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実在企業の決算書から経営判断をしてみよう!初心者もわかる決算書の見方

実在企業の決算書から経営判断をしてみよう!初心者もわかる決算書の見方

連載「就職前に経営判断ができる!?決算書の見方」、これまで決算書類である財務三表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)の役割と具体的な見方について、初心者にもわかりやすいように解説しました。
就職・転職を考えている方は、気になる企業を実際に経営判断してみたいと思ったのではないでしょうか。

そこで最終回の今回は総括として、皆さんもご存知の実在企業である株式会社東芝の、経営が厳しかった時期と直近の年度という異なる年度の決算書類を比較します。
会計初心者の方も、財務三表それぞれの見方を思い出しながら読み取ってみてくださいね。

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損益計算書から経営成績を読み取ろう

下記は、株式会社東芝の2008年度と2018年度の損益計算書です。
上場企業の場合、企業サイトの中に「株主・投資家」へ向けたページが設けられていて、株主・投資家向けに業績がわかるよう様々な資料が公開されていることはお伝えしてきましたね。その中に、財務諸表が公開されていることがあります。

今回は「比較連結損益計算書」という名称になっていますが、親会社が子会社も含めて計算した決算書だということです。

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会計初心者の方は、第2回記事「損益計算書の具体的な見方」を思い出してみましょう。
損益計算書で注目すべきは利益でしたね。どちらの年度も特別収益や特別損益の項目がありませんので、経常利益と税引前当期純利益は同じとなります。

今回は4つの利益に注目しましょう。

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2008年度の売上総利益1,288,431とプラスなものの、営業損益は△250,186税引前当期純損益は△279,252、当期純損益は△343,559とマイナスになっています。この期間は赤字経営だったということですね。

続いて、2018年度の損益計算書を見てみましょう。

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売上総利益は909,975営業損益は35,447税引前当期純損益が10,909とプラス、最終的な当期純損益も1,013,256とプラスに転じています。
2008年度から比べると、2018年度では経営成績が良くなったことが読み取れますね。

貸借対照表から財政状況を把握しよう

下記は、同じく株式会社東芝の2008年度と2018年度の貸借対照表です。
会計初心者の方は、第3回記事「貸借対照表の具体的な見方」を思い出してみましょう。
貸借対照表で注目すべきポイントの1つは、経営の健全性を見る自己資本比率、そして支払い能力を見る流動比率でしたね。

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では、2008年度と2018年度の自己資本比率と流動比率について比較してみましょう。

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2008年度での自己資本比率(上記の赤枠の箇所に注目してください)は、447,346(純資産)÷5,453,225(総資産)×100=8.2%

自己資本比率は高ければ経営が安定しており倒産しにくいと言われています。自己資本比率は20%を下回ったら倒産の危険性がある状況ですから、この頃の東芝は厳しい状況であったといえるでしょう。

しかし下記の2018年度では、自己資本比率(下図の赤枠の箇所に注目してください)が、1,699,045(純資産)÷4,297,344(総資産)×100=39.53% まで改善されています。

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さらに、流動比率も計算してみましょう(上図の青枠の箇所に注目してください)。
2008年度の流動比率は2,720,631(流動資産)÷3,067,773(流動負債)×100=88.68%、2018年度は3,033,858(流動資産)÷1,878,419(流動負債)×100=161.51%となっています。

流動比率が低いということは、短期的な支払い能力が低いということでしたね。流動比率が100%を下回ると危険だと言われていますので、2008年度時点では危うい状況だったといえます。2018年度では改善されたようですね。

キャッシュフロー計算書でフリーキャッシュフローを読み取ろう

下記は、同じく株式会社東芝の2008年度と2018年度のキャッシュフロー計算書です。
会計初心者の方は、第4回記事「キャッシュフロー計算書の具体的な見方」を思い出してみましょう。
ポイントは3つ、

  • 営業活動によるキャッシュフロー
  • 投資活動によるキャッシュフロー
  • 財務活動によるキャッシュフロー

でしたね。まずは2008年のキャッシュフロー計算書です。

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営業活動によるキャッシュフローがマイナスです。本業の事業があまりうまくいっていないということですね。ですから、銀行などから借入金を行うなどで資金を調達しなければならない状況です。
財務活動によるキャッシュフローがプラスということは、そうした資金繰りを行っているということ。
フリーキャッシュフロー(営業活動によるキャッシュフロー+投資活動によるキャッシュフロー)もマイナスですので、自由に使えるキャッシュもなく資金繰りに困っていることがうかがえます。

続いて、2018年度のキャッシュフロー計算書を見てみましょう。

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営業活動によるキャッシュフローがプラスに転じていて、フリーキャッシュフローもプラスになっています。10年の間で改善されたといえるでしょう。

会計初心者の方も、2008年度と2018年度の決算書類を比較してみることで、2008年度は経営状況が非常に悪かったということが読み取れたのではないでしょうか。
東芝は7年に渡って粉飾決算を行い、倒産も危ぶまれました。今も経営状態を改善している最中でしょう。会計初心者も上記のように決算書類を見ることで、会社の経営判断ができるようになります。

5回に渡って決算書類の見方などを解説しました。
経理関係の仕事でなければ普段の生活では見ることのない会社の決算書類。今回は、基本的な見るべきポイントをご紹介しています。

就職・転職にあたって気になる企業があれば、決算書類を公開しているかどうか調べてみましょう。会社の経営判断という視点から、就職・転職先を選ぶことができます。

また、会計初心者で決算書類に興味のある方は、簿記も勉強してみると理解の幅が広がりますよ。興味のある方はぜひ、簿記の勉強にチャレンジしてみてください。

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参考URL:
https://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/library/er/er2018/q4/ter2018q4.pdf
https://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/library/er/er2008/q4/ter2008fy.pdf

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