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知らないと命にかかわる熱中症対策とは|登録販売者が教えるセルフメディケーション

知らないと命にかかわる熱中症対策とは|登録販売者が教えるセルフメディケーション

新型コロナウイルスが蔓延するようになって、しばらく時が経ちました。
世間では「コロナ禍」と呼ばれ、ほとんどの方たちの「巣ごもり」による体調不良も心配されています。この記事を読んでいる皆さんは、大丈夫でしょうか。

この連載「登録販売者が教えるセルフメディケーション」では、コロナ禍において皆さんが直面するいくつかの健康面の問題に対応すべく、登録販売者である筆者が、ドラッグストア等のお店で何を購入し、どう対処したらいいのかをお伝えしていきます。

第1回は、「セルフメディケーションって何だろう?登録販売者の存在とは?」という疑問に回答!そして、日本の夏に対処が必要な「熱中症」のセルフメディケーションについて詳しく解説していきます。

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セルフメディケーションと登録販売者の意味とは

まずは、最近よく耳にする「セルフメディケーション」と、薬のアドバイザー「登録販売者」について、今さら聞けない基本情報を解説します。

セルフメディケーションとは?

セルフメディケーションには、「セルフ」とつくだけあり、自分で健康管理をすることや、軽度の不調などは自分自身で対応するといったような意味があります。
セルフメディケーションを1人1人が進めることによって、以下のような効果が期待されています。

  • 医療や医薬品についての知識が身に付く
  • 健康管理について理解し、それが習慣づく
  • 自己治療により、病院へ行く時間と手間が省ける
  • 医療費削減につながる

しかし、医薬品などの知識については、一般の方はあまり知らないでしょう。
そんな時のアドバイスをしてくれるのが、登録販売者薬剤師なのです。

登録販売者とは?

日本が高齢化社会となってかなりの時が経ち、国は、毎年のように増加する医療費に頭を悩ませていました。
そこで厚生労働省は、個人が自身の病気やケガに対し、病院にかかるのではなく、ドラッグストア等で医薬品を購入して対応することを推奨し始めます。

そして、どういった医薬品を購入したらよいのかアドバイスする者をドラッグストア等のお店に置きました。それが登録販売者です。

登録販売者は、薬の効能効果だけではなく、生活習慣の改善などのアドバイスも行っているので、病気への対応はもちろん、病気を防ぐための方法も教えてくれます。

登録販売者と薬剤師の違いは?

薬のアドバイスをできる登録販売者と薬剤師の違いは何でしょうか。

それを説明するには、まずは薬の種類を知ることから始めないといけません。
現在、市販されている医薬品は以下の4種類に分けられています。

  • 第1類医薬品
  • 指定第2類医薬品
  • 第2類医薬品
  • 第3類医薬品

これらの何が違うかというと、使用することによる体へのリスクが違うのです。
この4つのうち、登録販売者は、リスクが一番高い第1類医薬品を扱うことができません。
すべての医薬品を扱えるのは薬剤師だけです。

薬剤師の資格は、医科大学で6年間勉強し卒業することでやっと受験資格が得られます。
時間やお金、勉学等、生半可な努力ではなれないこともあり、薬剤師は、登録販売者の上位的存在といえるでしょう。

一方、登録販売者は、合格後に2年以上の実務経験が必要なものの、受験自体は誰でも挑戦できる資格です。

それでも登録販売者の資格の勉強は、それなりに大変です。セルフメディケーションを進めるにあたり登録販売者の存在は、とても重要な存在といえるでしょう。

熱中症、あなたはどれだけ知っている?

熱中症のイメージ

熱中症と「日射病」の違いは?

平均気温が上がり続ける近年、夏といえば「熱中症」という病名がニュースでよく報じられるようになりました。

ひと昔前までは、炎天下でスポーツをしたり、畑作業をしたりなどで具合が悪くなることが多かったため、熱中症ではなく「日射病」と呼ばれることが多かったこの病気。

しかし現代では、室内で体を動かしてなくても、部屋の温度が高くなるせいで体温も上昇し、日射病と同じような症状が増えてきています。そのため、これらの暑さで起きる症状をまとめて「熱中症」と呼ぶようになったそうです。

熱中症は、体の水分が減り、体内の温度が高くなったままの状態をいいます。
軽度ならめまいや気分不快、中度なら吐き気やだるさ、高度となると意識を失うほどになります。

熱中症に注意したいのは特に室内!?

