行政書士試験を独学で受ける場合、どのような勉強法で学習すべきか悩む方は多いでしょう。
この連載「勉強スケジュール付!行政書士科目別勉強法」では、筆者が1年間の独学で試験に合格した経験を活かし、学習プランから各科目における勉強法のポイントについてお伝えしていきます。
前回までは「行政法」「民法」「憲法」の科目別勉強法を解説しました。今回は、行政書士試験の中でも配点が少なく、進め方に困ってしまいやすい「商法」と「基礎法学」の勉強法を解説します。
1年の勉強期間を3つに分けて、各期間の勉強法について図解を交えながらお伝えするので、独学勉強での受験をお考えの方はぜひご一読ください。
① 教科書は一通り目を通すようにしよう
筆者提供:行政書士 科目別勉強スケジュール「商法」「基礎法学」「商法」と「基礎法学」の勉強では、それぞれの教科書を一通り読むことから始めましょう。期間は、それぞれ1ヵ月ほどとっておくと良いです。
独学における行政書士試験の勉強法では、よく「商法と基礎法学は配点が低いから勉強しない」という話を耳にします。
確かに配点は、以下表にあるように、行政書士試験300点満点中、商法と基礎法学を合わせても28点と、全体の10 分の1以下の割合です。
【商法】(正確には商法の5問の中に会社法も含まれていますが、本記事では商法としてまとめています)
「択一式」 (5択から正答1つを選ぶ) |
5問(1問4点): 20点 |
【基礎法学】
「択一式」 | 2問(1問4点): 8点 |
しかし法律初心者から1年の独学で合格した筆者は、「商法と基礎法学を捨てる選択肢はない!」と確信しています。
なぜなら、この2科目で得られるはずであった数点を他の科目で補えるほど、行政書士試験は甘くはないからです。
配点の高い民法や行政法で安定して高い点数を取るには、商法や基礎法学のような配点の低い科目も、ある程度解けるようになっておかなければなりません。
商法と基礎法学に時間をかけることに悩む人もいるかもしれませんが、配点の高い科目を支える大切な科目であることは間違いありません。しっかりと時間を確保して進めましょう。
配点の高い科目は多くの時間を割けるよう、ご紹介している学習プランの図解には組まれているので、安心してくださいね。
② 深追いする項目は取捨選択しよう
学習プランの図解では4月から問題集を解き始める時期となりますが、4月中は憲法の問題集を解く期間であるため、商法と基礎法学は5月~6月にかけて解いていくとよいでしょう。
先ほどもお伝えしたように、商法と基礎法学は配点が多くないため、一般的な問題集でも問題数は多くないと思いますが、まずは取り組んでみてください。
このときわからない問題があっても、すべてを深追いして教科書を見返すのはあまり効率的な勉強法とはいえないので、注意しましょう。なぜなら行政書士試験では、特に配点の多い民法や行政法になるべく時間を割きたいからです。
深追いすべき項目を取捨選択し、余った時間は大事な科目に充てるというやり方がよいでしょう。
商法は「設立」「株式」、基礎法学では「法令用語」の分野がよく出題されやすく、法律初学者でも点数のとりやすい項目が多いです。取捨選択の参考にしてみてくださいね。
③ 直前で点数が取れなくても意識しすぎないこと
6月末には商法と基礎法学の問題集も一通り解き終わるので、7月以降は過去問題や予想模試を使って実力をつけていく期間です。
過去問題や予想模試でも、商法と基礎法学の問題は大量に出るわけではないので、正答率にばらつきが出やすいです。筆者も全問不正解となり、とても落ち込んだ経験があります。
しかしここで大事なのは、「点数がとれなくても意識しすぎないこと」です。
点数がとれないことが続くと、「商法や基礎法学の勉強にもっと時間を割いたほうがいいのかな…」と思ってしまう人もいるでしょう。
しかし7月以降は、他の配点の高い科目を重点的に勉強する必要があるので、この2科目に多くの時間を使うのは適切ではありません。
不正解だった問題の解説を読んだり、ノートにまとめたりするのはよいですが、1から教科書を見直すことは避けましょう。
ノートにまとめるなら、解説を読んでわからなかった部分のみを切り取って、箇条書きで書いてください。書き方は、本連載の第2回で説明しているので、ぜひ読んでみてください。
今回のまとめ
今回お話しした、商法と基礎法学の勉強法のポイントを図解でまとめました。
行政書士 科目別勉強スケジュール「商法」「基礎法学」勉強法まとめ
商法と基礎法学の科目は、配点が少ないので捨て科目とする人もいますが、筆者的には他科目の土台となる知識もあるため、適切に勉強しておきたい科目と考えます。
独学で資格勉強をする場合、全体像は意識しつつも、すべての項目を深追いすることは避け、ある程度見切りをつけながら学習していくとよいでしょう。
今回解説したポイントを参考に、時間の配分にも気を付けてみてくださいね。
さて連載最後となる次回は、行政書士試験の科目の中で唯一、基準点の制度(基準点以下で不合格となってしまう)がある「一般知識」の勉強法を、図解入りで細かく解説します。
法令科目と比較して勉強範囲も幅広くなるので、ぜひ次回の記事で効率的な勉強法を学んでみてくださいね。
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