皆さん、こんにちは。資格の学校TAC宅建士講座専任講師の笠松と申します。
これから勉強を始めようかと考えている方、オンスクや独学ですでに勉強に励んでいらっしゃる方々へ、本日より全5回で、「宅建試験合格のツボとコツ」をご紹介したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
平成28年の宅建本試験の傾向と分析
平成28年度の宅建士試験の合格点は35点で、前回(平成27年度)の合格点に比べて4点上がっています(下記表を参照)。
これは、問題が簡単になったというよりも、過去問により忠実な問題が数多く出たため、問題集等で内容をある程度押さえていた受験生にとって、点数を伸ばしやすかったためと思われます。
ただ合格率は平成27年と同じ15.4%であり、決して易しくなったわけではなく、より正確な過去問の知識を持った受験生が合格し、そうでない方は厳しい結果になってしまわれたことは例年と変わりありません。
近年の宅建士試験の特徴は、
① 出題範囲が広いこと
② 暗記する箇所が多いこと
の2点です。そのため、学習の範囲を絞り、深入りをしすぎないことが大きなコツとなります。
よって、合格へ向けた指針としては、
1. 基本を徹底すること
2. 過去問中心学習
3. 改正点対策
の3つを挙げたいと思います。
過去5年間の宅建試験の難易度と各ランクごとの対策方法
過去5年間の宅建試験の難易度
Aランク…基本問題(正答率70%以上)
Bランク…標準問題(正答率40%以上70%未満)
Cランク…応用問題(正答率40%未満)
平成24年度 | |
Aランク | 30問 |
---|---|
Bランク | 14問 |
Cランク | 6問 |
合格点(50点中) | 33点 |
合格率 | 16.7% |
平成25年度 | |
Aランク | 25問 |
---|---|
Bランク | 18問 |
Cランク | 7問 |
合格点(50点中) | 33点 |
合格率 | 15.3% |
平成26年度 | |
Aランク | 20問 |
---|---|
Bランク | 24問 |
Cランク | 6問 |
合格点(50点中) | 32点 |
合格率 | 15.4% |
平成27年度 | |
Aランク | 19問 |
---|---|
Bランク | 20問 |
Cランク | 11問 |
合格点(50点中) | 31点 |
合格率 | 15.4% |
平成28年度 | |
Aランク | 28問 |
---|---|
Bランク | 17問 |
Cランク | 5問 |
合格点(50点中) | 35点 |
合格率 | 15.4% |
1.基本を徹底すること
本試験で出題される単元はほぼ決まっています。TACではこれをAランクと呼んでいますが、まずはここを徹底的につぶしていきましょう。
上記の表を見ていただくと、AランクとBランクの問題(の一部)さえできれば、合格点に達してしまうのがわかります。Aランクの問題は基本論点なので内容も易しいですし、Aランクの知識を確実にすればするほど、やはり基本論点が中心であるBランクの問題対策にもつながっていきます。
逆にCランクの問題はできなくても合否に影響しないので無視してもらってかまいません。
2.過去問中心学習
宅建の本試験の問題は、ほぼ過去問の内容から出題されます。冒頭で触れたとおり、昨年の本試験は特にその傾向が顕著でした(選択肢によっては一字一句全く同じ問題あり)。
よって宅建の勉強=過去問の勉強、と割り切って、ひたすら過去問を解いてください。その際には1でお話したAランクの基本論点を中心に解いていくと効率が良いでしょう。
3.改正点対策
これも毎年行われる改正点から出題してくる、というのが本試験の傾向として挙げられます。平成29年度は特に宅建業法の改正が要注意でしょう(特に営業保証金・重要事項の説明等)。
宅建業法は来年にも大きな改正(建物状況調査に関する規定)がありますので、2年続けて出題される可能性が高いです。また出題されるとなれば複数問にわたると思いますので、対策は万全にしておくべきでしょう。
では、以上の3点を踏まえて、今度は各科目ごとに合格へ向けてどのような対策をしていけばよいかを次回以降、具体的に説明していきます。
「宅建合格のツボとコツ」第2回では早速、民法等の科目について、重要論点とその学習法をお伝えしていきます。お楽しみに。
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