「宅建試験合格のツボとコツ」シリーズも最終回となりました。今回はその他関連知識の重要論点とその学習法をお伝えします。
宅建士試験におけるその他関連知識の特長
その他関連知識も、法令上の制限と同じで、問題数が8問と少なく、また範囲が広いので、やはり内容を絞ることが大切です。
この科目は、5点免除をお持ちの方とそうでない方とで勉強の範囲が異なりますが、共通して重要なのは「税金関係」の問題です。ここは必ず2問出題されますので、最低限1問は拾うべきところでしょう。
それ以外の問題も、ごく基本事項からの出題が多いので、範囲が広いからといって慌てず、やはり過去問を中心にポイントを絞って押さえてみてください。目標点数は、5点免除の方は3問中2問、5点免除をお持ちでない方は8問中5~6問が目安です。
それでは、いつものように、今年の出題可能性が高い単元ごとの重要度(A~C)と学習のポイントを指摘していきます。
その他関連知識 主要単元の重要度
不動産鑑定評価基準 …重要度B
本試験の傾向として、この不動産鑑定評価基準と、次の地価公示法のどちらかから1問出ます。ただし本単元は内容が難解なので、試験対策としては鑑定評価の手法(原価法、取引事例比較法、収益還元法)の3つを最低限確認しておきましょう。
それ以外の内容については仮に出題されても受験生の差がつかないので、深入りする必要はありません。
地価公示法 …重要度B
上述のように、鑑定評価基準と本単元のどちらかが問われますが、力を入れるべきなのは、この地価公示法です。内容が平易なため、勉強した内容が得点に結びつきやすいからです。特に公示価格と公示の手続きに注意。
税金関係 …重要度A
例年、地方税と国税から1問ずつ出るケースが多いです。地方税は、今年は固定資産税に注意。例年、不動産取得税と交互に出る傾向にあり、昨年は不動産取得税から出題されたためです。
国税は、今年は登録免許税と所得税に重点を置きましょう。登録免許税は建物の税率の特例が頻出なので、特例を受けることができる要件に注意して押さえ、所得税は課税標準の5000万円・3000万円特別控除と税率の特例を重点的に確認しましょう。
ちなみに5点免除をお持ちの方はここまでが試験範囲となります。
住宅金融支援機構 …重要度B
住宅金融支援機構が例外的に直接融資する場面と、フラット35の特徴を押さえておけば十分。その他の内容は細かいので割愛して構いません。
広告に関する規制 …重要度A
ここ10年以上不動産の表示に関する公正競争規約のみから問われていますが、過去問の知識の確認で十分対応できるでしょう。
統計 …重要度A
完全な数字の暗記科目です。特に土地取引の動向、地価公示、住宅着工統計、法人企業統計の4つに注意。
土地、建物 …重要度C
必ず1問ずつ問われるものの、常識で解ける問題がほとんどなので(木材は水に弱い等)、特に対策は不要です。あえて指摘するなら、土地は「宅地としての適否」、建物は「木造」と「鉄筋コンクリート造」からの出題が多いです。ただいずれにしても過去問をつぶす程度で十分でしょう。
以上です。下線を引いている部分の所が、いわゆる「基本論点」になります。ぜひ過去問を通じて、これら基本論点の知識を少しずつ自分のものにしていきましょう。その積み重ねが合格へとつながります。
皆さんのご検討をお祈りします。頑張ってください!
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