『「想い」を伝えるビジネスマナー(全10回)』最終回となりました。今回のテーマは、「敬語」です。
「ものすごく準備してったのに、あんまり話聞いてもらえなかったんですぅ」と相談されたことがあります。情報を集めることに熱心な若手社員でした。どのように話したのか尋ねると、「別に普通に」とのことでした。
同じ内容でも敬語で伝わりやすさが変わる
敬語の重要性を体感したことはありませんか?
どんなに豊富な情報を持っていても、高いテクニカルスキルがあったとしても、言葉遣いが雑だったり、伝え方が横柄だったりすると、相手から信頼を得たり、自分の意見を受け入れてもらうのは難しいです。敬語が身についていないと、オフィスの人間関係がぎくしゃくしたり、ときにはトラブルになったりすることさえあります。
敬語を身につけることによって、お客様や上司、先輩などと、スムーズにコミュニケーションをとることができます。自分のおかれた立場を意識し、人間関係を良好に保ちながら仕事を進めていくために敬語は役立つのです。
例:先輩の場合(尊敬語)
先輩に「次の会議の日程知ってる」と聞くのと、「次の会議の日程はご存知ですか」と聞くのとでは、人間関係はいかがでしょうか。言うまでもなく後者が良い関係を構築しますね。
例:お客様の場合(謙譲語)
お客様に、「来週までに検討してください」と言うのと、「恐れ入りますが、来週までにご検討いただけますか」と言うのとでは、印象の違いはどうでしょう。後者はクッション言葉+依頼形です。人間の心理として、何とかしようと、相手が受け入れやすくなります。
例:上司の場合(その他の謙譲表現)
上司に説明した後で、「私の説明でお分かりいただけましたか」と言うより、「何かご不明な点はございますでしょうか」と言った方が、人間関係が良くなります。あなたにわかる能力があるかと聞くのではなく、自分の説明に不備がなかったかを尋ねるほうが良いと言うことです。
いくつか例を上げましたが、敬語によってスムーズに伝わるイメージがつきましたでしょうか。積極的に敬語を使って良い人間関係を構築していきましょう。
これまで全10回に渡ってお伝えしてきた連載も今回で最後となります。ビジネスマナーを身につけることによって、今後、あなたの人生がより豊かに変わっていくことを願っています。
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