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知的財産管理技能検定3級の科目別勉強法|学科試験:活用

知的財産管理技能検定3級の科目別勉強法|学科試験:活用

皆さん、こんにちは。独学で知的財産管理技能検定3級・2級に合格した、現役大学生のユウキです。
連載「知的財産管理技能検定3級の科目別勉強法」、第3回は、知的財産管理技能検定3級の学科試験の科目の1つ「活用」について、おすすめ勉強法をお伝えします。

「知的財産管理技能検定3級における活用とはどういう意味?」
「活用対策のおすすめの勉強法はある?」

このような質問の答えとなる内容が、今回のテーマです。

知的財産管理技能検定3級の科目別勉強法
学科 1.保護(競争力のデザイン)(連載第2回)
2.活用 ←今回はココ!
3.関係法規
実技 1.保護(競争力のデザイン)
2.活用
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科目「活用」の概要と重要度について

知的財産管理技能検定3級の学科試験の3科目の1つ「活用」とは、どんな内容なのでしょうか。

学科試験における重要度は、3科目の中で「保護(競争力のデザイン)」に次いで重要だと、個人的には思います。体感値ですが、学科試験での「活用」の出題割合は全体の3~4割程度と高く、 得点に影響しやすいため、しっかりと勉強したい科目です。

科目「活用」で学ぶ2項目。特に大切な項目は?

「活用」では主に2つの項目を学びます。「契約」と「エンフォースメント」です。

契約

「契約」の項目では、

  • 契約で必要な知識
  • 著作権の権利処理

の2点について、初歩的な知識 が問われます。

「契約で必要な知識」では、何をもって契約とするのか、契約が守られなかった場合の対処法などについて問われます。

「著作権の権利処理」では、著作権を侵害せずに著作物を利用するための必要な手続きや知識について問われます。

「著作権の権利処理」について少し補足説明しましょう。
人は他人から物を借りるとき、“○○を借りていい?”と許可を取りますよね。それと同じように、著作物を利用するときにも著作権者の許諾を得なければなりません。このような許諾や手続きに関する知識が、著作権の権利処理で問われます。

エンフォースメント

エンフォースメントとは、法律の執行という意味です。この項目では、

  • 知的財産権侵害の判定
  • 国内知的財産関連訴訟

の2点について、初歩的な知識 が問われます。

「知的財産権侵害の判定」では、自分の知的財産権が侵害されていないか、この使い方は相手の権利を侵害していないかなど、知的財産権の法律違反になるか否かに関する知識が問われます。

「国内知的財産関連訴訟」では、知的財産権に関する訴訟がどういった流れで行われているのかなどの知識が問われます。

このエンフォースメントは、試験に出る確率があまり高くないため、重要度は低いと思います。しかし一度はしっかり勉強し、概要を頭に入れておくことが大切です。

大切なのは「契約」の著作権の権利処理

科目「活用」では、特に「著作権の権利処理」の問題が多く出される傾向にあります。

中でも例外規定と呼ばれる、特定の条件がそろえば著作権者の許諾を得ずに著作物が利用できる制度について、試験でも高確率で出題されます。重要な部分なので、しっかりと押さえておきたいところです。

科目「活用」を攻略するためのおすすめ勉強法

科目「活用」攻略のためのおすすめ勉強法、今回は、活用の中でも重要な「著作権」に注目した勉強法を2つ紹介します。

おすすめ勉強法① 実際の最高裁判所の判例を見る

勉強法1つめは、実際の最高裁判所の判例を見ることです。これは、著作権の侵害について効率的に学ぶ方法です。

侵害と言っても、実際何をどうしたら侵害になるのかわからない…という人は多いですよね。実際の判例を見ることにより、“具体的に何をどうしてしまったから侵害(違法)になった”という理解を深められます

特許権や意匠権などは、技術的な問題で侵害行為を犯していることが多いため、判例の理解も少し難しいです。しかし、著作権であれば技術問題での侵害がないため、理解しやすいのです。

