行政書士 効率的学習法シリーズ4回目は、前回に引き続き、試験科目の特徴とそれぞれの学習法についてお伝えしたいと思います。
後編の今回は、「行政法」と「商法」についてです。
合否を分ける行政法では、過去問対策の鬼となる!
ご存じの方も多いかと思いますが、この試験の最重要科目は、とにかく行政法です。
5肢択一(21問)、多肢選択式(2問)、40字記述(1問)が出題され、112点(300点のうち)を占めます。
多岐に渡り出題されますが、出題類型により大きく対策を分けるのではなく、基本的には5肢択一対策の延長線上に、多肢選択式や40字記述の対策が含まれるといったイメージになります。
行政法では、「行政組織法」「行政作用法」「行政救済法」の分野があり、「行政作用法」と「行政救済法」が出題の中心となります。
法理論も多い科目のため、最初のうちは苦手意識をもつ受験生も多い行政法ですが、「時間をかければ」得点力が付いてくる、努力が報われやすい科目でもあります。
まずは、参考書を「読む」時間を多くとり、法理論の表現に慣れることを優先するとよいでしょう。
そして、ある程度インプット(理解・暗記)ができたと感じれば、過去問対策です。行政法は、とにかく過去問対策が重要な科目です。毎年の出題数も多いため、本試験では過去に出題された知識を繰り返し出すことが多くなっています。
したがって、過去問を繰り返し解答しましょう。過去問の活用方法の詳細は、次回でお伝えしたいと思います。
次が、大事なポイントです。過去問を解けば、「間違えた」問題や「自信がない」問題が出てきます。そこを、もう一度、参考書などでインプットし直して補強しましょう。この繰り返しで弱点を減らしていくのが試験対策の王道です。
あと、行政法は得点力の「軸」を作ることも重要です。「行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」「国家賠償法」は本試験でも得点の土台として重要となってきます。
これら以外にも、「行政行為」や「行政上の強制措置」なども過去問対策によって、安定した得点が期待できますので、頑張ってください。
他方、「地方自治法」については、あまり細かい知識は追求し過ぎず、「長と議会の関係」や「直接請求」など繰り返しの出題可能性が高く、かつ、押さえやすい範囲に注力するといいでしょう。
商法はヤマを張ることも大事
次に、「商法」について。以前から、この科目は「捨て問」、つまり得点を期待しない範囲と考える人が多いところでした。
理由としては、民法や行政法並みに学習分量の多い範囲にもかかわらず、本試験では出題数が少なく(5肢択一式が5問のみ)、かつ、問題の難易度も高いからです。
ただ、近年は、得点が可能な問題も増えつつあります。そこで、出題可能性が高く、かつ、踏み込みやすい範囲に絞って、2問くらいの正解を目指す対策はやっておいた方がいいでしょう。
例えば、株式会社について、「会社の設立」や「株式」、「株主総会」や「取締役」だけでも掘り下げる、といったようにテーマを限定することは効率的といえます。
そして、この科目は、過去問対策よりも、資格予備校の直前期答練を活用して準備することをおすすめします。
いかがでしたでしょうか。前回の「憲法」と「民法」の特徴と学習法とあわせて参考にしてください。次回は過去問対策の重要性と活用法についてお話しますので、お楽しみに。
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