生活をしていくうえで必要なものといえば「衣・食・住」ですが、中でも「住」は、家を買ったり借りたりと、他の2つに比べて多額の費用を要します。 そのため、住居とFP資格は、実は密接に関係しています。
そもそもFP(ファイナンシャル・プランナー)とは、家計の管理や税金、投資、保険、不動産、相続など幅広い分野を網羅したお金のエキスパート。 「住」とは切っても切り離せない関係性なのです。
この連載では、FP2級の知識を使って家計を見直し、マンション購入や賃貸経営、一軒家の購入を経験した筆者が、不動産購入や賃貸契約で役立つFPのお得知識について全3回で解説します。
第1回の今回は、FPの知識でどのような住環境の悩みを解消できるのか、またFP試験の概要について、実体験を交えつつ紹介します。
FPの知識があると不動産関係で得すること
「どうして住居とFPが関係するの?」と思った方もいるはずです。
まずは、FPと住居の関係について、そしてFPの知識があることで不動産購入や賃貸契約する際に役立った、私の体験をお話しします。
FPの知識で不動産購入・経営ができるようになる
家計の中で大きな割合を占めているのが住居費です。それでは、住居費にかかる割合はどのくらいが妥当かご存知ですか?
FPの資格ではライフプランニングの項目があり、理想的な支出割合などを学びます(こちらの詳細は、次回で詳しく紹介しますね)
ライフプランニングの知識をもとに家計を理想的な支出割合に収めれば、貯蓄につながり、マイホームなどの不動産購入も可能になるというわけです。
また不動産購入しなくとも、自分の収入に見合った賃貸物件を探せたり、不動産購入の際の資金計画を自分で立てたりできます。
自身の今後のライフプランや家計の状況を俯瞰できれば、不動産購入だけでなくアパート経営や土地活用などができるようになるかもしれません。
そしてそれが資産運用につながり、新たな収入源にもなるのです。
【筆者の体験】収入と家賃割合が見合わず、貯金がどんどん減り…
ここで筆者の体験をお話しします。筆者が社会人となり、ひとり暮らしを始めた頃の話です。
当時はFPの資格を持っておらず、会社が近くて利便性が高いという理由から、賃貸マンションを選んでいました。もちろん、収入と家賃の割合についてはまったく考えていませんでした。
20万円ほどの給料の手取りは16万円ほど。そのうち約6万円を家賃で支払っていたために、手元に残るお金は10万円ほどです。そこから交際費や生活費、車の維持費などを支払うため、貯金はどんどん減り金欠になるばかり…。
そんなときにFPについて知り、資格取得のために学んでいくうちに、収入における家賃割合の重要性を学びました。知らないと損をする…。それが、多くの人が知らない住居とFPの関係性なのです。
不動産購入や賃貸でFPの知識を持つメリットとは?
続いて、FP資格を取得した筆者が考える、不動産購入や賃貸でFP知識を持つメリットについて解説します。主なメリットは、以下のとおりです。
・家計のバランスを考えられる
・長期の資金計画が立てられる
・多方面から物事を考えられるので、物件を選ぶ際の判断基準が広がる
・情報収集能力が高まる
もちろん、仕事や転職に役立つというメリットも大いにありますが、実生活では自分や家族の資産形成に役立ちます。
筆者もFP2級を取得したことで、家計のバランスを見直し、FPの知識をもとにマンションの購入や賃貸経営、一軒家の購入へとつなげられました。
また、住環境に関する悩みにも自分なりの答えを出せました。
そもそもFPとはどういう資格?概要と試験内容
実はお金にまつわる知識では収まらず、住居という大きなポイントでも役立つFPの知識。
最後に、持っていて損はないFP資格の概要や試験内容について解説します。
FP資格の概要と試験内容
そもそもFPとは、ファイナンシャルプランナーのことで、金融や税金、不動産、保険など幅広い知識を備えたお金のエキスパート。
資格上は「ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)」と呼ばれ、1~3級に分かれています。
1級 | 上級レベル:専門性が高く知識レベルも信頼度もアップ |
2級 | 中級レベル:実生活でも仕事でも役立つ |
3級 | 初級レベル:お金にまつわる知識の基本を学びたい人におすすめ |
どの級でも学科試験と実技試験があり、両方の試験に合格すると、晴れて資格取得となります。
学科試験は、ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継の6科目から出題。
実技試験では、資産設計提案業務や個人資産相談業務、生保顧客資産相談業務などにまつわる問題が出されます。
いずれも6割以上の正解で合格となる国家検定です。級や実施団体によって試験日が異なりますが、2級と3級は年に3回試験があります。1級に関しては、学科が年3回、実技が年1回~3回です。
ここまで解説してきたようにFPの資格は、お金の管理や運用に役立つとともに、生きていく上で欠かせない「住居を手に入れる方針」や「不動産に対する自分なりの考え」を導き出すことに役立ちます。
FPは家の賃貸や購入時にも役立つ資格!
FPの知識を持つと、収入における家賃割合を導き出せるようになり、賃貸や不動産購入など実生活に役立つことを解説しましたが、いかがでしたか?
筆者自身も、FPの知識がここまで不動産購入や賃貸に役立つとは思ってもいませんでした。
筆者はFP2級を取得していますが、個人的な家計のことであればFP3級でも十分役立つと思います。法人に関することなど、さらに専門的に学びたいと思えばFP2級を目指すとよいでしょう。
ちなみに筆者は2~3ヵ月集中して勉強し、FP2級に独学で合格できました。比較的取得しやすい資格ですので、家にまつわる悩みがある、家の購入を考えている…そんな方は、ぜひ資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか?
次回では、今回少し触れた“収入と家賃割合の失敗”や、賃貸契約で知っておきたいFPの知識について解説します。ぜひ次回もチェックしてくださいね。
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