社労士はそれだけで十分仕事に活かせる資格ですが、ダブルライセンスや他の専門業務との兼業によって、活躍の幅をよりいっそう広げることもできます。
私自身も、社労士として開業した後にはさらにいくつか資格を取得していますし、周りを見ても、ダブルライセンスや兼業で差別化を図る方は多いようです。
連載「ワーママおすすめ!社労士というお仕事」最終回の今回は、社労士との兼業やダブルライセンスがテーマです。
おすすめの資格をご紹介するとともに、専門業務を複数抱えるうえでの注意点についてお話ししますね。
連載「ワーママおすすめ!社労士というお仕事」
社労士資格は「ダブルライセンス」でよりいっそう専門性を高める
ひと口に社労士といっても、その業務範囲は実に膨大です。
年金の裁定請求や労働相談といった個人を対象とするお仕事もあれば、労務管理や手続き業務、助成金申請などの企業に向けた業務もあります。
社労士試験の合格は、労働分野と社会保険分野それぞれについてひと通りの知識を有する証明となりますが、実務上は得意分野に特化して業務をこなすことがほとんどです。
インターネットで「社労士」と検索すると、「年金専門」や「助成金申請専門」などの文言を目にすることも多いのではないでしょうか?
社労士がダブルライセンスに注目する理由は、ずばり「専門性を磨くため」です。人によっては、社労士として開業する以前の経験がそのまま専門分野となることもあります。
ところが私の様に、前職で高い専門性を身に付けることができなかった場合には、資格取得を通じて知識を習得し、「資格」という形で専門性の証明を得る方法がスムーズなのです。
ワーママ社労士のダブルライセンス例
社労士とのダブルライセンスで「これは相性が良いな」と思えた資格は、年金アドバイザー、FP(ファイナンシャル・プランナー)、そして英検等の語学検定です。
年金アドバイザーは、個人のお客様からいただくご相談への対応に役立ちます。
3級は社労士試験レベルですが、2級では年金計算までが試験範囲となっており、より実践的な年金の知識を習得できます。
また、年金の話題から保険商品や資産運用のお話に発展することも多いことから、社労士の実務の中ではFPの知識を活かす場面がたくさんあります。お金について正しい知識を持ち、的確なアドバイスができることは、社労士としての強みとなるはずです。
FP資格概要そして社労士とのダブルライセンスで意外に役立ったのが、語学力です。
学生時代の専攻が英語で、せめて英検1級は合格しておきたいと考えての受験でしたが、社労士開業後には雇用契約書や就業規則の英訳のご依頼をいくつもいただきました。
外国人労働者の増加により、企業では日本語以外でのコミュニケーションに頭を悩ませる場面が増えているようですね。
英語以外にも、中国語やスペイン語、ポルトガル語などはビジネスの場で特に需要が高そうだと感じます。
社労士とのダブルライセンス、相性の良い組みあわせは?
年金アドバイザー、FP、英検の他にも、社労士とのダブルライセンスの好事例はいくつも思い浮かびます。
例えば、行政書士を取得していれば、会社設立からその後の労働・社会保険手続き、労務管理までを一貫して行うことができます。
企業顧問を専門とするなら、メンタルヘルス・マネジメント検定に挑戦して、働く人の心の健康管理に携わるのも良いでしょう。
そして、実務経験の受験資格を満たすなら、社労士の知識を活かして衛生管理者を取得するのもおすすめです。
企業内での労働災害の防止や労働者の健康管理、労働衛生教育の実務について、より深い理解につながるはずです。
また、難易度は高いですが、中小企業診断士と社労士とのダブルライセンスが実現すれば、人事・労務分野だけでなく、企業経営にも踏み込んだアドバイスが可能になります。
社労士の兼業、ダブルライセンスの注意点
社労士とのダブルライセンスや他の専門業務との兼業を目指すことは、社労士としての可能性を広げることにつながります。
ただし、ダブルライセンスの取得にばかりとらわれて肝心な社労士業が疎かになった、兼業してみたもののあまり相乗効果を得られなかったというケースも少なくありません。
社労士とのダブルライセンスや兼業を考える際は、まず社労士業との相性を見極めたうえで、本業に支障のない範囲で準備を進めていく段取りを検討する必要があります。
社労士+αを身に付けることができれば、よりいっそう専門性の高い仕事に携わる機会に恵まれます。
子育て中だって、理想の仕事を諦めないで!資格をうまく活用して、着実にキャリアアップしていきましょう。
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