普通は、体温が上がると汗をかき、そこで水分を取り、体温を下げていくという流れになります。しかし室内にいると外とは違って、汗をかいても、水分を補充するという意識が薄くなります。

特に、コロナ禍で会社からリモートワーク命令が出て、否応なく室内で作業されている方なども、そういう状況になることが懸念されます。

窓を開けているから大丈夫、扇風機をつけているから問題ないと考えて、対応が後手後手になると、いつの間にか熱中症になっていて症状が悪化している…となりかねないので、注意が必要です。

また、室温がさほど高くなくても、部屋でエクササイズなどの運動を軽く行い、汗をかいたので熱いシャワーを浴びた結果、軽度の熱中症になる…なんてこともあります。
室温以外に、自分の行いにも原因があるというのは驚きですよね。

また、盲点なのが寝ているとき。
夜の最低気温が25℃を超えるときを熱帯夜と呼びますが、この熱帯夜にエアコンをつけずに眠ると、気づかないうちにどんどんと汗をかいて体温が上昇しやすく危険です。

夏は、外にいるときはもちろん、家の中にいるときにも温度と水分補給に気を付けることが大切といえるでしょう。

熱中症、こうするだけで怖くない

熱中症対策のイメージ

ここからは、登録販売者の筆者が、熱中症にならないためには具体的にどういった対処がよいのか、お話しします。

熱中症の対策と予防ですが、セルフメディケーションとして案内する方法は非常にシンプルで、以下の2つをきちんと実践することです。

部屋の温度を適温にする 汗をかいていなくても、こまめに水分補給をする

どうでしょうか?
当たり前と感じるような内容ですが、意外とできてない人もいるので、この機会にしっかりとインプットしておきましょう。

熱中症予防のための部屋の適温とは

適温とは、日中は28℃、夜は26~28℃くらいです。

注意したい点として、これはエアコンの設定温度ではないことを覚えておきましょう。そのため、気温が高い日は設定温度を低めに設定し、適温に保つ工夫が必要です。
また、場所や状態によって室温が下がりにくかったりすることもあるので、あくまで目安として考えてください。

中には、エアコンを頻繁につけるのに抵抗がある方もいると思いますが、今は昔と違って夏の気温が上がっているため、エアコンをうまく使っていく必要があります。
扇風機やサーキュレーターで風の流れを作り、効率的にエアコンを使って、過ごしやすい適温にしてください。

熱中症予防のための水分補給とは

熱中症予防のためには、普通に水を飲めばいいというわけではなく、汗をかくごとに失うナトリウム、つまり塩分の補給も必要です。

うってつけなものに「経口補水液」があります。
有名なのが大塚製薬から発売されている「OS-1(オーエスワン)」です。
ポカリスエットを薄めたような味で飲みやすいですよ。

今はメーカーがいろんな経口補水液を販売していますし、水と塩と砂糖さえあれば、自分で作ることも可能です。ぜひ用意しやすいもので、お試しください。

ここで登録販売者として、飲み方のアドバイスをします。

常温で飲む こまめに飲む

冷えた飲み物をゴクゴクと飲むのは気持ちいいですが、冷えすぎているとなかなか一定量を飲むのにも苦労します。ここはあえて、常温~少し冷えた程度にするのがいいでしょう。

一度に一定量を飲むのが苦手な方は、こまめに少しずつでもいいので飲んでください。とにかく、水分を取ることが肝心です。

また、暑くて寝苦しい夜は、ちょっと目が覚めたときにすぐに水分補給できるものを枕元に置いておくといいでしょう。寝ている間の脱水を予防することに役立ちます。
OS-1には、小さいペットボトルタイプやゼリータイプもありますので活用しましょう。

他にも、冷却シートを額に張ったり、アイスノンのようなものをタオルに巻いて、首元、両わき、太ももの間に挟んで冷やしたりするのもおすすめですよ。

熱中症の症状が出たときの対処法とは

様々な対処をしていても、体調の状態により、熱中症になってしまうこともあるでしょう。少しでも、何かおかしいな…と思う場合は、すぐに対処をしましょう。

軽度のうちならすぐに水分を取り、体を冷やすことを重視してください。
冷たいシャワーもいいでしょう。
中度・高度となると身動きをとることもままならないので、助けを呼ぶことが必要です。ただ、意識も朦朧(もうろう)としている可能性が高いので、救急車などを呼ぶのが難しくなる場合もあるでしょう。

夏場に、「今日は熱中症になりやすい気候だな」「今日はちょっと体調がすぐれない…」という日があれば、携帯電話を身近に置いて常に誰かと連絡がとれるようにしておきましょう。

できれば、しっかりと予防して、熱中症軽度にもならないよう行動してくださいね。

登録販売者が教えるセルフメディケーション

熱中症は怖いですが、しっかり準備すれば大きな心配はいらないでしょう。
エアコンをなるべく使用して、飲料は外でも室内でも、いつでも手に取れるように常備してください。
適切にセルフメディケーションを行い、暑い夏も健康に過ごしましょう!

さて次回は、リモートワークにより仕事の環境が変わったせいで起きやすいと思われる「頭痛」と「眼精疲労」のセルフメディケーションについて考えていきます。

在宅ワークになって、疲れがとれない、今までなかった頭痛や目の疲れの症状があるという人は、ぜひご覧くださいね。

登録販売者講座

参考URL:
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/knowledge/self_taxsystem/self/
https://medicalnote.jp/diseases/%E7%86%B1%E4%B8%AD%E7%97%87?utm_campaign=%E7%86%B1%E4%B8%AD%E7%97%87&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo

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