こんにちは、インテリアコーディネーターの資格取得後、リフォームのコーディネーターの仕事に従事、23年目を迎える上羽 恭子です。
この連載「実録!インテリアコーディネーターのお仕事」では、インテリアコーディネーターの実際の仕事のいろんなことについて、詳しくご紹介しています。
前回は、インテリアコーディネーターの仕事内容についてお話ししました。
第2回の今回は、インテリアコーディネーターの仕事の大変なところ、大変だがやりがいの感じるところについて、わたしの体験談を通じてお話しさせていただこうと思います。
インテリアコーディネーターのやりがいは?
プランや提案が採用される
どの職種のインテリアコーディネーターにも共通する点は「お客様に提案する」という点です。
インテリアコーディネーターの知識をめいっぱい活かして提案したものが、お客様に受け入れられたときは、とてもうれしくてやりがいを感じられるでしょう。
実際私自身も、お客様と出会い不満や希望を聞き、計画を作成するときは、かなり試行錯誤しながら形にしていきます。
リフォームして満足してもらえるために、それぞれの家族の行動時間や動線、ライフサイクルを頭に入れ間取りを考え、分かりやすく平面図・展開図・パース(完成予想図)を作成して提案しないといけません。
かなりのエネルギーを使って検討、図面作成するので、採用された時は最高にうれしく、最もやりがいを感じる瞬間です。
イメージしていたものが形になる
採用された提案が形になったときも、喜びとやりがいを感じられると思います。
頭の中にあるイメージをお客様に伝えるため、プレゼンや打ち合わせを重ね、採用された自分の努力が形になる…。これは、インテリアコーディネーターの仕事の醍醐味ではないでしょうか。
私の場合ですが、お客様と打ち合わせを重ねて共に造り上げた空間は、平面図やパースでなんとなくは想像できていても、実物は迫力が違うため、完成時は喜びもひとしおです。
できあがったものを見た瞬間のときめきは、ほかの何物にも代えられません。
技術や知識を認めてもらえる
どんな場所で働くインテリアコーディネーターでも、知識を高め、常に良い提案やお客様のニーズに合った商品を勧められるよう、努力します。
その結果、お客様がその技術を認め、知識を受け入れてくれたときは、やりがいと喜びを感じることができるでしょう。
私自身も、お客様の不満を解消するための手段をアドバイスした際、納得し信頼していただいたときは、自分の知識を認めてもらえたことにやりがいと喜びを感じます。
筆者作成手描き平面図
インテリアコーディネーターとして働いてみて大変だったこと
プランがなかなか採用されない
インテリアコーディネーターがお客様のために懸命に考えたプランは、全てが採用されるわけではありません。
いくらお客様の希望や不満に耳を傾け、インテリアコーディネーターの知識をふんだんに織り込んでプランを作ったとしても、予算に合わなかったり、お客様の意図のくみ取りが不十分だったりすると、プラン採用にはならないのです。
なかなかプランが採用されないときは、本当に大変だな…もう無理かも…と思う瞬間もありますが、ここでお客様のため、自分のためにどこまでがんばれるかが大切になります。
経験値も必要
インテリアコーディーターには、資格を取って知識があるだけでは足りない場面もでてきます。それが経験値です。
資格取得のために文字だけで知識を覚えた後、さあ!実践となっても、すぐに結果には結びつかないことも多いと思います。
資格を取った後、たくさんの素材やモノに実際に触れて、たくさんの人とコミュニケーションを取っていくことが、少しずつ結果につながっていくと思うからです。
インテリアコーディネーターの仕事に就いたばかりだと、なかなかうまくいかないということもあるかもしれません。
しかし、この経験が自分の力になる…!と思考を転換してがんばれるようになるといいのかなと思います。そうすれば、お客様の希望するモノが理解でき、ニーズに合ったモノを提案することができるようになってくるはずです。
常に勉強し続けること
私の場合ですが、リフォームの規模はある程度大きくなると、新築と変わらない金額になることがあります。大きなお金を任されるには、“この人なら”という信頼がなければご依頼いただけません。またその信頼を得るためには、価格とお客様の希望にあったプランの作成能力が無いと難しいです。
