初めまして、インテリアコーディネーターの上羽 恭子です。
この連載「実録!インテリアコーディネーターのお仕事」では、ズブの素人であった私が資格を取得し、住宅リフォームのインテリアコーディネーターとして働いた体験談や業界について語っていきたいと思います。
インテリアコーディネーターの仕事ってオシャレでカッコいいイメージだけど、それって本当?そんな疑問も、全4回の記事を通じてわかっていただけると思います。
第1回の今回は、インテリアコーディネーターの仕事についてと、おすすめしたいポイントをご紹介します。
インテリアコーディネーターってどんな仕事?
インテリアコーディネーターの資格を取ったら、どのような職業に就けて、どのような仕事ができるのでしょうか?一部を紹介していきます。
新築住宅(戸建て分譲住宅)の販売会社
インテリアコーディネーターの資格を取ると、田んぼなどを開発・宅地して、新築住宅を建てて販売する会社で働けます。
戸建て住宅の床材・壁紙・ドアの色・キッチンの扉色等を含め、住宅全部の仕様を決める仕事がメインです。ほかにも、照明器具やカーテンの提案などもします。
住宅を一から作ることに携われるので、家好きの人におすすめの職種です。
住宅設備メーカーのショールーム
キッチン・バス・トイレ・洗面化粧台などの住宅設備を扱うメーカーでも働けますよ。
それぞれの商品をお客様に合わせて計画し、お客様の希望する設備の図面を作成し提案する仕事です。
家具、雑貨などのインテリア商品販売店
ソファやダイニングテーブルなど、大きくインテリアを構成する家具を取り扱うお店や、クッションや器などのインテリア小物雑貨を販売するお店などでも活躍できるでしょう。
商品をお客様に合わせて選び、販売する仕事がメインです。おうちの中のインテリアを考えるのが好きという人は、向いているかもしれませんね。
上記の職業以外にも、私が働いている住宅リフォーム会社、インテリアコーディネート会社、設計事務所等、住居に関わる多くの場所で活躍することができます。
インテリアコーディネーターの仕事実例を見てみよう!
インテリアコーディネーターと一口に言っても、先に紹介したように仕事の種類は様々です。ここでは、住宅リフォーム会社で働く私の仕事内容を紹介します。
住宅リフォーム会社は、お客様の要望を聞くヒアリングから始まり、解消するための提案、リフォームプラン決定後の図面作成があります。以下、順を追って詳しくお話ししましょう。
① ヒアリング
最初にするのが、お客様へのヒアリング。ご来店されたお客様にどのような要望があるかしっかりお聞きする事は、とても大切な仕事の一部です。
例えば、キッチンを含めLDKに不満を持ち、改装したいと考えているお客様がご来店された時、具体的にどのように不満を感じているかお聞きすることから始めます。
「収納が少なくて片付かない」「キッチンにいる時はLD(リビングダイニング)にいる家族と対話ができない」といった体で感じることから、「シンプルでモダンな空間が好きなのにどうやって家具やキッチン、床材、カーテン等を組み合わせたらよいかわからない」といった目で見て感じる話など、内容は様々。それらをじっくりと聞きながらメモします。
この業務をおろそかにすると、その後の図面やパース(室内を立体的に描いた絵図)を描く時にお客様の要望と違う提案をしてしまうので、できるだけ詳しく掘り下げてお聞きします。
② アドバイスと図面の作成
ヒアリング業務でお聞きした不満や不便さを、具体的にどう解消するかアドバイスすると共に、お客様のご要望を具体的に形にしていきます。
「収納が少なくて片付かない」→「デッドスペースをうまく利用して収納スペースを確保する」、「キッチンにいるとLDにいる家族と対話ができない」→「LDのスペースを考えながら対面型のキッチンの配置にする」等 が一例です。
またインテリアイメージは、床材や建具、壁紙、カーテン、照明などの商品のサンプルやカタログを提示し、平面図・展開図・パース図でわかりやすく伝えるボードを作成します。
そうすることで、お客様と自分のインテリアイメージにズレがないか確認し、より具体的にリフォーム後のイメージを膨らませていくのです。
筆者作成パース図
③ 現場図面づくり
筆者作成展開図
