魔王が支配するRPGの世界。世界平和のために戦う戦士と魔導士が酒場で出会ったのは、謎の男「販売士」。
彼は数字を元にした戦略やモチベーションを上げる人の育て方など、新時代の戦い方を知る男であった。
はたして販売士は、この世界を救えるのか?!
なり行きでしかたなく販売士を仲間に入れた彼らは、販売士の旅の装備を揃えるために、城下町の武器屋を訪ねるのであった。
武器屋:いらっしゃーい。
戦士:こいつの武器を見繕ってくれ。力弱そうだし、弓とかはどうだ?
販売士:弓ですか。やじりに神経毒を塗るのが巷で流行のコーディネートなんですよね。
魔導士:怖っ!まあ一理あるけど。
武器屋:トレンドをよくご存知ですね!たしかにそういうお客さん増えていますよ。毒薬でしたら、隣町の道具屋にありますので、そちらでお買い求めください。
ここで販売士の目がキラリと光る。
販売士:せっかくですし社長。毒薬もここで取り扱ったらどうですか?顧客のニーズに合わせたワンストップサービスをしないと、隣町の武器屋さんにお客を奪われますよ。
武器屋:まさに図星です。でも、うちは武器屋ですし・・・。
戦士:この町の道具屋では毒物を扱ってないもんな。
販売士:いまは「○○屋」という商品の括りで商いをする「業種店」の時代じゃないですよ。お客さまのニーズに合わせて商品や売り方を柔軟に考える「業態店」にならなくちゃ。
魔導士:へー。「武器は武器屋」「道具は道具屋」が常識だと思ってた。
武器屋:しかし、毒薬の取扱いには薬師の免許が必要なんですよね・・・。
販売士:大丈夫です。一昨年前の法改正で、薬師の代わりに、登録販売者を設置すれば、一定の薬草や毒物は売れるようになりました。いずれコンビニで扱う時代も来ますよ。
販売士の知識に一同感心するのであった。
戦士:お前詳しいな!(・・・てか「こんびに」ってなんだよ?)
武器屋:それは知りませんでした。商いに関わる法律に精通されているんですね。
販売士:今後は規制緩和の動きの中で、インターネットでも武器や毒物の販売が可能になることでしょう。今後、柔軟な経営がしていけるよう、アドバイスしましょうか?
魔導士:きせいかんわ?いんたーねっと??
武器屋:いや~、ありがたい。ぜひ好きな武器を持って行ってください。
販売士:私の武器は「知識」なので大丈夫です。彼らに最新の武器を見繕ってあげてください。こんどは品揃えについてアドバイスに来ますよ。社長さん。
戦士:おいおい・・・タダで武器を手に入れちゃったよ。こいつ。
「戦士・魔導士・販売士」の冒険は続く。
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戦士・魔導士・販売士(全12回)
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