そのためにはコーディネート能力だけでなく、商品知識や価格の認識等、幅広い知識を身に付ける必要があり、その勉強こそが、とても大変さを感じる部分だと思います。
【体験談】プランは採用…でもほかの会社に
リフォームの知識を多く持っていなかった頃、お客様の事を一心に考え作りあげたリフォームプランを、他のリフォーム会社にそのまま持っていかれて工事依頼をされたことがありました。もちろん、私に受注はありません…。
当時私は、ヒアリング・現場調査・提案を全て1人で行っていたため、お客様は「この女の人1人に全ては任せられない・・・でも、リフォームプランはいい、だから他の業者さんで・・・」という思いだったのだと思います。
しかし、お客様の家族全員の動線やライフサイクルを考え尽くしたベストプランを他に持って行かれたことには、とても悔しい想いでいっぱいでした。
それからは、自分には何が足りないのだろう…と考える日々が続きました。
そしてある日、信頼を得るには資格と経験しかないと考え、二級建築士の資格を取得しようと決意したのです。ひたすら勉強し経験を積み、それから2年後には他にプランを持って行かれることは無くなりました。
この時の悩みは深くとても大変な日々でしたが、悩んでいても解決しないので、わたしは資格を取得してスキルアップするという道を選びました。
働くうえで大変なことはきっとあると思いますが、常に前を向き続ける気持ちを持つことが大切なように思います。そうすると、きっとなんとかなるはずです!
インテリアコーディネーターに向いている人って?
ここでは、どんなタイプの人がインテリアコーディネーターに向いているのか、私なりに考えてみました。
聞き上手な人
インテリアコーディネーターに向いている人は、聞き上手な人だと思います。
お客様の不満や要望をよく聞くことは、インテリアコーディネーターにとって一番大切なこと。全てそれを基に計画を立てていくからです。
今、お客様が何を不便に思い、何を不満に思われているのか…、そしてどのようにしたいのか、どのようなモノがお好みなのか…。
インテリアコーディネーターは、お客様の発する言葉からさまざまなことをくみ取り、それらを中心に間取りを考えたり、素材や商品を選んだりします。
そのため、聞き上手でお客様のニーズを細かにくみ取れる人がインテリアコーディネーターに向いていると思います。
インテリアが好きな人
当たり前のことですが、インテリアが好きで興味がある人がインテリアコーディネーターに向いていると思います。
インテリアの仕事は華やかなでカッコイイ印象ですが、決してそれだけではありません。知識不足で恥をかくことも、技術不足で言いたいことが表現できないなどの悔しい思いもします。
ただ、そんな落ち込んだときでも、インテリアが好きならば、これも勉強と前向きにとらえることができ、諦めることが少ないと思います。なんにせよかもしれませんが、“これが好き”という気持ちは大切にしていきたいですね。
人のためにがんばれる人
どんなことでも、人のためにがんばれる人はインテリアコーディネーターに向いている人だと思います。
インテリアコーディネーターは、提案しても受け入れてもらえなかったり、うまくいかなかったりすることも多くあります。
また、金額が折り合わなかったり、難しい問題に直面したりして、お客様の希望を叶えることが難しい時もあるでしょう。
そんなとき、人のためにがんばれる人なら、利益や事情だけにとらわれず、どうすればお客様が一番ご納得いただけるか?という視点でがんばれると思います。
そういう気持ちで仕事に取り組むことで、結果、お客様の満足へつながり、それがまた自分の達成感ややりがいにもつながると思います。
筆者作成3Dパース画像
今回は、インテリアコーディネーターの仕事のやりがいと大変さについてお話ししました。
インテリアコーディネーターの仕事は大変なこともありますが、やりがいも多く、人とのつながりを感じられます。
仕事にやりがいを求める人におすすめの職業だと思うので、ぜひ取得をめざしてみてはいかがでしょうか。
次回は、インテリアコーディネーターの求人状況や給料、年収・勤務時間をテーマに、皆さんが興味のある実働やお金の部分をご紹介させていただきます。お楽しみに!
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