この連載では、不動産業界未経験&法律の知識ゼロから独学で宅建試験一発合格を果たした筆者の“効率の良い勉強法と試験科目ごとの重要論点”をお伝えしています。
最終回の今回は、宅建試験直前期における試験科目別の重要論点とその学習法についてです。
筆者の学習スケジュールをもとに、直前期にやるべきこと・やってはならないことも見ていきます。
それぞれの科目で過去問を一通り解き、基本はマスターできたという方や、合格に向け直前期の学習法がわからないという方は、ぜひ参考にしてくださいね。
宅建 勉強スケジュール:筆者提供試験直前期の科目別重要論点
試験2~3週間前の試験直前期は残り時間が少なくなり、何に手を付けたらよいかわからなくなりますよね。
残された時間で効率よく得点アップできるよう、試験直前期における試験科目ごとの重要論点と学習法を見ていきましょう。
宅建業法
宅建業法の試験直前期は、新たな知識をインプットするのではなく基礎を確認していくことが大切です。
試験本番では緊張と焦りで、問題文の読み間違えや勘違いによるミスが起こりやすくなります。
それを防ぐためには曖昧な知識をなくし、自信をつけることが大切です。自分の中で曖昧になっていることをこの期間に確認しておきましょう。
また苦手な範囲を作らないことも大切です。
筆者はクーリングオフの範囲が苦手だったので、ここに範囲を絞り過去問を10年分ほど解きました。宅建業法は得点源になるため、苦手を集中的につぶしておきましょう。
直前期に復習するべき重要論点は、頻出範囲の35条書面、37条書面、8種制限、クーリングオフです。
民法等
連載第3回で、民法等は理解が重要だというお話をしましたが、試験直前期では理解より問題演習をやることが大切です。
どんどん過去問を解き、わからない問題はテキストに戻って確認することを繰り返しましょう。
過去問を解いていると難しい問題にぶち当たることもあるかと思います。そんなときは問題の正答率や難易度を確認し、正答率が低いものはとばして大丈夫です。
直前期に難しい問題を解くと不安になり自信を無くしてしまい、解ける問題も解けなくなってしまう可能性があるからです。
直前期には時効、借地借家法、区分所有法などの暗記分野を中心に復習するのがおすすめです。
法令上の制限
法令上の制限でもやはり大切なのは、暗記の再確認です。
出題数の多い都市計画法と建築基準法を中心に復習していきましょう。特に建築基準法は細かい数字が多く登場するため、うろ覚えは厳禁です。曖昧になっている知識は自分なりにノートにまとめるなどして、確固たるものにしておきましょう。
国土利用計画法、農地法、宅地造成等規制法、土地区画整理法は、出題数も少ないため「過去問演習→つまずいたらテキストに戻り確認」で問題ありません。
税・その他
税・その他は、問題もワンパターンのものが多いため、頻出の不動産取得税、登録免許税、印紙税、固定資産税など重要論点を中心に過去問演習を進めましょう。
また法律が改正されている場合もあるため、改正点の確認もしておきましょう。
連載第5回で統計はあとまわしでOKとお伝えしましたが、最新の統計は試験前日までにチェックしておきましょう。
問題の出題形式を確認するのも忘れずに!
