数学・数字に関する面白い話や、役に立つ話をお伝えしている「数学おもしろコラム」の第6回です。
第5回では、倍数の個数の問題を解きました。
今日は、図形の問題にチャレンジしてみましょう。
ポイントは補助線です。
どこに引いたらよいか考えてみましょう。
まずは、よく見かける問題です。
問題1
直線ℓと直線mが平行のとき、角xの角度を求めましょう。
考え方と答え
平行線に交わる直線の同位角と錯角(下図参照)は等しいですね。
でも、直線ℓと直線mに交わる直線はないので、もう1本、直線ℓと直線mに平行な線を、下図のように引きます。
直線は180°なので、180-150=30°
平行線に交わる直線の錯角は等しいので、70°の角の上の部分は30°です。
下の部分は、70-30=40°
角xは、この角の錯角なので、∠x=40°が答えですね。
次は少し難しくなります。
問題2
次の長方形の面積を求めましょう。
考え方と答え
直角三角形があるなら、定番の三平方の定理(※)と考えますね。
※直角三角形の直角をはさむ2辺をa、bとし、斜辺をcとすると、a2+b2=c2 となること。ピタゴラスの定理。
でもこの問題はもっと簡単に解けるのです。
下の図のように2本の補助線を引いてみましょう。
1本は長方形の横に平行な線です。
まずは、影をつけた部分に、底辺が6+14=20(cm)で、高さが10cmの三角形ができますね。この面積は、
です。
引いた平行線から上にも長方形ができ、三角形の1辺がその対角線となり、対角線の上下の面積は等しくなります。
同じように、下の長方形の対角線の上下の面積は等しいから、問題の長方形の面積は影を付けた部分の2倍になります。
よって、長方形の面積は、100×2=200(cm2)です。
補助線を2本引けば、簡単に解けますね。
問題3
次の長方形ABCDは面積が440cm2で、BF:FC=3:1、DG:GC=1:1です。
四角形AEGDの面積を求めましょう。
考え方と答え
補助線を引いて、中点連結定理(下図参照)、相似の比(※)を使います。
※2つの相似な図形の対応する辺の長さの比
まずは、下の図のように補助線を引きます。
まず三角形AGDは、長方形ABCD面積の1/4なので
次に三角形AEGの面積を求めます。
三角形ABGの面積は、
三角形ABGと三角形AEGで、辺BGと辺EGを底辺と考えると、高さが同じなので、底辺の比が、面積の比となります。
よって、BGとEGの比を求めます。
三角形EBFと三角形EGIは相似です。
BF:FC=3:1=6:2です。
中点連結定理より、HI:BF=1:2=3:6です。
また、BCとHGの長さは等しいので、HI:IG=3:5です。
三角形EBFと三角形EGIは相似なので、対応する辺の比は等しく、BE:EG=BF:GI=6:5です。
三角形AEGの面積は、
よって、四角形AEGDの面積は、
三角形AGD+三角形AEG=110+100=210(cm2)です。
中点連結定理と相似の比を使うので、難しかったですね。
この問題でも、解法の第一歩は補助線です。
問題が解けないときは、いろんなところに補助線を描きこんで考えてみましょう。
では、次回から統計学の紹介です。
第7回は、統計学は何の役に立つ?です。
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