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知的財産管理技能検定3級の科目別勉強法|実技試験:活用

知的財産管理技能検定3級の科目別勉強法|実技試験:活用

皆さん、こんにちは。独学で知的財産管理技能検定3級・2級に合格した、現役大学生のユウキです。
連載「知的財産管理技能検定3級の科目別勉強法」、最終回となる今回は、知的財産管理技能検定3級の実技試験の科目の1つ「活用」について、おすすめ勉強法をお伝えします。

「実技試験の活用って、学科試験とは内容が違うの?」
「実技試験の活用でおすすめの勉強法はある?」

このような疑問が解決する内容となっています。それではさっそく見ていきましょう。

知的財産管理技能検定3級の科目別勉強法
学科 1.保護(競争力のデザイン)(連載第2回)
2.活用(連載第3回)
3.関係法規(連載第4回)
実技 1.保護(競争力のデザイン)(連載第5回)
2.活用 ←今回はココ!
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実技試験科目「活用」の概要と重要度について

科目「活用」の概要と出題傾向

実技試験の「活用」は、

  • 契約
  • エンフォースメント

以上の2項目から出題されます。

契約では、契約で必要な知識著作権の権利処理についての知識が問われます。

エンフォースメントとは、法律の執行という意味。知的財産管理技能検定3級においては、知的財産権侵害の判定国内知的財産関連訴訟についての知識が問われます。

知的財産管理技能検定3級は、全体を通して特許権と著作権が多く出題される傾向にあります。「活用」の中でも「著作権の権利処理」は出題されやすいということです。ぜひ参考にしてください。

実技試験の「活用」と学科試験の「活用」はどう違う?

実技試験科目「活用」で備えておきたい知識は、学科試験科目「活用」の知識とほとんど変わりません。
ただし、実技試験での「活用」は、より実務内容に近い問題が多く出題されています。

問題が応用編のようになっているため、内容を読み解く力が必要です。そのため、学科試験とは別に、実技試験の活用対策をする必要があると言えるでしょう。

実技試験における「活用」の重要度は?

知的財産管理技能検定3級実技試験では、「保護」と「活用」の2科目から出題されます。出題割合は、過去3回分(第34回~第36回)の問題を私が分析した結果、それぞれ約15問ずつ出題されています。(半々ということになりますね)

実技試験は30問中21問以上正解で合格のため、2科目でそれぞれ12問の正解数を目指すと安心です。出題される問題数は同じのため、重要度はどちらも高いと言えるでしょう。

実技試験の「活用」をもっと深堀!かなり実践的な内容

前述のとおり、実技試験で出題される問題は、かなり実践的な内容になっています。過去に出題された問題を例に見ていきましょう。

発言1 「この展覧会は有料で営利目的なので,絵画Aを客に見せるためには,甲の許諾を得る必要がありますね。」

発言2 「この展覧会場の出口で,絵画Aを含む展示された全絵画作品を印刷して解説を付けた豪華なカタログを,3000円で販売したいと思います。絵画Aを印刷するにあたっては,甲の許諾を得る必要がありますね。」

発言3 「この展覧会終了後には絵画Aを譲って欲しいのですが,甲の許諾を得なくても,絵画Aを譲ってもらうことはできますね。」

以上を前提として,問7~問12に答えなさい。

問7
発言1について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる場合は「×」を,解答用紙に記入しなさい。

問8
問7において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを【理由群Ⅱ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。

(引用:知的財産管理技能検定3級(管理業務)実技試験 第36回 問16)

これは、「活用」の範囲でも頻出項目である著作権の権利処理知的財産権侵害の判定の知識が問われている問題です。

問題の発言部分を見ると、実際の業務上で必要となり得る知的財産権の知識が求められているのがわかります。
このように、実技試験における「活用」の分野では、学科試験のように知識をストレートに解答するのではなく、実際の場面に置き換えてその中身を読み解くことが必要です。
学科に比べると少し難易度が上がりますが、実は問われている知識自体は変わりません。難易度を上げている要因は、知識の問い方なのです。

おすすめの勉強法は、過去問題中心の勉強法と間違った選択肢の分析

勉強法その① 頻出単語をチェックしながら過去問を解く

実技試験では実務を想定した応用問題が出題されるため、知的財産に関わる仕事の経験がない人は、実際の業務に置き換えて考えるのが難しいかもしれません。
また、もし経験者だったとしても、ちょっとでも分野がずれるとわからない内容も出てくるでしょう。