例えば、著作権の判例で有名な「ラストメッセージ」事件。
これは、ラストメッセージ(雑誌が終了するときに文末に記載される、今までのお礼や今後について記されたメッセージ)のみを集めた本を出版して問題になった事件です。
この問題の要点は、そのラストメッセージに著作物性があり、それを無許諾で利用したことで、著作権を侵害してしまったことにあります。

このように判例を見ると、実際にどういった侵害が起きているのかを、わかりやすく学べます。私の場合は、インターネットで「知的財産 判例 有名」と検索してヒットしたものを片っぱしから見ていました。例えば以下のサイトです。参考にしてみてください。

判例を読み解くコツは、少しでも理解できない単語が出てきた場合、すぐにテキスト等で調べながら読むことです。
例えば以下の判例を見てください。

【事例14】 廃墟写真事件
(第一審:東京地裁平成22年12月21日判決 控訴審:知財高裁平成23年5月10日判決)
【原告】丸田祥三(写真家)
【被告】小林伸一郎(写真家)
【事案概要】
原告が,原告の撮影した「廃墟」を被写体とする写真と同一の被写体を,被告が撮影して写真を作成し,それらの写真を掲載した書籍を出版、頒布した行為が,原告の有する写真の著作物の著作権(翻案権,原著作物の著作権者としての複製権,譲渡権)および著作者人格権(氏名表示権)を侵害し,また,被告が「廃墟写真」という写真ジャンルの先駆者である原告の名誉を毀損したとして,被告に対し,(1)著作権法112条1項,2項に基づく各書籍の増製および頒布の差止めならびに一部廃棄,(2)著作権侵害,著作者人格権侵害,名誉毀損および法的保護に値する利益の侵害の不法行為による損害賠償,(3)著作権法115条および民法723条に基づく名誉回復等の措置としての謝罪広告を求めた事案です。

ここでは、普通ではあまり使わない「頒布」「原告」という単語や著作権の知識が、頻繁に使われています。そのため、よくわからない単語を“たぶんこういう意味だろうなー”と適当に読み進めていると、途中で混乱することがあります。

少し面倒ですが、知らない単語が出てきたらすぐに調べる方が、結果的には早く理解できます。筆者もこのコツを実践したおかげで、著作権の知識を効率よく覚えられました。ぜひやってみてください。

おすすめ勉強法② 実生活で起きている権利処理を考える

勉強法2つめは、自分の生活の範囲で起きている、著作権の権利処理を考えることです。
権利処理とは、“著作権を侵害せずに著作物を利用するための必要な手続きや知識”でしたね。

実は、この権利処理は日常的に行われています。例えば、自宅でテレビ番組を録画する行為。これも実は、権利処理が行われた結果できる行為なのです。

本来であれば、他人が作った番組(著作物)を録画(複製)する行為は、複製権侵害になります。しかし、著作権法には例外規定と呼ばれる、「この範囲内で行われる権利侵害は侵害とはみなしません」という条文があります。

自宅で楽しむためのテレビ番組の録画(複製)は、私的複製の例外規定の対象になるため、著作権者の許諾を得ることなく行えます。つまり、“自分が見るためだけに番組を録画することは法的に問題ない”ということになるのです。

著作権法の例外規定は、日常生活でよく発生している権利処理です。「例外規定」に関するサイトをいくつか紹介しますので、それらを読んでから、実際に権利処理が行われている場面を探してみてください。自分の身近な例を見ると、知識が入りやすくなるのでおすすめです。

 

知的財産管理技能検定3級合格を目指す勉強法

今回は、知的財産管理技能検定3級の学科試験の科目「活用」について、おすすめ勉強法をお話ししました。
活用の知識は、試験でも大事ですが、日常生活でも必要です。しっかりと身に付けておきましょう!

次回は、知的財産管理技能検定3級の学科試験の科目「関係法規」の勉強法について詳しくお伝えします。それでは、またお会いしましょう。

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