こんにちは。前回までは、FP(ファイナンシャル・プランナー)の知識が賃貸契約関連で役立つというお話をしました。
連載最終回である今回は、FP知識が不動産(マイホーム)購入にも役立つことを、FP2級を取得した筆者が解説します。
マイホーム購入を考えるとき、地域の相場から調べたり、ハウスメーカーはどこにしようか、土地はどの辺りにしようかなどと調べたりする方もいるでしょう。
しかし、筆者がおすすめする順番は少し違います。マイホーム購入で失敗したくない人にお伝えしたいFPの知識、ぜひ参考にしてみてください。
目次
マイホーム購入で役立ったFPの知識とは?
筆者が考える、マイホーム購入で役立ったFPの知識は以下の4分野です。
不動産 タックスプランニング リスク管理 ライフプランニングと資金計画
1つずつ解説しましょう。
不動産やタックスプランニングでは、不動産取引や取得・保有に係る税金、各種税制度が学べるため、マイホーム購入時の契約や購入後の税額控除などで役立ちます。
リスク管理では、リスクに備えて保険を活用することを学べるため、住宅ローンに伴う家計の見直しや、住宅ローン契約時にすすめられる保険の見極めに役立つでしょう。
中でも、筆者が実際のマイホーム購入で失敗しないために役立ったものといえば、「ライフプランニングと資金計画」です。どういったことなのか、次から詳しく解説していきます。
FPのお得知識① 長期計画(ライフプランニング)で幅広い視点を持てる
マイホーム購入となると「自分の理想を形にしたい」と思って、土地や内装、メーカーなどにこだわる人もいるでしょう。
しかしこの考えだと、無理な住宅ローンを組んでしまうリスクがあります。前回の賃貸物件探しの章でお話したように、毎月の家賃(住宅ローン)が負担になり、家計が苦しくなるという危険が隠れています。
かく言う筆者も、マイホーム購入では、「どんな家に住みたいか」や「内装は?」「注文住宅?建売?」といった方向に気持ちが流れ、「理想の家が建てられるのなら、ちょっとくらい住宅ローンが増えてもいいかも…」と考えてしまったのです。
ただ、あまりに見積金額が膨らんだため、筆者は1度白紙に戻し、ここで持っていたFPの資格を活かすことに。
FPの資格では、「ライフプランニングと資金計画」が学べます。
ライフプランニングでは、人生の計画を1枚の紙に書き出します。例えば、xx年に結婚、xx年に第1子出産、xx年に第1子小学校入学など。
さらに、xx年に車の買い換え、xx年に何回家族旅行するなど、細かい予定や目標貯蓄額、収入・支出なども書き込みます。
そうすると、長い人生の中でいつ支出が増え、どれくらいのお金が必要になるのかをひと目でチェック可能に。
当時、筆者はフルタイムで働いており子供もいない状態でした。しかしライフプランニングをしていくと、「もしかしたら仕事を辞めるかもしれない」、「産休を取るかもしれない」など、これまで見えていなかったものが見えるようになったのです。
こういったリスクや今後起こり得るイベントを考えると、自然と家計に負担のかからない住宅ローンの金額が導き出せます。
その金額を元にハウスメーカーを探したり、注文住宅か建売にするかを考えたりできるようになり、結果、身の丈にあったマイホーム購入ができたのです。
FP資格を持つ筆者が考える、マイホーム購入でまず考えるべきことは、土地やメーカー選びではなく、まずライフプランニングをすること。
マイホーム購入は、多額なお金が動く大きな買い物であることから、一時の思いだけで決定すると、後から辛い返済になったり、想定外の事に対応できなかったり…となりかねません。冷静に判断するためにも、FPの資格は大いに役立つと考えます。
FPのお得知識② 資産運用を学んで繰上返済につなげられる
マイホーム購入をした際の住宅ローンは、30年ローンや35年ローンなど長期間のローンを組む人が一般的。しかし本当に、期間中ずっと支払い続けてよいのでしょうか?
答えは、「払い続けてもよいけれど、老後、返済が苦しくなるかも」です。
筆者自身、マイホーム購入時の住宅ローンは、長い期間に設定して、毎月の支払いを抑えておくほうが良いと思っていました。しかしライフプランニングをしていくと、「いつまで働く?」「年金を受け取る時期は?」という問題点にぶつかります。
仕事を完全に辞め年金生活となると、住宅ローンの返済は重荷になり、貯蓄を削っていくばかり。
そこで役立ったFPの知識が「金融資産運用」です。株式や投資信託、保険商品などの投資に関して深く学べます。
実際に筆者もFPの知識をもとに、投資信託や保険商品を使って資産運用を始めました。目標額に達したら、住宅ローンの繰上返済をしようと考えています。
ほとんどの人が使用する住宅ローンは、FPの視野を持つことで、地に足の付いた効率の良い返済計画を立てられます。
「いつかマイホームが欲しいな」と思っている人、皆さんに持っていてほしい知識です。
FP資格を取得すれば自分とお金との付き合い方がわかる
マイホーム購入は、人生の中で最も大きな買い物と言っても過言ではないでしょう。当たり前のことですが、そんなマイホーム購入で失敗したくないですよね。
この連載で解説してきたように、そこで役立つ知識がFPです。FP資格なら、ライフプランニングからリスク管理、資産運用、税金、不動産、相続と、人生の分岐点で必要となる知識を得られます。
筆者もFP資格取得により家計の見直しができ、マンション購入や一軒家購入につなげることができました。
また、購入したマンションを賃貸物件にした際は、賃貸借契約や家賃収入の申告など、様々な場面でFP資格が役立ちました。
FP資格によって、計画性と客観的に考える力が身に付けば、お金に振り回されることなく、自分にとって理想的なお金の使い方ができるようになるでしょう。
そんなFPは、独学で取得が目指せる資格です。もちろん就職や転職、スキルアップにもつながるので、ぜひこの機会にFP資格に挑戦してみてくださいね。
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