この連載では、不動産業界未経験&法律の知識ゼロから独学で宅建試験一発合格を果たした筆者の“効率の良い勉強法と試験科目ごとの重要論点”をお伝えしています。
連載2回目の今回は、試験科目の「宅建業法」について解説します。
宅建業法は、試験科目の中でも比較的やさしく、満点を目指す必要のある試験科目です。
宅建業法で安定して得点できるようになると、一気に宅建合格へ近づきます。
暗記がメインの試験科目ですので、効率の良い学習法でどんどん知識を付けていきましょう!
宅建 勉強スケジュール:筆者提供「宅建業法」の出題範囲・重要論点と学びのコツ
宅建業法とは「宅地取引業法」の略で、“不動産業者にルールを定め、高価な不動産の売買において弱者となりやすい買主を守りましょう”という法律です。
宅建業法出題は宅建試験全50問のうち20問を占めますが、難易度は試験範囲の中で最も低いため、宅建試験での最大の得点源といえます。
ここでの目標点は18点。満点を目指す学習をしなければ目標点への到達は厳しくなり、合格が難しくなります。しっかり学びを深めていきましょう。
宅建業法の重要論点は「35条書面」「37条書面」「8種制限」「クーリングオフ」等です。
重要論点(1)35条書面
家を借りたり買ったりする際には、契約前に不動産会社の担当者から取引対象の家についての説明を受けますよね。その際に作成される書類が35条書面(重要事項説明書)です。
35条書面を用いた説明(重要事項説明)は宅建士の独占業務なので、書類の記載内容や説明すべき内容はすみずみまで覚えましょう。
売買・交換なのか貸借なのか、宅地なのか建物なのかでも細かく内容が変わるので、自分なりに表にまとめてみるとよいと思います。
重要論点(2)37条書面
37条書面とは、契約が成立したあとに宅建業者から契約の両当事者に交付される「契約書」です。
ここは先述の35条書面とからめてよく出題されるため、日ごろから比較して覚えていきましょう。
37条書面の内容は35条書面と比べ記載事項が少ないため、まずはこちらから暗記を進めていくとよいでしょう。
重要論点(3)8種制限
宅建業法では、宅建業者が自ら売主となって一般人と取引をする際に適用される8つの特別な制限があります。法律知識のない買主は不利になる契約をさせられる可能性があるからです。
この制限は宅建業者同士の取引では適用されないので、ひっかけに要注意です。
重要論点(4)クーリングオフ
前述の8種制限の一つで、冷静な判断ができない場所で契約したお客さまは一定期間契約を解除できるという制度です。
クーリングオフができない場所と期間はよく問われるので、必ず押さえておきましょう。
ここまでが「宅建業法」の重要論点です。
実際に勉強するときに再度確認するなどして、勉強の順の参考にしてみてくださいね。
他にも宅建業法は、個数問題が多い試験科目であることも特徴です。
個数問題は全ての選択肢が分かっていないと不正解になってしまうため、曖昧になっている知識は試験当日までに確実なものにしておきましょう。
そして筆者がおすすめする宅建業法の勉強法は、以下を順番に進めることです。
① テキストを一通り読む
② 過去問を解く
③ 不明点はテキストに戻り確認する
④ 曖昧になっている箇所を紙にまとめ、何度も目を通す
筆者は6月頃から①を始め、その後通勤のスキマ時間などを利用して②→③を2ヵ月ほど繰り返しました。試験1ヵ月前から直前期には④で暗記を固めました。
これら勉強法について、2つの重要なポイントを次に詳しく解説します。
勉強法① 宅建業法の暗記ポイントは「比較」にあり!
宅建業法は他の科目に比べ暗記量が膨大です。そのためテキストを読んで全体像の理解がすめば、その先はひたすら暗記あるのみです。
宅建業法における暗記の重要ポイントは、比較して覚えることです。
宅建業法の試験科目は細かいところまで知識が問われるため、うろ覚えでは問題を解くときに頭がこんがらがってしまいます。
そこでおすすめなのが、「自身がつまずきそうなポイントを書き出し、比較しながら覚える」勉強法です。
以下は、私が実際に作成した「宅建業者と宅地建物取引士」における細かなルールの違いのまとめです。
宅建業者と宅地建物取引士の比較宅建業者 | 宅地建物取引士 | |
---|---|---|
免許更新の申請期間 | 90~30日前 | 更新なし (取引士証の更新は6カ月以内に法定講習を受講) |
名簿の変更の届出 | 30日以内 | 延滞なく |
破産時の届出義務者 | 破産管財人 | 本人 |
未成年者の欠格事由 | 法定代理人が欠格事由に該当しなければ〇 | 法定代理人に関係なく× |
有効期間満了時の免許証の返納 | 必要ない | 必要 |
このように表にまとめると、間違えて覚えそうなところを確実に暗記できます。
他にも「35条書面と37条書面」「営業保証金と保証協会」など、宅建業法で受験生が苦戦するポイントはたくさんあります。
これらの範囲は試験でも頻出のため、比較を活用して効率よく暗記を進め、少ない勉強時間でも確実に知識を付けていきましょう!
また次回お話しする「民法等(権利関係)」で登場する民法と宅建業法の間でも、比較が重要となります。続きは次回お話ししますね。
勉強法② 過去問をたくさん解いて「問題文を深掘り」する!
宅建業法は過去問からの出題がほとんどを占めます。
そのため一通りテキストに目を通したら、どんどん過去問を解いていきましょう。
基本的な問題が多いため、過去問を数年分解くだけでも10点以上は確実に得点できるでしょう。しかし宅建業法は合格へ向けて満点を目指す必要があるので、細かい知識の暗記が重要になります。
そこでおすすめなのが「問題文を深掘りして知識を吸収する」勉強法です。
過去問を解き正解すればオッケーではなく、この問題文はどの部分が不正解の記述なのか、どういう記述ならば正解の文になるのか、という点もしっかり考えましょう。
宅建業法は、試験科目の中で一番の得点源のため、少しのミスが命取りとなります。
日ごろからうろ覚えを避け、自信をもって回答できるようトレーニングをしていきましょう。
今回は、宅建試験の大きな得点源となる「宅建業法」の重要論点と学習法について解説しました。
この試験科目は取り組みやすいものの、細かい知識まで確実に暗記する必要があるため、試験直前期に不安になりやすい範囲です。
早めに学習に取り組み、一通り内容を理解・暗記したうえで、直前期に再度知識を確認すると合格へ近づくでしょう。
記事内でお伝えした「比較して覚える」や「問題文の深堀」もぜひ取り入れてみてくださいね。
次回は「民法等」の重要論点と学習法についてお伝えしていきます。
民法等は難易度が高く専門用語も多いため、初心者はつまずきやすい科目です。まずは重要論点を知ることから始めましょう!次回もお楽しみに。
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