「宅建・FP3級ダブルライセンスの魅力」第2回では、FP3級で習得できる知識の分野と、それらの知識が宅建士にとって、どのようなビジネスシーンにおいて役に立つか、という点について詳しく触れていきましょう。
FP3級で習得できる知識とは
そこでまず、FP3級で習得できる知識についてみていきましょう。
前回「宅建・FP3級取得のメリット(1)実務上のメリット」も触れましたが、ファイナンシャルプランナー(FP)は税金・保険・年金などの幅広い知識と視野を持ち、お客さまの夢や希望を叶えるためのパーソナル・ファイナンシャル・プランニングを行うプロフェッショナルです。
3級では、まずは入門として、
①ライフプランニングと資金計画(社会保険や公的年金など)
②リスク管理(生命保険や損害保険など)
③金融資産運用設計(債券投資、株式投資、投資信託など)
④タックスプランニング(所得税の基礎、所得の種類と内容など)
⑤不動産(民法や宅建業法・都市計画法・建築基準法、不動産評価など)
⑥相続・事業承継(法定相続人・相続分、遺言、相続税など)
等々6つの分野について学習します。
お客さまの夢や希望を叶えるためのパーソナル・ファイナンシャル・プランニングを行うには、これらの様々なジャンルの知識が必要となるからです。
ビジネスシーンにおけるFP知識の活かし方
さて、こうした様々な知識は、お客様の人生の様々なステージにおいて、必要とされる知識ばかりです。日本の学校教育では、あまり教えられてはいませんから、お客様もこうした事柄にはあまり精通していないのが通常でしょう。
そこで、不動産という高価な資産を購入する際には、契約時や相続時の税金、不動産にまつわる法規制はもちろんとして、社会保険、年金、生命保険、債券や株式等の金融資産について理解しておくことは、説得力のある提案や顧客満足度の高いアフターフォローにもつながることでしょう。
つまり、FP3級の知識があれば、お客様の将来の資金繰りに向けては、様々な投資にまつわる一般的な知識を伝えたり、あるいは国民年金や厚生年金の仕組みについて説明したりすることも可能となります。
老後の生活に不安をいだいているお客様には、公的年金の知識は大変役立つでしょう。また火災保険や地震保険など損害保険の知識は当然のこととして、今や日本人の2人に1人ががんになるような時代では、若いお客様に対しても、生命保険の基礎知識などを正しく伝えられれば、大いに喜ばれることでしょう。
さらに相続時には、相続税、相続時精算課税の仕組み、税の優遇措置など、お客さんには大変関心の深い問題です。これらについても基礎事項を学びますから、それなりのアドバイスも可能となります。
このように、宅建士がFP3級を学習することは、不動産をこれまで契約時における点として、また単体として見てきた限界を乗り越えられます。お客様の人生という長い線の中で、また様々な資産や社会保険や年金という制度の中で位置づけ、より広い視野に立って、全体を俯瞰することが可能となります。
このことは、お客様へのより説得的な提案を可能とし、また顧客満足度の向上にもつながることになるでしょう。
是非ともダブルライセンスを目指していただければと思う次第です。
最終回では、FP3級試験の出題傾向を踏まえて、受験に当たって宅建士の皆さんがいかに有利か、受験上のアドバンテージに触れることにしましょう。次回もお楽しみに。
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