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我が家も必要?相続税の節税対策 はじめの一歩(前編)

我が家も必要?相続税の節税対策 はじめの一歩(前編)

今回から「税理士・なるき先生の税金お悩み相談室」と題して、税金に関するお悩み解決をしていきます。オンスク君と自分自身を照らしあわせながら、節税に活かしてみてくださいね。

オンスク君:なるき先生、こんにちは。
今日は、相続税について教えて欲しいことがあるんですが…。

なるき先生:こんにちは!
相続ですね。
相続は、大好きなので、何でも遠慮なく聞いてください!

オンスク君:私の祖父が、相続税の節税対策をしたらいいかどうか悩んでいるんです。
相続税の節税のために、具体的に何をしたらいいのか教えてもらえませんか?

なるき先生:しっかりしたお祖父様ですね。
相続税の節税対策をするかしないかで、相続税額は大きく変わる可能性があるので、すごくいい心掛けだと思います。

オンスク君:はい。
それで、まずは何をしたらいいのでしょうか。

なるき先生:そうですね。
まずは、相続税がどれくらいかかる見込みなのか試算してみましょう。
それによって、オンスク家にとっての最適な節税方法や、いくらくらい対策をすればいいのかがわかるようになります。

オンスク君:なるほど、まずは、相続税を試算してみることが大切なのですね。
それで、相続税の試算をするには、どうすればいいんですか?

なるき先生:“財産(と債務)の種類と金額”と“相続人”がわかれば、相続税の試算ができます。
まずは、財産について教えてください。
お祖父様は、何をいくらくらいお持ちですか?

オンスク君:はい。
祖父の財産は、預金が9,000万円のみです。
債務は、特にありません。

なるき先生:わかりました。
続いて、相続人について確認させてください。

オンスク君:はい。
祖父の財産は、祖母(配偶者)、オンスク父(子)、オンスク叔父(子)、私オンスク(孫)が相続する予定です。

家系図

なるき先生:わかりました。
相続税の計算で使うのは、実際に誰が相続するか(相続する予定か)ではなく、法定相続人(法律で定められた相続する権利を持つ人)になります。

今回の場合、お祖父様の法定相続人は「お祖母様(被相続人の配偶者)」「お父様(被相続人の子どもA)」「叔父様(被相続人の子どもB)」です。

被相続人の孫にあたるオンスク君は、法定相続人にはなりません。

オンスク君:そうなんですね。

なるき先生:はい。
では、財産と法定相続人がわかったので、相続税の試算をしてみましょう。

1.まずは、財産の総額を算出します。
今回は、預金が9,000万円なので、財産総額9,000万円になります。

2.続いて、債務・葬式費用の算出です。
債務は、なしでしたよね。
葬式費用は、今回は、仮に200万円で計算していきましょう。

3.次に、基礎控除額を計算します。
基礎控除額は、“3,000万円+600万円×法定相続人の数”で求められます。
今回の場合、法定相続人は、お祖母様、お父様、叔父様の3人です。
したがって、基礎控除額は、3,000万円+600万円×3人で、4,800万円になります。

4.次に、財産から債務・葬式費用と基礎控除額を差し引いて、課税遺産総額を求めます。
したがって、課税遺産総額は、9,000万円-200万円-4,800万円=4,000万円。
この4,000万円に対して、相続税が課税されます。

税金のきほん講座「6-2.節税対策の第一歩①」

オンスク君:なるほど。
この4,000万円の部分を少なくすれば、相続税が少なくなるんですね。

なるき先生:さすが、オンスク君、その通りです。
ここまでの計算で、課税遺産総額が0円以下になるときは、相続税は一切かかりません。
その場合は、節税対策も必要ありません。
今回は、相続税がかかりますので、最後まで計算を続けて、相続税がいくらになるか算出してみましょう。

オンスク君:お願いします!

なるき先生:5.課税遺産総額を、法定相続人が法定相続分で取得したと仮定します。
法定相続分は、あらかじめ法律で決められていて、今回の場合、お祖母様(配偶者)が1/2、お父様(子どもA)と叔父様(子どもB)がそれぞれ1/4(1/2×1/2)になります。
したがって、
お祖母様(配偶者):4,000万円×1/2=2,000万円
お父様(子どもA):4,000万円×1/2×1/2=1,000万円
叔父様(子どもB):4,000万円×1/2×1/2=1,000万円

6.次に、相続人ごとに、取得した財産に対応する相続税額を計算します。
相続税額は、5の取得財産×相続税率-控除額で求めます。
相続税率と控除額は、相続税の速算表を参照してください。

家系図

したがって、今回の場合は、次のようになります。
お祖母様(配偶者):2,000万円×15%-50万円=250万円
お父様(子どもA):1,000万円×10%=100万円
叔父様(子どもB):1,000万円×10%=100万円

7.最後に、6の相続税を合算します。
したがって、
250万円+100万円+100万円=450万円が、オンスク君のお祖父様の相続にかかる相続税になります。

税金のきほん講座「6-3.節税対策の第一歩②」

オンスク君:なるほど!!
特に対策せずに、9,000万円を相続すると、450万円も相続税がかかってしまうのですね!

相続税に450万円も払いたくないなあ。
先生、何かいい節税方法はありませんか?

なるき先生:そうですね。
課税対象の4,000万円部分をできるだけ小さくすることで、相続税が安くなります。具体的な節税方法は次回紹介しますね。

オンスク君:はい!
よろしくお願いします!

後編へつづく 税金のきほん講座

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