年度別となっており過去の正答率が載っているものを選びましょう。
当時の試験で自分がどのレベルまで到達しているのかを、より詳細に確認できるからです。
④ 予想模試
出版社によって難易度が異なりますが、おおよそ3回分程度あれば、どの出版社でも問題ありません。
⑤ 記述対策用の問題集
記述式では、重要な条文や判例から出題されることが多いので、関連した条文や判例が詳細に解説されているものを選ぶとよいでしょう。
周囲に試験勉強の理解を得る
試験勉強に取り組む前には、家族などの周囲に説明して、理解を得ることも大切です。
なぜ資格をとりたいのか、どんなサポートをしてほしいのかを伝え、家族の理解を得てから勉強を始めることで、集中して勉強できる環境を維持できるでしょう。
【勉強スケジュール紹介】1年で合格レベルに到達するためのプランとは
前述した攻略ポイントと用意した教材がそろったら、学習プランを作成しましょう!
今回は筆者が作成した学習プランの図解をもとに、独学での勉強法をお伝えします。
筆者の勉強スケジュールは以下のような感じでした。
筆者提供:行政書士 科目別勉強スケジュール勉強スケジュールを3つの期間に分け、それぞれやることをご説明します。
12~3月=インプット時期
行政書士の試験は11月なので、1年間勉強する場合は、12月から勉強を開始するとよいでしょう。
勉強時間は1日平均で2~3時間は確保したいところですが、平日でできない分を休日に回すなど、それぞれのライフスタイルに合わせて時間を調整してみてください。
筆者はテキストをすべて1周するのに4ヵ月程度かかったので、同じような法律初学者の方も、12月~3月にテキストで全科目の知識を少しずつインプットするとよいのではないでしょうか。
もちろん理解が早ければ、先に進めてもかまいません。
最初はあまり理解できないかもしれませんが、まずはテキストを1周することが大切です。
特に民法と行政法は、全体像がわかって初めて理解が進んでいきます。
この序盤の4ヵ月間にどのようにインプットしていくかは、次回詳しくご紹介しますね。
4~6月=アウトプット時期
続いて4月以降は表の赤い部分、オリジナル問題集でアウトプットしていく期間です。
わからないところは、テキストを見ながら知識を固めていきましょう。
憲法、商法、基礎法学は2ヵ月程度間を開けても構いませんが、民法と行政法は重要なので、4月以降は図解のように、間を開けずに取り組んだほうがいいと思います。
ちなみに一般知識は直前に勉強しないと忘れてしまうので、10月あたりから始めて問題ないでしょう。
7月~11月=実践・応用時期
7月から過去問題集、9月からは予想模試を開始して、実践的な力を身に付けましょう。
記述式は今までの知識を活かした応用的な問題となるので、後半に取り組むことをおすすめします。
行政書士試験は範囲も広く、長い期間勉強することになりますので、ぜひ今回の学習プランの図解を参考にして、計画的に独学を進めていきましょう。
次回は、学習プランの時期に応じた勉強法を、より細かく解説します。
行政書士になるためにはたくさんの努力が必要ですが、それ以上にやりがいがあり、社会に重宝される存在になることができます。
ぜひ本連載を読んで、新しい人生に挑戦してみてくださいね!
参考URL:
https://gyosei-shiken.or.jp/doc/abstract/abstract.html
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC1000000004
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