こんにちは。
連載「中国語能力検定『HSK』3級の魅力とは？」、前回、前々回とHSK3級の試験についてご紹介してきました。
HSK3級を取得したらまずはぜひ旅行に行ってみてほしいと思いますが、3級の次は4級を目指す人もいるかと思います。
せっかくなら仕事で活かしたい！社内でポジションアップしたい！スキルアップしたい！と思う方も多いでしょう。
専門的な業界へのアピールは4級からですが、中国語圏の人とやり取りをする一般的な企業にとっては、3級取得も積極的な姿勢と評価されます。
通訳など語学がメインのプロを求められるケースは除きますが、中国語ができる人材を欲しがるのはグローバル企業が増えた今、特殊な業界だけではありません。
今回は中国語が役立つ就職・転職事情について、筆者の経験を振り返りながら紹介したいと思います。
HSK3級でも就職/転職でアピールできる？
HSK3級でも就職/転職でアピールできるのか、答えは「もちろん！」だと私は思っています。先ほども書きましたが、中国語人材を求めている業種、会社は意外と多岐にわたるのです。
ぱっと思いつく業界としては商社や海外インフラ系が出てくるかと思いますが、それ以外にも、海外にシステム構築を外注しているIT会社や、中国商品が多い現在では中国からの輸入を取り扱う貿易会社、輸入に係る物流会社、インバウンドが盛況な旅行会社やツアーガイド、大学などでの外国人留学生対応窓口、海外にも拠点を持っているリサーチ会社などなど……。
でも、意外と会話する仕事って多くはありません。日本では中国語の文章を読み書きする仕事のほうが圧倒的に多いのです。また、書類など中国語を読めればOKというケースもあります。
大手就職/転職サイトの求人を見てみれば、どんな中国語人材が求められているかわかります。いろいろ調べてみるとよいでしょう。
HSK3級が就職/転職に有利な点
企業が新卒採用する際、学生を卒業したばかりの人に完璧を求める企業はあまりないと思います。これから伸びそうだな、将来有望だなと思って採用するわけです。
そのため、就職の時点で満点や高得点でなくてもよいのです。
今はまだ流ちょうではないけれど、中国語を勉強しています、HSK3級までは取得しました、と就職の面接時に伝えれば、やる気と実行力を示すことができます。
また、徐々に中国語を使用する業務をスタートさせたような会社だと、即戦力じゃなくてもよいとされる場合もあります。
これは就職だけに限らず、転職でも同じです。
目標設定をしてきちんと実行（勉強）し、HSK3級を取得した、というやる気が伝わればOKなケースも結構あります。
HSK3級を取得したということは、ビジネス中国語のスタート地点に立ったわけです。例え中国語を使った実務経験がなくても、経歴や本人の仕事に向かう姿勢という点において、評価されうると思います。
面接時に「中国語＋●●」を謳えると可能性が広がりますので、自分の中国語以外のスキルを見直して、それに中国語能力を加点し、ぜひアピールしましょう。
中国語だけだとライバルはたくさんいますが、業界や自分のパーソナルスキルと組み合わせることで自分の価値を高めることができますよ。
筆者の転職活動
ちなみに筆者は現在、IT会社の中国語窓口で働いています。メールや資料の翻訳以外に電話も受けますが、中国語での会話を必要とする業務についたのは初めてです。
前職は、「中国語の読み書きができる人」というゆるい条件がついていたリサーチ会社のカスタマーサポートです。 海外からの問い合わせがメールで入ってくるのですが、それに対しての膨大な回答例を持っていて、その該当回答を探し出し、一部を書き換えればよいという業務でした。
そこでしばらく働いたあとに、中国語カスタマー対応としての経験をキャリアに付け加え、現在のIT会社に転職しています。私の場合は「中国語＋IT専門知識」が強みです。
システムエンジニアやWEB関連の仕事をしている人で中国語を理解できる、という人はそんなに多くありません。
自分の得意な分野＋中国語で、転職だけでなく、希望部署への異動などステップアップも見込める可能性があります。
HSKは1級（初級）から6級（上級）まであります。
まだ3級…と思う人もいるかもしれません。
しかし、ビジネス中国語のスタート地点に立っているだけで、中国語をまったく知らない人との差は大きくついています。
コミュニケーションが取れるようになって、そして今後もっとビジネスで活かせるようになったら素敵ですよね。
HSK3級を取得した、という事実だけでなく、そこに向けてがんばった自分にも自信がついて、前向きになれることと思います。
次回はHSK3級に合格するための勉強時間についてお話ししたいと思います！
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