【突然ですが問題です】
Aさんからこんな質問をされました。
「マイホームを建てようと思って、祖母が亡くなって空き家になっていた建物を壊して更地にしたんだ。でも、いざ建てようと思ったら、前の道路からずいぶん距離を取らないと建てちゃダメだって言われて…。せっかくのマイホームなのに、予定よりかなり狭くなっちゃいそうなんだよ。どうしてなんだろう?」
さて、あなたならなんて回答しますか?
(気になる答えは記事の最後に!)
連載「知らないと損!FP3級で身に付くお金の知識」、前回は、FP3級の難易度についてお話ししました。
FP3級は入門資格なので、生活の中での身近な事例が多く、親しみやすい試験内容となっています。
そのとっつきやすさと、合格基準が全体の6割という点から「試験は意外と簡単だった」と感じる人が多いのです。
そうは言っても、知識の無い人がまったく勉強せずに合格する、というのは難しいでしょう。ではFP3級合格には、具体的にどのくらいの勉強期間が必要なのでしょうか?
FP3級合格に必要な期間~ビジネスパーソン編~
「日本の企業=終身雇用」というイメージはありませんか?しかし今後、終身雇用のような働き方がなくなってしまうかもしれません。その理由は主に2つ。
- 転職の増加
- 専門性を求められる
民間の調査によると、2022年における正社員の転職率は7.6%で、過去5年で最も高い水準に。給与面や人間関係などを理由に転職する方が増加しています。
日本企業はどちらかというと、人材を育てていくスタイルでした。しかし海外は、専門性のある人を集めて仕事をするスタイル。グローバル社会において、日本のスタイルでは置いてけぼりになってしまいます。
出典:就業者の職業別構成比|厚生労働省職業安定局「我が国の構造問題・雇用慣行等について」 29ページより抜粋
上記厚生労働省のデータからも、世界と比べて日本は専門職などの割合が低いことがわかります。
つまり、これからの時代は、専門性を高めて自分の強みを見つけることが就職や転職に有利になるということです!
もちろん金融関係への就職を目指している方はもちろん、そうでない方にとっても、自分の強みとなる専門知識を身に付けておけば自信になるでしょう。
FPの資格は、業界によっては昇格の条件に設定されているなど、転職の時のアピールポイントにもなりますから取っておいて損はありません。経済の話題にも詳しくなるので、営業の方はお客様との話のネタとしてもおすすめですよ。
とは言え、仕事をしていると勉強に使える時間は限られてしまいます。ビジネスパーソンがFP3級を取得するとなるとどのくらいの時間を要するのでしょうか?
ビジネスパーソンのFP3級合格のための勉強期間は、正直なところ人によってかなり差が出るでしょう。例えば日経新聞を読む習慣がある人と、そういった知識はゼロという人とでは、土台となる条件が違うからです。
前者ならば、2週間程度の勉強で一発合格というのも夢ではありません。
後者ならば、3ヵ月は見ておいた方が安心でしょう。
どちらにしても、働いている人であれば、通勤時間や休憩時間のスキマ時間をいかに活用するかがカギとなってきます。
ちなみに、私が合格までに要した期間は3週間ほど。毎日退社後に2時間くらい勉強しました。多少なりとも仕事で培った金融知識があったので、その点が大きかったと思います。
FP3級は「FPとして働く」という方は、必ず取得しておきたい資格です。しかし、そうではない方もFP3級の勉強を通じて、自分の得意な専門性や強みに気づくきっかけになるかもしれません。
FP3級合格に必要な期間~主婦編~
「FP資格を取ろうとする人ってどんな人なんだろう」と思ったことはありませんか?
FP3級に特化したデータはないのですが、FP3級取得者が次に目指すFP2級(AFP)においては、以下のようなデータがあります。
出典:CFP・AFP認定者 業種別属性データ|日本FP協会 データで見るFP資格
最近は主婦の方の受験も多いようです。
ご主人から家計のやりくりを任されて自然とお金に関する意識が高まり、受験を決意されるみたいですね。
主婦の方でも加入できる個人型確定拠出年金(iDeCo)の導入や、配偶者控除の見直しなど、無視できない話題も増えてきました。
興味のある方は今こそ受けることをおすすめします!
日中の時間を十分に勉強にあてられる主婦の方であれば、1ヵ月での合格も夢ではありません!しかし、小さなお子さんがいるとなかなか勉強できないことも。
不測の事態にも対応できるように、ゆとりを持って期間を設定するとよいですね。2~3ヵ月は見ておきましょう。
FP3級で学んだ知識は生活で役立つことはもちろん、育児がひと段落した際の就職にも役立つはずです。
また意外と見落としがちなのですが、FP3級では不動産の基礎についても学べます。マイホーム購入や賃貸契約にも通ずるものなので、とても身近に感じられるでしょう。
これからはますます受験しやすくなる!CBT方式試験スタート
2023年11月から、FP3級試験はCBT試験へ移行します。完全移行するのは2024年4月から!
出典:TAC出版ナビ「FP3級のCBT方式試験開始!」より抜粋
CBT試験とは、ペーパー試験ではなくコンピュータを使った試験のことです。CBT試験になると以下のようなメリットがあります。
- 通年受験OK
- 申請3日後から受験できる
- 試験終了時に点数がわかる
- 学科試験が120分から90分に変更される
- 受験票廃止
これまでも試験が年に3回あったので、一般的な資格試験よりも受験しやすいという点が魅力でした。
しかし、2024年4月からは通年受験が可能になるので、自分が受験したいタイミングで計画的にいつでも受験できるようになるんです!
しかも学科の試験時間が90分に短縮されるのも嬉しいですね。またFP3級は、学科と実技の2つの試験から構成されていますが、どちらか一方合格した場合は一部合格となり、一定期間、合格した方の試験は免除されます。
「でも勉強にそんなに多くの時間は割けない!」という人は、とにかく効率的に勉強して、1分1秒の勉強濃度を上げていきましょう。
今回の記事では、意外と短期間の勉強で国家資格のFP3級が取得できることをおわかりいただけたと思います。しかもこれからはより受験しやすくなるため、さらに人気になるかも!
次回は効果的な勉強方法の紹介と、1ヵ月の短期間で一発合格を狙えるのか?調査結果をご報告します。
【冒頭の問題の答え】
FP3級を勉強していればすぐわかりますね!
昭和25年に施行された建築基準法では、敷地の前面道路は原則で幅員4m以上の広さが無ければ建物が建てられないことになっています。
もしその広さが無いのに建てる場合は、道路の中心線から水平距離で2mの位置まで敷地を後退(セットバック)させなければならず、使える面積が大幅に小さくなってしまうことも…。
Aさんのおばあさまの古家はおそらく建築基準法施工以前に建てられたもので、当時は敷地いっぱいに家を建てることができたのでしょうね。
FP3級の勉強をすると金融面だけでなく不動産の知識も増え、宅地建物取引士に興味を持つ方も多いんですよ。
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