「宅建・ビジ法3級ダブルライセンスの魅力」第3回では、ビジ法3級試験の概要に触れた後で、試験の出題傾向を踏まえるとともに、宅建士資格保有者が受験上いかに有利であるか、という点についてお話しましょう。
ビジ法3級試験の概要
ビジ法3級試験は、通常7月の第1日曜日と12月の第2日曜日、つまり年に2回実施されます。試験時間は午前10:00~12:00までです。
受験資格には特別な制限はなく、誰でも受験できます。合格基準は70点で、合格率はおよそ70%です。宅建と比べてかなり高いですね。
試験の出題形式は大問が合計10問出題されます。そのうち正誤判断形式が合計30点(問題1、4、8)、文章中の5つの空欄に語句を選択して補充する形式が40点(問題2、5、7、9)、4肢択一形式が30点(問題3、6、10)という具合に出題されます。30点、40点、30点合計100点満点で、70点取れば誰もが合格となります。
そして、出題傾向の大きな特色として、民法が全体の約5割、商法(会社法等も含む)が約2割弱を占めています。その他の分野で配点が比較的高いのが、独占禁止法(5点前後)、知的財産権(8点前後)、労働法(7点前後)などです。
宅建士の皆さんの受験上の優位性
こうした傾向を踏まえるとき、宅建士学習で培った民法の理解は大いに役立ちますから、受験上は相当有利といえましょう。しかも、3級試験は多方面の法律知識を広く浅く問うもので、難易度は決して高くありません。この点は合格率の高さをみていただければ明らかですね。
合格に向けた対策としては、約7割を占める民法・商法・会社法等の分野につき、頻出事項をしっかりと理解しかつ記憶することが大切になります。その他の分野も、知的財産法・独占禁止法・労働基準法を中心に頻出事項を押えることで十分合格できます。
ビジ法3級試験でも過去問は重要です。上記頻出分野の過去問を繰り返し解くことで、合格に必要十分な知識は身に付きます。民法についてはすでに学習済みですから、過去問を演習すれば十分でしょう。
また、うれしいことに、独占禁止法、知的財産権、労働法(労働基準法が大半を占めます)の分野では、繰り返し同じような問題が問われますから、この3つの分野は間違いなく得点源となります。
若干難しく思われるのは、商法、会社法、手形・小切手法の分野だと思います。しかし、民法と商法の違いや会社の仕組みなど、会社で働く者が一通り身に付けておくべき基礎的な法律知識ですから、十分学ぶ価値があると思います。
宅建士は不動産業界のコンプライアンスにおいてまさに要となる立場にあり、不動産取引法務の専門家です。そこで、宅建士として業界に関わる法律だけでなく、幅広い法務知識を学べるビジ法3級は、宅建士の方が目指すべきダブルライセンスとして最適だと思われます。
年に2回受験のチャンスがあるというのも魅力ですね。ご自分の仕事の状況に照らして、受験時期の選択もできます。
以上、3回にわたり宅建とビジ法3級のダブルライセンスの魅力についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。 是非、ビジ法3級資格の取得を前向きにご検討いただければと思います。
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