魔王が支配するRPGの世界。世界平和のために戦う戦士と魔導士が酒場で出会ったのは、謎の男「販売士」。
彼は数字を元にした戦略やモチベーションを上げる人の育て方など、新時代の戦い方を知る男であった。
はたして販売士は、この世界を救えるのか?!
前回までのお話はコチラ
戦士・魔導士・販売士の一行は、王の依頼で王宮に来ていた。依頼内容は、近々「勇者」となって魔王討伐に旅立つ予定の王子の戦闘訓練である。
王:我が息子は真面目なのだが、まだ戦闘を知らん新人ということもあってな…。何かと評判の貴殿たちに育成を頼みたい。
戦士:はっ!光栄なお話ありがとうございます!
魔導士:じゃあ私が「座学」を、戦士が「実践」を教えることにしよっか。今回は販売士さんは休んでて大丈夫よ(笑)
販売士:それはありがたい。では私は王様と、王子の育成料について見積もり相談をさせてもらうことにしましょう。
王:なかなか手ごわそうな男だな(笑)
さっそく実践としてモンスターと対峙する戦士と王子であった。
戦士:まずは剣を持たなければ始まりません。実践あるのみですよ!王子!
王子:はいっ!緊張しますが頑張ります…。
戦士:こう戦うんです!(バサッ!)こんな感じ!(ズバッ!)分かりましたね?
王子:は…はあ…
バサバサッとスピーディに倒していく戦士の様子を、一つひとつ見逃すまいと凝視する王子であったが、顔には「?」マークが浮かんでいる。
一方、王宮では午後から魔導士とのマンツーマンで、「勇者の戦闘のあり方」についてレクチャーが行われるのであった。
魔導士:いいですか王子、勇者というのはパーティを率いるリーダーであって…ジェネラリストとして…(うんぬんかんぬん)
王子:なるほど!なるほど…
魔導士:だから戦うときは、味方の様子を見つつ…補助呪文も使いながら…(うんたらかんたら)…奇襲攻撃に注意して…あとは実践あるのみよ!
王子:は…はあ。わか…りました。
「?」マークの増えていく王子。
…育成開始から数週間が経つも、いまだ戦いの場でオロオロとする王子であった。
王子:ボク、才能がないのでしょうか(しょぼん)
販売士:はっはっは。OJTとOff-JTの連動ができていないだけですよ。
魔導士:あ、いいところに!今回も助けてよ!
説明しよう!
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)とは現場で実習訓練する教育方法であり、Off-JT(オフ・ザ・ジョブ・トレーニング)とは職場以外での、知識を習得するセミナーなどを指す。
販売士:実践の場で学ぶOJTは体系的・理論的な学びになりにくいので注意が必要ですし、逆に、Off-JTは実践と結びつきにくいのが留意点です。
戦士:たしかに、俺は説明がちゃんとできていないかも…スマン。
魔導士:私は机上の空論になっちゃってたのかなあ…。ゴメンネ。
販売士:ぜひその辺を考慮して、お二人で連携して教えてみてはどうでしょうか?
そして数日後、理論と実践が結びついた王子はみるみる成長するのであった。
王子:戦士さんが魔導士さんの理論をリピートしながら、実践の場で説明しながら見せてくださるので、わかりやすかったです!
王:我が息子もモンスターを倒せるようになったか!あっぱれじゃ。
販売士:王子は勇者としてまだまだ伸びますよ。今後もレベルに合わせてパーソナルトレーニングは継続していきましょう。請求書は月末締めでお送りしますね…ふふふ。
魔導士:あなたの財布が一番成長していきそう(笑)
…「戦士・魔導士・販売士」の冒険は続く。
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戦士・魔導士・販売士(全12回)
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