行政書士試験を独学で受ける場合、どのような勉強法で学習すべきか悩む方は多いでしょう。
この連載「勉強スケジュール付!行政書士科目別勉強法」では、筆者が1年間の独学で試験に合格した経験を活かし、学習プランから各科目における勉強法のポイントについてお伝えしてきました。
最終回となる今回は、行政書士試験の中で唯一、基準点の制度(基準点以下で不合格となってしまう)がある「一般知識」の勉強法を解説していきます。
独学で試験に挑む中で、法令科目に比べて範囲が広い一般知識は、どの分野をどの程度勉強するべきなのか悩んでしまう方もいるでしょう。
記事内では、第1回でお伝えした1年間の学習プランをもとに、「一般知識」を独学で進めるうえでの注意事項や、試験直前の勉強法を図解入りでわかりやすく解説します。
① 目標は8問正解!基準点をクリアするプランを考えよう
筆者提供:行政書士 科目別勉強スケジュール「一般知識」一般知識は、「政治・経済・社会」から7問(28点)、「情報通信・個人情報保護」から4問(16点)、「文章理解」から3問(12点)出題されます。
行政書士試験は、全科目で300点中180点以上の得点が必要ですが、それとは別に、一般知識の科目で合計14問のうち6問(24点)以上の得点が必須となっています。
一般知識の範囲はとても幅広く、満点を目指すのはまず無理だと思うので、基準点以下を回避するために「8問正解」を目標に掲げることをおすすめします。
目指す8問正解の内訳は、以下の通りです。
「政治・経済・社会」…7問中3問
「情報通信・個人情報保護」…4問中2~3問
「文章理解」…3問中2~3問
「政治・経済・社会」は、世界の歴史から昨今のニュースまで様々な角度からの出題で1番点の取りにくい分野のため、目標を低く設定しています。
「情報通信・個人情報保護」は、IT用語や個人情報の取扱いなど日常的なものや常識的なものもあり、出題範囲がある程度限定されるため、4問中半分の2問はとりたい分野です。
「文章理解」は、文章の並び替えや穴埋め問題が出題されますが、知識ではなく解き方を覚えれば正解できることが多く、一般知識の中ではいちばん点の取りやすい分野であるので、全問正解を目指しましょう。
② 教科書は見るべきポイントを押さえよう
先述の学習プランの図解でもわかるように、一般知識は、ほかの科目より勉強時間を短く設定しています。
一般知識は、多くの時間を割いて広範囲を深く勉強するよりも、前述した目標点を目指し、確実に取れるところを重点的に学習するという勉強法がおすすめです。
図解では3月を教科書の読み込み期間としており、その際のポイントがあるので解説します。
まず「政治・経済・社会」の分野は、ざっくり見る程度でよいでしょう。
特に過去の歴史についてはどこから出題されるか見当がつかないので、教科書に関してはさらっと目を通せばよいです。
ただしこの分野は、世界的に取り上げられているニュースが問題に出やすいため、実はヤマをはりやすい傾向にあります。教科書だけでなくニュースを日ごろから注意して見ることも、試験対策としてやってみてください。
一方「情報通信・個人情報保護」は、教科書をしっかり読み込むことが大切です。
この分野では、IT関連の単語や条文に使われている言い回しの意味さえ分かれば解ける問題があるので、本連載の第2回でも述べた「単語カード」の活用もおすすめです。
筆者は、「サーバ(サービスを提供している企業側のコンピュータ)」、「ストレージ(記憶装置の総称)」などをカードに書いて覚えていきました。
「文章理解」は、教科書内で解き方を教えているケースがほとんどです。
ここを飛ばしてしまう方も多いのですが、解き方を知ったうえで過去問題や予想模試を取り組めば、実力をつけられます。教科書の解き方をみながら問題文をみていけば、安定して2~3問を解けるようになるでしょう。
③ 試験直前は予想模試を重点的に!
7月からは全ての科目の過去問題を進める期間で、9月以降の直前期になると予想模試にも手をつけていくことになります。
ここで一般知識において大切なのは、「過去問題よりも予想模試の解説を重点的にする」ことです。
民法や行政法などは、過去に出題された論点がそのまま出題されるケースも少なくありませんが、一般知識においては、過去のものがそのまま出題されることはまずありません。
そのため行政書士試験対策のプロである出版社が予想した問題集を解いたほうが、確率としては当てやすいといえるのです。
直前期は、配点の高い他の科目にも学習時間をしっかり割きたいので、むやみに過去に取り上げられていたニュースや論点を掘り下げるのは避けましょう。
今回のまとめ
今回お伝えした「一般知識」の勉強法のポイントを再度図解で確認してみましょう。
行政書士 科目別勉強スケジュール「一般知識」勉強法まとめ一般知識は、確実に取りたい分野と取れればラッキーな分野が混在しているので、上記図解を参考に分野ごとに勉強法を分けて学習を進めていくとよいでしょう。
さて、7回に渡りお送りしました連載「勉強スケジュール付!行政書士科目別勉強法」は、今回で終了となります。
行政書士試験に独学で挑むには、長期間の試験勉強でも挫折しない学習プランの作成と、科目ごとに適した勉強法の活用が大切です。
独学で行政書士試験に挑む方は、この連載をぜひ参考にしてみてください。
そして、行政書士として輝ける未来が来ることを願っています!
無料登録でオンラインの資格講座を体験しよう!
資格受け放題の学習サービス『オンスク.JP』では様々な資格講座のオンライン学習が可能です。
最短20秒の無料会員登録で、各講座の講義動画・問題演習の一部が無料体験できます。
※自動で有料プランになることはありません。
関連する記事が他にもあります