連載「秘書が教える組織人の心得」、最終回の今回のテーマは、知識・マナーの大切さについてです。
さて秘書をしていると、慶弔関係の手配や業務を頼まれる機会も多いです。
そもそも秘書がついているような上司はお付き合いも広いので、「〇〇に香典を出しておいて」などのような場面も増えるということですね。
では、上司から香典を出すように頼まれたとして、皆さんは「香典袋に入れるお札の向き」が決まっていることはご存じでしょうか。
お札の肖像画の顔が上向きになるよう入れる、下向きになるように入れる、どちらが正しいでしょうか?
喜びは笑顔、悲しみはうつむいて
さて、先程お話しした「香典袋のお札の向き」ですが、正しい入れ方は「香典袋を置いたときに、お札の顔が下になるような向きで内袋に入れる」です。
筆者である私が秘書になりたての頃、正しい入れ方がなかなか覚えられなかったときに、先輩秘書から教えてもらった言葉があります。
それは「喜びは笑顔、悲しみはうつむいて」という覚え方。
慶事(お祝い)ではお札の肖像画の顔が見えるように上に向けて内袋へ入れ、弔事(香典など)では顔が下になるように内袋へ入れるというのを、簡単に覚えられる言葉です。
実際にこれを覚えてからは戸惑うことがなくなり、今でも確認するときに「喜びは笑顔、悲しみはうつむいて」と1人でも言っています。
これは秘書業務だけなく普段の生活でもとても役に立つので、よくわからなくなってしまうという人は覚えておくと便利ですよ。
秘書に必要なマナーはあらゆるビジネスシーンで役に立つ
秘書検定2級や3級で学んだ秘書に必要とされるマナーや知識は、どんな仕事に就いても必ず役に立ちます。
特にマナーというのはよほどのことがない限り、周囲から注意されることはありませんが、他人からはよく見られているものです。
正しいマナーを身に付けておいてメリットになることはあっても、デメリットになることはひとつもありません。
筆者である私がまだ秘書になりたての頃、上司と一緒に食事をする機会があり、そのとき「マナーがちゃんとしているねって取引先の○○さんが言っていたよ」と褒めてもらえたことは、今でもよく覚えています。
もし秘書検定2級や3級に興味はあるけれど、秘書になりたいわけではないからメリットがないかな…という理由で勉強しないのであれば、もったいないなと私は思います。
秘書検定を学ぶメリット
これまでの連載でもお話ししたとおり、秘書検定2級や3級では挨拶やお辞儀の仕方、正しい敬語の使い方も学ぶことができます。
きちんとしたマナーが身に付いた人は、周囲に好印象を持たれやすいというメリットがあります。ですから、新社会人だけでなく現在働いている人でも学んで損することはありません。
また、秘書検定2級や3級では、一般常識や気配りの仕方も学習します。会社の一員として取るべき言動が理解できるようになり、仕事の円滑な進め方も身に付けることができます。
特に新入社員は覚えなければならないことがたくさんあるので、ビジネスマナーをあらかじめ身に付けておけば、仕事を覚えることだけに集中できるというメリットもありますね。
秘書検定2級や3級で学ぶ知識は、普段生活するうえでもメリットになる要素がたくさんあります。秘書業務を希望しない人でも学ぶ内容に興味があるなら、ぜひ資格取得に向けチャレンジしてみてください。
まとめ
全5回の連載で、秘書検定2級や3級を学習するメリットや、秘書という仕事に求められる能力やマナーについてお話ししてきました。
筆者である私が秘書業務を経験し学んだことは、異動先の仕事でも転職後の仕事でも役に立つことばかりです。
秘書検定2級3級を取得したときは、単純に履歴書に書けるし業務にも活かせそうだなという程度の考えでしたが、学習しておいてよかったと思っています。
この記事を読んでいる方が、どの仕事に就きどんな業務を担当するとしても、秘書検定で学んだ知識は必ず糧となります。興味がある人はぜひ資格取得に向けて頑張ってください。
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