「社労士」というと、どのような人をイメージしますか?法学部卒、行政や人事部の出身者等が頭に浮かぶのではないでしょうか?
ところが、私を含め、社労士となる人の背景は様々です。合格者の出身学部は法学部に限られませんし、実務未経験者、異業種出身者はたくさんいます。
この連載「ワーママおすすめ!社労士というお仕事」では、知識ゼロ・実務未経験のワーキングマザーが、なぜ社労士を目指し、どんな勉強法で合格したかを紹介するとともに、働き方、やりがいや将来性について語ります。
ぜひ、働くママが今後のキャリアアップを考えるうえでの参考にしてみてください。
連載「ワーママおすすめ!社労士というお仕事」
- 第1回 社労士になったきっかけ|原動力は「職場の●●」
- 第2回 社労士になるメリット3つ
- 第3回 社労士はどう役に立つ?仕事のやりがいとは?
- 第4回 社労士の今後の展望、働き方、求人事情
- 第5回 社労士と相性の良い資格7選
社労士受験のきっかけは上司の信じられないひと言
「社労士を目指したきっかけは何でしたか?」
社労士になると、様々な場面でこの質問をされます。そして、この問いに対する社労士の答えは、かなりの確率で「実はブラック企業勤めだった」等の苦労話であるように思います。
私の場合も、やはり例外ではありません。大学卒業後に職員として入社した某受験予備校で、プチマタハラに遭ったことが、社労士を志すきっかけとなりました。
マタハラ(マタニティーハラスメント)とは、職場などでの、妊娠・出産に関するいやがらせのことです。
マタハラ防止措置が法律上の事業主責任となった2017年以降、ワーキングマザーに対する支援は格段に進んでいます。
しかし、私が就職した2005年当時、小さな子を抱えて働く母親は、まだまだ職場で肩身の狭い思いをしていました。
あらゆるマタハラ体験のうち、特に印象に残っているエピソードは、子どもの看病で自分の有給休暇を使い切ってしまい「子の看護休暇」を申請しようとしたときのこと。
子の看護休暇とは、小学校就学前の子どもが病気になったときなどに取得できる休暇のことです。2005年施行の改正・育児介護休業法で義務化されています。
そんな休暇の存在さえ知らない上司に、「介護休業(誰も介護休業とは言っていません…)なんて、簡単に取れると思うな!」と叱責されたのです。
今でこそ信じられないような話ですが、当時、本社の人事部を経由してようやく話を通してもらう始末でした。
「社労士になるぞ!」しかし3度の不合格で暗雲が
ワーキングマザーとして働くことの厳しさを痛感した私は、労働者の権利を調べる中で社労士資格を知り、この資格を取得したいと考えるようになりました。
社労士を志すきっかけはマタハラという苦い経験でしたが、当時は新たな夢の実現に向けた挑戦に胸を膨らませたものです。
社労士が難関国家資格であることは知りつつも、仕事と子どもを抱えながらでは、資格予備校に通うことはできません。
そもそも金銭的にあまり余裕がなかったこともあり、まずは独学での挑戦となりました。
市販のテキストや過去問を活用するも、法律の知識ゼロ、実務未経験の私は、必要な知識のインプットから苦戦します。
ようやくひと通りテキストを読み終えて、問題を解いてみたものの、まったく歯が立ちませんでした。
結局のところ、テキストの文字を追いかけるだけで、わかったつもりになっていたのです。
また、膨大な試験範囲の網羅の中では「覚えては忘れる」の繰り返しにも苦しみました。
結果、3年間の独学の成果は、3度の不合格という散々なものとなりました。
社労士合格のきっかけは「勉強方法の見直し」にあり
「このままでは、永遠に社労士試験に合格できない」
そう考えた私は、受験勉強のやり方を根本から見直すことにしました。
独学では対策が難しいと感じ、社労士試験対策を検討する中で、通信教育でも資格予備校さながらの対策ができることを知りました。
受講にあたり費用面がネックになりましたが、社労士を志してからすでに4年目に突入していたこともあり、自分への投資として通信教育の受講を決断します。
実際に通信教育を活用して、まず感じたことは「なぜもっと早く使わなかったのか」という後悔です。
通信教育を受講すると、合格に必要なカリキュラムと教材がすべて提供されました。受講生は、こなしていくだけで無理なく、無駄なく基礎力・応用力を育成できます。教材選びや学習の進め方にいちいち悩み、学習といってもただテキストの文字を目で追っていただけの独学時代とは大違いです。
一年間社労士試験対策の通信教育のお世話になった結果、その年の社労士試験は無事に合格できました。
合格年度の取り組みを振り返り、社労士試験合格のきっかけは「通信教育の活用」だったなと改めて感じています。
今回は、社労士を目指したきっかけと勉強法をご紹介しました。
現在、社労士に興味がある、あるいは社労士資格の取得を目指す皆さんにお伝えしたいのは、「知識ゼロ、実務未経験でも合格できる」ということです。
次回は、ワーママが社労士として働くメリットについてお話ししますね!
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