試験直前期にやるべき3つのこと
先にお話しした科目別、直前期にやることを見ると、どの試験科目においても試験直前期に特別なことは何もしないことがわかると思います。
試験直前期には新しいことには手をつけず、本番をイメージしながら今まで通りの勉強を続けましょう。
ここからは実際に試験を受けた筆者が考える、直前期にやるべきこと・やってはいけないことをお伝えします。
やるべきこと① 基本知識を確実に覚える
まず1つ目は、「基本知識を確実に覚える」ことです。
当たり前かと思うかもしれませんが、直前期こそぶれずにやっていきましょう。
過去問や予想問題を解き始めると、テキストに載っていないような難問にぶつかり焦ってしまうことがありますが、理解に時間がかかる難問も、簡単な基本問題も同じ1点です。
宅建試験は基本問題を確実に得点できれば合格点を超える試験なので、難問に惑わされず最後まで基本をしっかり押さえることを忘れないようにしましょう。
やるべきこと② 模擬試験を受ける
2つ目は「模擬試験を受ける」ことです。
タイミングが合う方は、1回は受けた方がよいと思います。私はタイミングが合わず受験できなかったのですが、やはり模試は、試験の空気感や周りと自身の実力の差を測るにはぴったりだと思います。
ただし模試を受けるとその対策や復習に時間を取られてしまうので、何度も受験することはおすすめしません。模試の開催日程は早めにチェックしておきましょう。
私は模試を受験できない代わりに予想問題集を用いて、自分の実力の確認を行いました。
やるべきこと③ 試験本番と同じスケジュールで過去問を解く
3つ目は「試験本番と同じスケジュールで過去問を解く」ことです。
時間を測り過去問を解くと、本番の時間配分や見直しの時間がどれだけあるのかを確認できます。できれば本番と同じタイムスケジュールで行うのが理想です。
宅建試験は午後から行われるため、もしかしたら昼食後の睡魔に襲われるかもしれません。また問題を解く順番も決めておくのがおすすめです。
実際の試験では、問1~問14が民法等、問15~問22が法令上の制限、問23~問25が税・その他、問26~問45が宅建業法、問46~問50が5問免除問題となっています。
問題順に始めると難問の多い民法等から解き進めることになるため、難易度の低い宅建業法の問26から解き始めるのがおすすめです。ただしマークミスには気をつけてくださいね。
試験直前期にやってはいけない2つのこと
やるべきこととの反対に、やってはいけないこともあります。
やってはいけないこと① 新しいテキストや問題集を購入する
直前期には今のテキストの知識だけで大丈夫なのかと不安になることもあるかと思います。新しく1問1答や予想問題集を購入したくなりますが、新しいテキストや問題集に知らないことが書いてあると焦りますよね。
問題演習が重要なことは確かですが、新しいテキストを買うよりも今お持ちのテキストを何度も復習するほうが大切です。
やってはいけないこと② 他人と比べ一喜一憂する
試験直前期になると、どうしても他の受験者の動向が気になってしまいますよね。
私もSNSなどで他の受験者の投稿を確認していました。
しかし投稿を見ると過去問で合格点以上の得点を取っていたり、模試で合格判定Aだったりと、とても焦ったことを覚えています。
「他人は他人、自分は自分」と言い聞かせ、必要以上に他人の動向は気にしないようにしましょう。多くの問題数をこなすことが、一番の自信につながるはずです。
試験直前期の最重要ポイントとは
今回最もお伝えしたい、試験直前期の学習法における重要ポイントは、「プロ講師の考えるヤマを押さえること」です。
毎年試験では、法律の改正点や時事的に話題となった内容が出題されやすい傾向があります。
私の受験した2022年は、「住宅ローン控除の改正」や「成人年齢の引き下げ」がありました。特に税・その他の試験科目では、税制に関する法改正が多く行われているため、しっかりと確認しておきましょう。
しかし独学ではこれら変更点すべてに対応することは難しいかもしれません。
そんなときは、オンライン講座やプロの講師がまとめてくれているポイントをチェックするのがおすすめです。自分で時間を使って情報を集めなくても、試験に出そうかつ最新の情報をわかりやすく伝えてくれます。
とくに働きながら資格獲得を目指す社会人の方々は、ぜひこういった便利なツールを使いながら、効率よく学び合格を目指してくださいね。
連載「合格者が教える!宅建科目別勉強法」今回は、試験直前期における試験科目別の重要論点と学習法について解説しました。
直前期には精神的な焦りから、あれもこれもと手を出してしまいがちです。
しかし今回お話しした「特別なことはせず、着実に知識を付ける」というコツを思い出し、残された時間と今の実力をしっかりと見極めて、焦らず学びを進めていきましょう。
また独学で学習を進めてきた方も、最後は少しプロ講師の力を借りると効率よく勉強を進められると思います。ぜひ参考にされてくださいね。
今回で計6回の連載は最後となります。最後までお読みいただき有難うございました。
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