「宅建・ビジ法3級ダブルラインセンスの魅力」第2回では、ビジ法3級で習得できる法律知識の分野と、それらの知識がどのようなビジネスシーンで役に立つか、という点について詳しく触れていきましょう。
ビジ法3級で習得できる法律知識
そこでまず、ビジ法3級で習得できる法律知識の分野についてみていきましょう。前回「宅建・ビジ法3級取得のメリット(1)実務上のメリット」もお話した通り、3級では、ビジネスパーソンとして業務上理解すべき基礎的法律知識を有し、問題点の発見が可能である、という点を到達目標としています。
こうした目標を達成するには、ビジネスに関係する数多くの法律知識が必要となります。そこから、3級とはいえ、相当広い範囲の法律について学習します。
具体的には、民法については、財産法と家族法のすべての分野を学習します。宅建で学習した事項はもちろんのこと、家族法の分野では、婚姻や離婚、夫婦の財産関係といった、宅建試験では出題されなかった分野も含まれます。
民法という一般法に対して特別法となる商法、会社法、手形小切手法についても基本事項を学びます。今日、取引の主体は、会社形態をとるのが通常であり、そこでは、民法に優先して商法が適用されます。会社については、株式会社を中心に、合名会社、合資会社、合同会社の基本構造についても学習は及びます。
また、企業活動にかかわる法律として、独占禁止法や消費者保護にかかわる一連の法律(消費者契約法、割賦販売法、特定商取引法、製造物責任法等)について習得します。
そして、大変重要性を増している、知的財産法の分野(特許権・実用新案権・著作権・意匠権・商標権)や個人情報保護法も学習範囲に含まれています。
さらに、会社の従業員として、当然知っておくべき労働法の分野(労働基準法、労働組合法、男女雇用機会均等法、労働者派遣法等)、その他にビジネス社会で起こりうる刑法や会社法にかかわる犯罪についても学習します。
ビジネスシーンに応じたビジ法3級知識の活かし方
さて、こうした様々な法律知識は、会社において仕事をするうえで、日常関わりをもつものばかりといえます。会社の従業員である以上、賃金、労働時間、有給休暇等についての法律知識を身に付けることは、自らの権利擁護につながります。
また一連の消費者保護法の理解は、お客様と契約する際の基本的留意事項であると同時に、コンプライアンス及びリスクマネジメントという観点から大変重要な意味があり、この点の理解を欠くことは、会社への大きなクレーム要因ともなりかねません。
さらに民法の特別法である商法・会社法・手形小切手法等の理解は、不動産業界での円滑な契約締結、債権の管理・回収、取引上の決済等の場面で、大いに役立つはずです。
そして、不動産の広告の場面では、著作権、意匠権といった知財法の理解は今や必要不可欠ですし、顧客データの管理という側面では、個人情報保護法の理解は重要です。
その他、皆さんの多くは会社の従業員であると同時に、家庭人でもありますから、結婚や離婚、夫婦の財産関係についての知識は、ご自身の家庭生活においても有用です。
このように、ビジ法3級の法律知識は宅建士の皆様にとって、会社及び家庭における、適正にして有意義な生活を送るうえで有効に活用できる、まさに生きた知識といえます。
是非ともダブルライセンスを目指していただければと思う次第です。
最終回では、ビジ法3級試験の出題傾向を踏まえて、受験に当たって宅建士の皆さんがいかに有利か、受験上のアドバンテージに触れることにしましょう。次回もお楽しみに。
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