数学・数字に関する面白い話や、役に立つ話をお伝えしている「数学おもしろコラム」、最終回です。
今日は、確率と集団調査についての話をご紹介します。
6種類のおまけを集めるには何個買う必要がある?
確率の問題
お菓子についているおまけを食玩といいます。
プロ野球カードや仮面ライダーなどのカード類から、動物やキャラクターのかなり精巧な模型もありますね。
子供だけでなく大人もマニアは多いです。
実際のおまけでは、レアなものがあり、含まれている割合はものによって様々です。
ここでは、6種類のおまけがあり、含まれている割合は同じとして、平均いくつ買えば6種類のおまけを集められるかを考えてみましょう。
考え方
最初の1種類は、1個お菓子を買えば、必ず手に入れることができます。
1個お菓子を買ったときに2種類目を手に入れられる確率は、6種類の中の5種類だから、5/6です。
逆に考えると、2種類目のお菓子を手に入れるまでに買わなければならない個数は、平均6/5=1.2(個)です。
1個お菓子を買ったときに3種類目を手に入れられる確率は、6種類の中の4種類だから、平均4/6です。
3種類目のお菓子を手に入れるまでに買わなければならない個数は、6/4=1.5(個)です。
1個お菓子を買ったときに4種類目を手に入れられる確率は、6種類の中の3種類だから、平均3/6です。
4種類目のお菓子を手に入れるまでに買わなければならない個数は、6/3=2(個)です。
1個お菓子を買ったときに5種類目を手に入れられる確率は、6種類の中の2種類だから、平均2/6です。
5種類目のお菓子を手に入れるまでに買わなければならない個数は、6/2=3(個)です。
1個お菓子を買ったときに最後の6種類目を手に入れられる確率は、6種類の中の1種類だから、平均1/6です。
6種類目のお菓子を手に入れるまでに買わなければならない個数は、平均6/1=6(個)です。
答え
よって、6種類全部のお菓子を手に入れるまでに買わなければならない個数は、
1+1.2+1.5+2+3+6=14.7(個)
です。
6種類あるから6個ではなく、約15個買うと、全部そろえられます。
でも、実際にはレアなおまけがあるので、普通は全部集めるのはもっと大変になります。
湖にすむ魚の数を調べるには?
次は調査のお話です。
湖にすむ魚の数を調べるには、どうすればよいでしょうか。
1つの方法に、標本調査があります。
標本調査とは、調べたい対象の一部分を調査して、全体の傾向を推測する方法です。
例えば、テレビの視聴率は、全国27地区で調査しています。
関東地区では900世帯、関西地区と名古屋地区はそれぞれ600世帯の調査です。
関東地区には、約1800万世帯ありますが、調査しているのはたったの900世帯なんです。
調べる全体を母集団、実際に調べたものを標本といいます。
それに対して、国勢調査のように全員を調べるのを全数調査といいます。
話がそれてしまいましたが、湖にすむ魚の数を調べる問題を考えてみましょう。
問題
湖の何か所かで、生きたまま魚を捕まえます。
捕まえた魚が2000匹だったとします。
その魚全部に印をつけて、湖に戻します。
2週間後に、同じようにして1800匹の魚を捕まえました。
このとき、印をつけた魚が90匹混じっていました。
さて、この湖には何匹の魚がいるでしょうか。
考え方
2週間後に捕まえたときに、印がついた魚の割合は、90/1800=1/20です。
逃がした魚がまた湖に均等に広がったと考えると、最初に逃がした2000匹の魚が全体の1/20だと考えられます。
答え
よって、湖の中には、
2000÷1/20
=2000×20
=40000(匹)
いると推測できます。
同じ考え方を使って、例えば白い玉がたくさん入った入れ物があるとき、簡単に玉の数を推測するためには、ある数の黒玉を入れて、よくかき混ぜて、そのあとに100個程度の玉を取出し、黒玉の割合を数えれば、白玉全体の数を推測することができます。
標本調査を使えば、一部のデータから全体を効率よく推測できます。
でも、健康診断や国政調査のように、全員を調べる全数調査をしなければならないものもあります。
クラスの一部の人を調べて健康だからいいわけではありませんね。
ほんの一部の病気の人を調べるために、健康診断が必要ですものね。
これで、統計学の話はおしまいです。
「数学おもしろコラム」におつきあいいただき、ありがとうございました。
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