お客様と打ち合わせした最終の内容の平面図・展開図等を現場に反映できるよう、サイズを明確にした図面を作成します。
ここでいう図面とは、インテリアコーディネーター2次資格試験の中で学ぶ平面図・展開図などのことで、建築士が作る、構造を考えた柱や筋交いなど構造がわかる図面とは違います。公的な場所に出す図面ではないので、誰もが見てわかる図面です。
ここは正直、私が一番苦手な仕事の部分です。
工事が始まり現場を解体してからの状態で、図面内容が日々変わることがあるので、その都度修正しなければなりません。
現場は、解体屋さん→水道屋さん→大工さん等、日々違う職人さんが入り動いています。そのため、図面が遅れると職人さんや現場監督に怒られるだけでなく、間違って施工してしまいます。そうならないためにも常に対応しないといけないので、大忙しです。
このように、たくさんの工程で様々な人とやり取りをした後、実際におうちが完成し、最後に引き渡して終了になります。
実際に図面を作るだけでなく、いろんな人とのやり取りなど、工程も多くとても大変な仕事ですが、自分の提案したものが実際に完成して、お客様に喜んでいただけることは、とてもやりがいがありますよ。
インテリアコーディネーターの仕事は、お客様と打ち合わせしたことをいかに正確に現場監督に伝え、形にしていくかが大切な業務の1つです。
私は仕事を進めていく中で、現場の進め方・構造図面の作成等すべてを自分で理解して進めたくなったので、後に二級建築士や宅建の資格を取得しました。
そうすることで自分の仕事の幅も広げ、お客様に寄り添った住宅専門家になれると思ったからです。
これらの資格がどのように役立ったかは、また別の回でお話ししたいと思います。
インテリアコーディネーターのおすすめポイント
インテリアコーディネーターを目指す方や受験生の方は、インテリアや建築が好きな方が多いかと思います。
そんな皆さんに、この仕事をおすすめするポイントを紹介します。
おすすめポイント① やりがいと達成感がある
インテリアコーディネーターのメインの仕事は、お客様に、キッチンやバスなどの設備機器、床材、ドア、壁紙、カーテン、照明などの空間を構成している商品を、希望に合わせて選びご提案&アドバイスすることです。
お客様により心地よく生活いただくために、お好みのインテリアを一緒に創り上げる仕事は、インテリアコーディネーターにとっての腕の見せどころといえます。
センスの良し悪しが問われる部分でもありますが、提案がお客様に採用された時は充実感に満たされた気持ちになります。
仕事にやりがいを求める人には、おすすめできる一番のポイントかもしれません。
おすすめポイント② 継続したお付き合いで次に繋がる
次のおすすめポイントは、お客様と永いお付き合いができることです。
例えば工事を依頼いただいたお客様とは、共につくりあげた期間が長い程、親密な関係になります。そのため信頼関係が生まれ、新たな仕事の依頼をいただくことも。
自分自身の提案を認めてもらい喜んでもらったうえに、さらに次に繋がることもあるなんて、このうえない喜びになるのではないでしょうか。
おすすめポイント③ 最新情報が早くキャッチできる
この業界にいると、新しいキッチンなどの商品を、一般のお客様より早くショールームで見て触れることができます。また壁紙やカーテンなどの素材についても、最新の情報を早くキャッチできます。
インテリアに興味がある人には、大変うれしいポイントですよね。
筆者作成3Dパース画像
インテリアコーディネーターの仕事内容についてご紹介しました。今回取り上げた仕事内容やおすすめポイントは、ほんの一部です。
残り3回は、インテリアコーディネーターの私自身が体験したことや業界全体について、わかりやすくお話ししていきます。
また、後に取得した二級建築士・宅建の資格がどのように役立ったかも、次回以降で紹介できればと思います。
インテリアコーディネーターに興味がある皆さんが、インテリアコーディネーターの仕事を身近に感じてもらえたら嬉しいです。
次回は具体的なリフォームの事例を挙げながら、インテリアコーディネーターの仕事の大変なところ、大変だけどやりがいを感じるところなどについてお話しします。
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