「活用」で出題される応用問題をより深く理解するには、実技試験の活用の過去問を、ポイントを押さえて繰り返す勉強法がおすすめです。実際、筆者もひたすらに過去問を実践しました。

ポイントは、問題を解く際に、テキストに出ている頻出単語に印をつけながら解いてみることです。問題を読みながら関連単語に印をつけていき、最後にどのような単語が多く出ていたか確認するだけ。
使われていた単語の種類や数を確認すると、頻出分野の見当を付けやすくなり、その結果、何の知識が問われている問題なのかをいち早く理解できるようになります

では、例を出して見ていきましょう!

問24
通信機器メーカーX社の知的財産部の部員は,自社の有するスマートフォンに関する特許権Pについて,Y社とライセンス契約を結ぶことを検討している。ア~ウを比較して,部員の考えとして,最も適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しなさい。

専用実施権を設定するライセンス契約の場合,特許庁に登録しなければ効力を生じない。

通常実施権を許諾するライセンス契約の場合,特許庁に登録しなければ効力を生じない。

独占的通常実施権を許諾するライセンス契約の場合,特許庁に登録しなければ効力を生じな い。

問26
時計メーカーX社は,X社が所有する意匠権Aについて,Y社に対してライセンスしている。ア~ウを比較して,X社による実施及びX社から第三者へのライセンスについて,最も不適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しなさい。

X社は,X社がY社へ全範囲を対象とする専用実施権を設定登録した後に,意匠権Aに係る登録意匠に類似する意匠を実施した。

X社は,X社がY社へ通常実施権を許諾した後に,更にW社に通常実施権を許諾した。

X社は,X社がY社へ通常実施権を許諾した後に,意匠権Aに係る登録意匠を実施した。

(引用:知的財産管理技能検定3級(管理業務)実技試験 第36回)

上記の2つの問題では、同じ実技試験内に“専用実施権”“通常実施権”という単語が複数出てきているのがわかります。この2つの言葉は、特許権、意匠権、著作権、商標権を利用する際に使う言葉です。
よってこの問題では、これら4つの知的財産権に関する知識が問われていることがわかります。

このように頻出単語をマーキングすると、問題をいち早く読み解ける=読み解く力を付けられます。
また頻出単語を意識しながら解くと、“この単語や分野は特に重要なのかな?”と、記憶に残りやすくなるのもメリットです。

そして、過去問を解いたあとの勉強がポイントです!

勉強法その② 問題の選択肢をチェックし自分で応用してみる

知的財産管理技能検定3級の問題は、すべて選択問題となっています。そこで、過去問題を解いた後、正解以外の選択肢に注目してみてください。

そして、なぜこの選択肢は間違っているのか、どの部分をどう変化すれば正解になるのかを考え、すべての選択肢を正解となる内容に変えてみるのです。

過去問題を解いて“正解したら終わり”だけでなく、正解以外の選択肢にも目を凝らし、自分で応用していくうちに、読み解く力と応用力が身に付きます。私もこの勉強法で、かなり知識の定着率が上がりました。ぜひやってみてください。

知的財産管理技能検定の公式HPには、過去3回分の過去問題が掲載されているため、それらも利用しましょう!

知的財産管理技能検定 過去問題

知的財産管理技能検定3級合格を目指す勉強法

今回は、知的財産管理技能検定3級実技試験の科目「活用」について、おすすめ勉強法をお伝えしました。
「活用」は、実技試験の中でも難易度が少し高めのため、しっかりと勉強して対策をとりたい科目です。今回紹介した勉強法をぜひ試してみてください。

今回で全6回の連載が終わります。知的財産管理技能検定は、日常生活であまり馴染みのない知識が多く出題されるため、難しく感じるかもしれません。しかし今後のIT社会では大いに役立つため、取得しておくとスキルアップすること間違いなしです。

私は独学で3級に合格しましたが、学校の試験とは違い、自主的に学んで国家資格を獲得できたことが非常に嬉しく、また知的財産の内容も面白いと感じたため、さらなるスキルアップのために2級の受験を決めました。

2級は難易度も上がりますが、独学の勉強法で十分合格できます。さらなるスキルアップを求める方はぜひ挑戦してみてください。

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