魔王が支配するRPGの世界。世界平和のために戦う戦士と魔導士が酒場で出会ったのは、謎の男「販売士」。
彼は数字を元にした戦略やモチベーションを上げる人の育て方など、新時代の戦い方を知る男であった。
はたして販売士は、この世界を救えるのか?!
前回までのお話はコチラ
販売士による武器屋の経営コンサルティングが好評なことから…
戦士:お前のせいで、なかなか冒険に出られないじゃないか。
魔導士:今日は道具屋で薬草とかポーションとか、色々揃えなくっちゃね。こんにちは~。
道具屋:いらっしゃいませ~。今日は何をお探しで?
戦士:あ、そういえば何がいるんだっけ?
魔導士:え?戦士が考えてくれてるんだと思ってたよ。
道具屋:ははは。困りましたね。まあ、また買うもの決めたら来てください。
販売士:道具屋さん…あなたの商売ってなんですか?
販売士の目が光る。
わかり切ったことを聞かれ、道具屋は怪訝な顔になる。
道具屋:え?うちは薬草とか聖水とか、そういう道具を売る商売だよ。
販売士:私はこの世界の「道具屋」ってのは、面白い存在だと思っていましてね。「道具」って言葉には何でも定義できます。まさにコンビニエンスなストアなんですよ。
魔導士:また始まった。こんびにえんすって何よ。まったく。
販売士:「便利屋」と言った方がわかりやすいかもしれませんね。
本来でしたら「ソリューション」。顧客の問題を解決してあげることです。
ここで薬草を買う人たちが解決したい問題は何だと思う?魔導士ちゃん。
魔導士:そりゃあ…モンスターとの戦いで受けた傷をいやしたい…とかかなあ。
販売士:例えば、これから向かう先にいるモンスターや地形の特性を考慮して、解毒剤やたいまつなんかをお店側から提案してこその道具屋ですよ。
戦士:あ、それは助かるな!
道具屋はしみじみと語る。
道具屋:なるほどですね…そういえば先代のオヤジも言ってました。「ウチは薬草屋じゃない!便利屋なんだ!」って。子どもの頃は意味がわかりませんでしたけど、そういうことなんですね。
魔導士:みんな冒険の旅には不安があるから、地元に詳しい道具屋さんが色々提案してくれたら、たしかに安心かも。不安を解消するようなアイテムをいっぱい提案してね!
販売士:その時々のソリューションを実現していって、よいお店にしてくださいね!
魔導士はニコニコとした笑顔で言うのであった。
魔導士:私は宿屋で寝るときのぬいぐるみが欲しいなぁ。販売士さんプレゼントしてね!
販売士:私はあなたの便利屋さんってとこですな…。
戦士:あはは。すっかり気に入られたようだな。
「戦士・魔導士・販売士」の冒険は続く。
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戦士・魔導士・販売士(全12回)
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