「宅建・FP3級ダブルライセンスの魅力」第3回では、FP3級試験の概要に触れた後で、試験の出題傾向を踏まえると、宅建士資格保有者が受験上いかに有利であるか、という点についてお話ししましょう。
FP3級試験の概要
FP3級試験は、年に3回。つまり5月、9月、1月に実施されます。試験時間は学科試験が午前10:00~12:00まで、実技試験が13:30~14:30までです。
実技試験といっても学科と異なる点は、単に実務的な問題や計算問題が出題されるだけで、学科試験と大きく違うわけではありません。
学科試験は60問の筆記試験(4肢択一:マークシート形式)、実技試験は20問の筆記試験(正誤問題と3肢択一:マークシート形式)です。
受験資格は、FP業務に従事している者または従事しようとしている者となっていますが、特にチェックはされませんから、特別な制限はなく誰でも受験できます。
合格基準は6割得点(学科で60点/100点、実技で36点/60点)で、合格率は学科で70%位、実技で85%位です。宅建試験と比べると、かなり高いですね。
出題科目は、
A ライフプランニングと資金計画
ファイナンシャル・プランニングと倫理、関連法規、社会保険、公的年金、年金と税金等
B リスク管理
リスクマネジメント、生命保険、損害保険等
C 金融資産
マーケット環境、預貯金、投資信託、株式投資、ポートフォリオ等
D タックスプランニング
日本の税制、所得税の仕組み、個人住民税、個人事業税等
E 不動産
不動産の見方、取引、法令上の規制、不動産取得税、固定資産税等
F 相続・事業承継
贈与・相続と税金・法律、相続財産の評価、不動産の相続対策等
です。
宅建士の皆さんの受験上の優位性
出題科目を見てわかる通り、不動産、相続、タックスプランニングの分野では、宅建試験で学習した事項が多くの部分を占めています。したがって、この分野は学習時間を短縮できますし、得点源にもできるでしょう。多くの受験生は、実はこの分野が苦手ですから、これらの科目では相当優位に立てます。
このように宅建士資格の保有者は、試験勉強においても相当のアドバンテージが与えられているといえます。合格率の高さと年に3回の受験のチャンスがある点も魅力ですね。
自信をもってチャレンジできますし、また仕事の状況に合わせて受験時期の選択もできます。しかも合格した場合には、国家資格としてFP3級のライセンスが付与されます。
FP3級の学習を通して、お客様へのコンサルティング能力も一段と向上することは間違いありません。名刺にファイナンシャルプランナーと明記することもできます。
なお、FP3級の試験は、日本FP協会と金融財政事情研究会という2つの団体が実施しています。日本FP協会の試験を受験して、さらにAFP(普通資格)、CFP(AFPよりも上級の資格で、世界24か国で通用する国際ライセンスです)の試験を目指すことも良いでしょう。
不動産業界のある大手企業では、AFP資格を取得した後、不動産運用設計と相続・事業承継の2科目についてCFP資格の取得を奨励しています。お客様への高いコンサルティング能力が習得できるからです。
以上、3回にわたり宅建とFP3級のダブルライセンスの魅力についてお話してきましたがいかがでしたでしょうか。
是非、まずはFP3級資格の取得を前向きにご検討いただければと思います。
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